【日 時】2011年6月28日(火)18:00〜19:45
【会 場】明治大学生田キャンパスA館4階・特殊プレゼンホール(川崎市多摩区東三田1-1-1)
【講 師】田村誠邦(明治大学建築学科客員教授)
【主 催】明治大学理工学部建築学科
【参加費】無料(学外の方でも参加できます)
【問合せ先】明治大学理工学部建築学科都市計画研究室 担当:佐々木翔
【ポスター】こちら
【内容】
わが国においても、ストックの時代といわれはじめてから久しいが、ちょっとした改修やリニューアルは別として、耐震改修を含む本格的なストック活用(建築再生)の事例は、まだまだ乏しいのが現実である。その理由としては様々な課題が考えられるが、大きくは、ストック活用に係わる法制度、経済性、人々の意識等の社会経済的課題と、ストック活用を支える基盤としての建築技術、それを実行する生産システム等の技術的課題に分けることができよう。これらの課題は独立して存在するのではなく、互いに影響を与えながら、存在している。したがって、ストック活用を促進する上では、これらの課題を個別に解決していくだけでなく、課題全体をひとつのシステムとして捉え、そのシステム全体の改善による解決を図る必要がある。
今回ご紹介する求道学舎の事例は、明治大正期を代表する建築家である武田五一が設計した築80年のRC造の寄宿舎について、上記のような社会経済的課題と技術的課題に対して、ソフトとハードの技術を総合的に駆使することによりこれを克服し、その再生を果たしたものである。今回の特別講義においては、求道学舎再生のプロセスを通して、建築再生に係わる様々な課題とその解決方法について具体的に解説したい。
なお、再生後の求道学舎は、居住者のいるRC造集合住宅としては、わが国最古の集合住宅であり、隣接する求道会館の再生と併せて、2008年度の日本建築学会賞(業績)を受賞したものである。