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NCフライス盤

写真1 写真2

 フライス盤は回転する切削工具で台に固定した加工物を削る機械です。台が左右・上下に移動して面や種々の外形の切削および彫込み加工ができます。NCフライス盤は台の移動がNC式、すなわち数値制御されて、制御盤に加工寸法などを打ち込むかCADなどの図形データを読み込ませることで加工が自動的におこなえます。
 フライス盤は部品や機械を製作する工場などでもっともよく使われる工作機械の一種で、このような機械を作る機械はマザーマシンと呼ばれ、機械を開発する技術者はそれがどのような工作機械で作られるかを知っていなければなりません。理工学部では機械系学科の授業カリキュラムにNCフライス盤を使った加工実習を組み込んでいます。
 今回導入したNCフライス盤は最大長1250mmまでの加工ができ、従来工作工場では加工不可能であった長尺寸法のものが扱えるようになりました。NCフライス盤の利用は前述のように機械加工の基本であり研究などのための加工にも必要不可欠で、授業による利用以外に学生自身による研究資材の加工や工作工場への加工委託による対応で頻繁に使われています。(写真1)(写真2)
NCフライス盤オプション

写真3 写真4 写真5

 フライス盤加工は機械工作の基本であるため、この機械は既に多くの学生や工場職員により利用されています。さらに様々の加工ができるようオプションが用意されています。このうちヘリカルタップ(ガイダンス機能)、スプラッシュガードおよびマルチクレーンを2019年度に追加導入しました。
 ヘリカルタップはタップ加工(ネジ穴加工)を自動的に行う機能です。制御盤から起動できるよう新たに追加されました。従来手動では精度よく仕上げることが困難であったタップ加工が、NCフライス盤のガイダンス機能により簡単に実現できます(写真3)。
 このNCフライス盤の切削工具は鉛直方向を軸に回転し、金属加工のために切削油を使うとき工具の回転により油が四方に散乱することがありました。これを防止するオプションであるスプラッシュガードにより、大量の切削油を使う大型の加工物でも安心して加工できるようになりました(写真4)。
 導入したNCフライス盤は最大寸法1250mmまでの大型加工物が取り扱えるので利用範囲が広がりました。半面、加工物が大きくなり重量が増加すれば取付け、取外しする際の作業者への肉体的負担や不意の落下による危険が懸念されます。これに対応するため最大1000kgまでの荷重が扱え、不要の際は小さくたためるマルチクレーンを導入しました(写真5)。
理工学部