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ゲストスピーカーによる特別授業(12月3日実施)

実施日:2015年12月3日(木)
実施場所:和泉キャンパス 6番教室
科目名:社会学B
ゲストスピーカー:砂田 有紀(ドキュメンタリー映画監督)

実施内容:
 ゲストに砂田有紀氏(ドキュメンタリー映画監督)を迎え、監督作品『子供たちの涙~日本人の父を探し求めて~』を上映した。当日は約500名の学生が参加した。最初に、砂田監督が、日系オランダ人に関する歴史的背景や現在の状況、ドキュメンタリー制作に関するレクチャーを20分間行った。その後、50分間の作品を上映した。
 映画の内容は次のとおり。第二次世界大戦中のインドネシアで、軍人・軍属の日本人男性とインドネシア系オランダ人女性の間に生まれた混血の子たち。終戦後、父が日本に引き揚げ、母の国オランダへ渡った彼らは「敵国の子」と蔑まれた。自分は何者なのか、その答えを知るためにも、日本にいる父にひと目会いたい想いが募った。そこで、1人の日本人元兵士が協力を名乗り出た。彼の元に寄せられた父親探しの依頼状は、100通を超えた。その大半は、父が日本人であること以上は何も知らされないままであった。多くの日本人が知らない、終わらない戦後を追ったドキュメンタリーである。
 最後に学生に感想を記入してもらったところ、初めてこのような歴史があることを知った、主人公への共感を持った、親の存在について改めて考えたなど、さまざまな意見が聞かれた。社会学Bは国境を越える文化や人の問題を主要テーマとしているが、本作品はこのテーマを考えるよいきっかけを学生たちに与えてくれた。          
                                           
                                                          藤田 結子(科目担当教員)