レーザー物理研究室

レーザー物理研究室では、テラヘルツ領域における分子分光を行なっています。この領域は、周波数可変コヒーレント光源を得るのが困難であったため、しばしば、“電磁スペクトルの谷間”と称されてきました。しかし最近では、半導体技術、レーザー技術の進歩により、テラヘルツ波の発生・制御が容易にできるようになりました。当研究室でも、異なるタイプのテラヘルツ分光計を二台所有しています。一台はテラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)と呼ばれる方法により、1-3 THzのスペクトル全体を一度に観測できます。現在は、糖類、アミノ酸など生体関連分子のスペクトルの観測を行なっています。また、もう一台の分光計は、近赤外半導体レーザーの差周波発生を利用したもので、メチルアルコールや水蒸気などの気体分子のスペクトルを高分解能に観測することができます。また、ごく最近では、観測されるスペクトルの分解能をさらに高めるために、これらの分光計を微粒子や分子の運動操作と組み合わせる試みを始めました。


微粒子をトラップするための炭酸ガスレーザー