No.00
※第1期・ケースNo.00と同じ
《魔夜峰央作品ギャラリー》
No.01∼08
※第1期・ケースNo.01∼08と同じ
《「パタリロ!」特集》
No.09
「パタリロ!」
1978年『花とゆめ』24号-連載中
常春の国マリネラの国王パタリロ・ド・マリネール8世は10歳。人間離れした優秀な頭脳と身体能力を持つが、その能力は、お金儲けや度を越したいたずら(仕掛けられた側が死を覚悟しなければならないほど)にもっぱら浪費されている。
【魔夜峰央コメント】
ギャグに初挑戦した「ラシャーヌ!」のあと、『花とゆめ』本誌で描くようになったんです。「ラシャーヌ!」の仕事を持ってきたKさんという編集さんからの依頼でした。「パタリロ!」の一本目「美少年殺し」は全然ウケなかった。半年後くらいにまたKさんから前後編の仕事が来たので、「美少年殺し」のキャラを使っていいですかと言って、今度はパタリロを主人公に、バンコランをライバルにして描いたのが「墓に咲くバラ」。その時はひとりで描いてました。『花とゆめ』本誌は月2回刊なので、計68ページをひと月で描いて死ぬかと思いました。最後の方はもう目がダメになってきてボヤーっとしか見えなかった。
【展示品】
『パタリロ!』9巻 単行本用トビラ
花とゆめCOMICS 1981年10月25日、白泉社
No.10
【魔夜峰央コメント】
「少年愛もの」について
このイラストは「ポーの一族」(萩尾望都/1972年-不定期シリーズ連載)のパロディですね。「風と木の詩」(竹宮惠子/1976-84年)とこの作品は、どちらも出てすぐに読みました。その時思ったのは、同じ道を先に行く存在、ということでした。もともと同じ道にいて、私より先に見事に表現してくれていた。
私は男ですけど、男性の同性愛を扱った作品を読むことも全然いやじゃなかった。むしろ、これがもっと当たり前の世の中になってもいいんじゃないか、と思いました。ただし、私自身は同性愛者ではないです。愛する奥さんがいますので、ゲイポルノの写真集とかを送ってくるのは、やめてください。本当にそういうことがあったんです。
【展示品】
霧のロンドンエアポートVOL.Ⅴ トビラ
1981年『花とゆめ』23号
花とゆめCOMICS 12巻単行本用トビラとして使用
No.11
【魔夜峰央コメント】
うしろの煙のような描き文字ですが。私は空間恐怖症なので、空いたスペースは埋めたいんです。
なんでもいいから適当に描いていったらこういうものが出てきたのです。深い意味はありません。
【展示品】
『パタリロ!』11巻 トビラ
花とゆめCOMICS 1982年3月25日、白泉社
No.12
【展示品】
『パタリロ!』15巻 単行本用トビラ
花とゆめCOMICS 1982年11月25日、白泉社
花とゆめCOMICS 37巻単行本用トビラとして使用
No.13
【展示品】
『パタリロ!』22巻カバーイラスト
(上:表1、下:表4)
花とゆめCOMICS 1984年9月22日、白泉社
No.14
二つ名の秘密
「パタリロ!」のトビラ絵右枠外に書かれている文字に注目してみよう。掲載誌の著者名に添えられたキャッチ(二つ名)が、著者によるものだということがわかる。他のケースのトビラ絵の枠外にも注目してほしい。
【魔夜峰央コメント】
当時読者はみんな担当編集がつけているものと思っていたみたいですが、すべて自分でつけていました。
【展示品】
ヒューイットおおいに悩む 後編トビラ
1988年『花とゆめ』11号
花とゆめCOMICS 38巻単行本用トビラとして使用
No.15
【魔夜峰央コメント】
薔薇の秘密
薔薇は初期以降は自分では描いていないです。苦手だったので。池田理代子さんの薔薇が好きで、洋風で鋭角的なバラを描いているのを参考に「これ描いて」とアシスタントに指示をしていました。イラストの構図決めはもちろん自分でやりますし、他の不思議な生き物などは下描きまで自分で描きますが、薔薇は「バラ」って文字で指定すると入ります。
【展示品】
薔薇の友 後編 トビラ
1989年『花とゆめ』10号
花とゆめCOMICS 41巻単行本用トビラとして使用
No.16
「パタリロ!」には本編以外にスピンオフが何作かあり、単行本タイトルになっているものに「パタリロ西遊記!」「パタリロ源氏物語!」そして「家政夫パタリロ!」から始まる一連の家政夫シリーズなどがある。
【魔夜峰央コメント】
「パタリロ源氏物語!」の誕生
「パタリロ西遊記!」を8巻まで描いて、編集から「もう終わりにしよう、10巻越えると売れなくなるから」と言われて終わりにしました。次に何を描こうかと話していて、とっさに「源氏物語」って言っちゃったんですね。「源氏物語」を読んだこともなかったし、平安時代は描いたこともなくて水干の描き方すらわからないのに。そしたら企画が通っちゃったので、そこから自分なりに研究しました。別案として中国の「金瓶梅」も考えていたんですが、「源氏物語」の方が受け入れられやすいかなと思いこちらにしました。
【展示品】
「パタリロ源氏物語!」 トビラ
2005年『メロディ』2月号
花とゆめCOMICS 2巻カバーとして使用
《美少年美青年特集》
No.17
7年後のパタリロ
「つぶれあんまん」「去年の大福」などと評されることも多いパタリロだが、案外美しく成長するではないか、ということが作中のところどころで示唆されている。このケースにはそうした例をはじめ「きれいなパタリロ」を集めた。
【展示品】
「パタリロ!」
「パタリロの1日」 本文原稿
1980年『花とゆめ』20号
No.18
素顔のタマネギ
タマネギ部隊は、マリネラ国国王直属の武官部隊。マリネラ全軍の中から選抜されたエリート軍人である。番号のつけ方はある時期から任意であるらしい。全員タマネギのような髪型、メガネ、ひし形の口、制服も同じでほとんどクローンのようだが、その姿は変装であり、素顔はほぼ全員美形。メガネを取ると美人、という少女マンガのお約束の男性バージョンといえる。
【展示品】
「パタリロ!」
「スターダスト」 本文原稿
1980年『花とゆめ』15号
No.19
タマネギ44号
霊感体質の美青年タマネギ。除霊する能力もあり、霊的事件が起こるたびに非番でも駆り出されるため、素顔での登場が多い。毎回「僕は非番なんです」と叫びながら登場する。タマネギの中では珍しく異性愛者。また、タマネギの中では最も多く登場していると思われる。自室にはたくさんのぬいぐるみがある。
【魔夜峰央コメント】
気に入っているキャラクターです。彼こそ、まともで真面目な青年です。ちょっと霊感は強いですが。
【展示品】
「パタリロ!」
「霊障事件」 本文原稿
1985年『花とゆめ』12号
No.20
タマネギ16号
パタリロのフランス革命取材に同行するためにタイムトラベルし、そのまま18世紀フランスにとどまった心優しい青年タマネギ。「忠誠の木」1話のみにしか登場しないがとても印象的なタマネギである。
【展示品】
「パタリロ!」
「忠誠の木」 本文原稿
1981年『花とゆめ』11号
No.21
タマネギ八百万(やおよろず)号
小金儲けが好きで「始末屋」のあだ名を持つ、どケチなタマネギ。カツラは売ったため、タマネギ頭は地毛。多くのタマネギはメガネをはずすと美形、という設定なのに対して、この八百万号はメガネのまま美形に描かれているのが珍しい。
【展示品】
「パタリロ!」
「始末屋」 トビラ
1999年『別冊花とゆめ』2月号
No.22
美青年化したスーパーキャット
スーパーキャットはスーパーパワーをもつ猫。人間の少女に恋をし。一度だけパタリロの手によって人間になり、スープラと名乗った。猫の時もだが、人間になっても語尾に「ニャ」がつく。
【展示品】
「パタリロ!」
「哀愁のスーパーキャット」本文原稿
1988年『花とゆめ』19号
No.23
フィガロ・バンコラン(=大天使ミカエル)
フィガロはバンコランとマライヒの息子。その正体は大天使ミカエルである。
【展示品】
「パタリロ!」
「バンコランVSベールゼブブ」 後編 本文原稿
1999年『別冊花とゆめ』11月号
No.24
海音寺隼人(左)、一条京也(右)
等級グループ総帥の美青年・海音寺隼人は古風で硬派な男色家。西部ウエスタングループ当主の美青年・一条京也は女性が大好きで軟派なプレイボーイ。経済界をリードする若きライバル同士の二人は何かと反発しているが……。BL誌『麗人』に連載された「サプライズホテル」(1997年-99年)に登場した。
【展示品】
「サプライズホテル」
EPISODE:1 トビラ
1997年 『麗人』7月号
No.27
クリムゾン
美少年雪月卓也の心が事故をきっかけに猫のロビンに乗り移ったことから、横須賀で猫と人間を巻き込んで大騒動がおこる「横須賀ロビン」。クリムゾンは、猫界の大物ビッグデーモンのボディガードで、殺し屋の美形猫。
【展示品】
「横須賀ロビン」
1981年『ララ』2月号
No.28
興(おき)様
興様は「横須賀ロビン」の登場人物で、本名は藤原興風。卓也の祖父を訪ねてきた北陸の実業家。訪問の理由は、父の恩返しのため。山火事で被害を受けた祖父に30億ポンと渡してしまい無一文になる、人間の美青年。
【展示品】
「横須賀ロビン」
1981年『ララ』8月号
No.29
美少年サンタのイヴ
魔夜が2002年から年一回、クリスマスにあわせて連載している「眠らないイヴ」の主人公。サンタクロースの孫である。
【展示品】
「眠らないイヴ」
2005年『月刊まんがライフ』1月号(雑誌)
No.30∼32
※第1期・ケースNo.30∼32と同じ
《美少年美青年特集》
(上段・右から順に壁01~09、下段・右から順に壁10~19)
【魔夜峰央コメント】
美少年美青年を描く理由
美少年美青年をなぜ多く描いてきたかというと、好きだからですね。現実の美少年美青年に興味があるわけではないけれど。自分は女性が描けないので男性に置き換えて女の子の心を持った男の子と美青年の関係を描いた。その組み合わせが一番きれいだと思って始めました。きれいな女性同士ではなまめかし過ぎる。
美しいかどうか、美学があるかどうかというのが価値判断の大きな基準です。というかそれしか無いですね。
一時期体調を崩したりなんだりで美形を描かなくなってしまって。でも元気になったので、これからは美形ももっと描いていきますよ。楽しみにしていてください。
壁01
バンコラン(少年時代)
フルネームはジャック・バルバロッサ・バンコラン。イギリス情報局秘密情報部(MI6)所属の凄腕エージェント。殺人許可証を持つ、いわゆるダブルオーナンバーの一人。パタリロとはくされ縁的関係。生涯の伴侶はマライヒと決めているが、10代後半の少年が大好きで、浮気癖がある。その眼力は少年たちをメロメロにする力があり「美少年キラー」の名をほしいままにしている。「眼力」は力を調整して少年以外に発揮することも出来る。時代劇には、邪鬼遊稚児丞万古蘭(じゃっくゆちごのじょうばんこらん)などの名前で登場するほか新撰組では近藤勇、忠臣蔵では大石内蔵助として登場。「パタリロ源氏物語!」では光源氏、「パタリロ西遊記!」では盤古羅漢というオリジナルキャラクターとして登場している。
【展示品】
「パタリロ!」
「霧のロンドンエアポート」Ⅳ トビラ
1981年『花とゆめ』22号
壁02
バンコラン(時代劇バージョン/近藤勇)
「パタリロ!」には初期からスピンオフ作品がある。時代劇、西遊記、源氏物語など古典のパタリロバージョンも多い。原画は幕末を舞台にバンコランが新撰組の近藤勇に扮したバージョン。
【展示品】
「パタリロ!」
「猫間天狗」 本文原稿
1979年『別冊花とゆめ』春の号
壁03
バンコラン
【魔夜峰央コメント】
バンコランの名前の由来は、ジョン・ディクスン・カーの小説、「夜歩く」(1926年)などのシリーズに登場する、探偵アンリ・バンコランです。好きなシリーズものだったので。投稿時代に「ヴァンコラン」(発表は1980年)という作品があり、その主人公の名も同じ小説からです。当時のヴァンコランは凄腕なところは同じですが、髪が短く、異性愛者です。
【展示品】
「パタリロ」
「墓に咲くバラ」 前編 本文原稿
1979年『花とゆめ』8号
壁04
バンコラン
【展示品】
「パタリロ!」
「墓に咲くバラ」 前編 トビラ(左)
1979年『花とゆめ』8号
壁05
バンコラン
【展示品】
「パタリロ!」
「パタリロ危うし!」 本文原稿
1979年『花とゆめ』14号
壁06
マライヒ
フルネームは不明。元は国際ダイヤモンド輸出機構という謎の組織に所属する凄腕の殺し屋だったが、バンコランのパートナーとなる。ものすごく嫉妬深い。男性でありながら、一度の流産を経てバンコランとの子どもフィガロを出産。番外編の時代劇では菊之助(弁天小僧)や摩雷妃(まらいひ)として、源氏物語では紫の上、西遊記では三蔵法師として登場する。
【展示品】
『パタリロ!オリジナル・アルバム』 PARTⅡ
ピンナップ用イラスト
(キングレコード/1982年)
壁07
マライヒ
【魔夜峰央コメント】
マライヒの名前の由来は、モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズに登場したマルライヒ兄弟と、E・E・スミスの「レンズマン」シリーズに登場したアイヒ族をあわせて、ちょっと不気味なムードを持つ感じにしました。最初はチョイ役ですぐ殺すつもりでいたのですが、生き延びた。生命力の強いキャラクターです。
【展示品】
「パタリロ!」
「プリンス・マライヒ」 トビラ
1980年『花とゆめ』9号
壁08
マライヒ
【魔夜峰央コメント】
マライヒの赤ちゃん
少年であるマライヒに赤ちゃんができるのは、バンコランとの関係を発展させたら自然とそうなった感じです。SFが好きなので、SF的発想ですね。科学が進めば単性生殖も当たり前になってくるでしょうし、「パタリロ!」はなんでもアリですからね。
【展示品】
「パタリロ!」
「マライヒの赤ちゃん」 トビラ
1981年『花とゆめ』10号
壁09
マライヒ
【展示品】
マライヒ
「パタリロ!」
「マライヒ・マライヒ」 トビラ
1980年『花とゆめ』2号
壁10
ビョルン(=ジュニア)
国際ダイヤモンド輸出機構の幹部ナンバー9の息子。そのことからジュニアと呼ばれる。「スターダスト」に登場するアンドレセンとは瓜二つである。ナイフ投げが得意。ルージュを引いている。
【展示品】
「パタリロ!」
「墓に咲くバラ」 後編 本文原稿
1979年『花とゆめ』9号
壁11
フィリップ
ソビエト(当時)の諜報機関KGBの消耗部隊のリーダー。消耗部隊とは外国人で構成された実行部隊で、フィリップは元イギリス人。弟の命を守るため寝返り、殺される。
【展示品】
「パタリロ!」
「走れパタリロ」 本文原稿
1981年『花とゆめ』9号
壁12
キーン・バンコラン
バンコランの叔父。眼力はバンコランを上回る。バンコランとの確執があり、対決に敗した後、姿を消した。
【展示品】
「パタリロ!」
「散る薔薇咲く薔薇Ⅵ」 本文原稿
1983 年『花とゆめ』17号
壁13
ザカーリ
美貌のタロット占い師。彼の未来予測は外れない。元になったのは初期短編「タロット」(1980年)の同名キャラクター。容姿や性格は異なる。
【展示品】
「パタリロ!」
「タロット輪舞曲(ロンド)」 前編 トビラ
1982年『花とゆめ』5号
壁14
アーサー・ヒューイット
アメリカ中央情報局(CIA)の凄腕調査員。狙撃の名手。病的なほどのロリコン。時代劇版の名前は呂利紺飛雄糸之介(ろりこん ひゅーいっとのすけ)。「パタリロ源氏物語!」では頭中将。
「パタリロ西遊記!」では十六羅漢の一人、飛雄糸。
【魔夜峰央コメント】
ヒューイットは描いていておもしろいですね。彼はイジリ甲斐がある。ロリコンであるということ以外は、きわめて普通の人間だと思います。登場回数は多いですが、人気があるかどうかは私にはわかりません。描きたいから登場し続けているんですね。
【展示品】
「パタリロ!」
「ヒューイットの災難」 トビラ
1984年『花とゆめ』24号
壁15
デュモン
世界的犯罪者。推理の天才であるパタリロを何度も出し抜いたことがある、完璧主義者。密室トリックが得意。
【展示品】
「パタリロ!」
「デュモン登場」 トビラ
1985年『花とゆめ』23号
壁16
ラシャーヌとおじ様
手前は「ラシャーヌ!」の主人公ラシャーヌ。失恋ばかりしているインドの大金持ちの息子。奥はラシャーヌの29歳の叔父。
【魔夜峰央コメント】
ラシャーヌのおじ様は好きなキャラクターですね。彼は29歳は中年じゃないと主張してますし、ミーちゃんも永遠の28歳ですが、私は若さにはあまりこだわりません。それよりも美しさです。いつまでも美しくあろうとする心持ちはとても魅力的ですね。美容整形の話ではありませんよ。美を心掛けて生きていれば、それなりの顔になるということです。
【展示品】
「ラシャーヌ!」
「おじ様 恋の冒険行」 トビラ
1981年『花とゆめ』19号
壁17
ミロール
美貌の花屋。「怪奇生花店」(1978年)の主人公。「パタリロ!」にも「めずらしい純白の花が咲く」(1980年)の回で登場。
【展示品】
「怪奇生花店」 トビラ
1978年『花とゆめ』17号
壁18
アスタロト
非情なる悪魔。ベール、ルキフェル、ベールゼブブと並ぶ魔界の四大実力者の一人。アスタロト公爵としては2代目で育ちがよく、実力でのし上がってきたライバル・ベールゼブブとは対照的。作者のデビュー前に作られたキャラクターで、媒体を変え何度もシリーズ展開している。
【魔夜峰央コメント】
アスタロトは、美青年…なのかな? 設定では2万歳ですけど(笑)。思い入れのあるキャラクターですが、魔法で何でもできるので動かしづらくて。「何でもできる」ということは「何もできない」んですよね。何があってもドラマにならない。ベールゼブブという対抗馬が出てきてから話が作りやすくなりました。
【展示品】
「アスタロト」第1話 トビラ
1991年『別冊プリンセス』NO.4
壁19
麻実麗(=西園寺麗)
アメリカ留学から戻り、東京の名門校に転校してきた容姿端麗、都会的物腰、文武両道の男子高校生・麻実麗。その正体は、埼玉で一、二をあらそう大地主・西園寺家の子息。差別される埼玉県民解放のため立ち上がる。
【魔夜峰央コメント】
麻実麗は高校生ですけど大人っぽい。だから今度の「翔んで埼玉」映画化でGACKTさんが演ってもおかしくないんですよね。先日、GACKTさんとお話しする機会があったのですが、GACKTさんの圧がすごかった。美の圧というか存在感というか。彼の美に対するこだわりをとても感じました。
【展示品】
「翔んで埼玉」PARTⅡ トビラ
1983年『別冊花とゆめ』春の号
《特別コーナー 美少年(?)美青年(?)特集》
(上段・右から順にB壁01~03、下段・右から順にB壁04~06)
B壁01
【展示品】
「彼は道化」
未発表作品
1974年1月制作
B壁02
原薫
「夜だけのミストレス」の主人公・原薫は男装の麗人である。
【魔夜峰央コメント】
女性を描くのは苦手なんですが、男装の麗人は描けるんですよね。男装というのが大事なのかもしれません。
【展示品】
「夜だけのミストレス」 トビラ
1979年 『ララ』2月増刊号
B壁03
マリネラ国警察長官
マリネラ国の警察長官。メガネを外すとダンディなおじ様。普段は牢に閉じ込められ家にも帰れず、本来はパタリロの仕事である書類の処理をさせられている。その実、マリネラの極秘防諜「文化広報局」のチーフでもある。マリネラの対外向け情報部の初代長官になり、カムチャッカに本拠地を構えて以後行方不明に。
【展示品】
「パタリロ!」
「パタリロ! 気分・紀文・奇聞」 本文原稿
1983 年『花とゆめ』19号
↑
普段の警察長官(手前)
『パタリロ!』14巻より
B壁04
イヨマンテ・サンダース
M16部長。バンコランの直接の上司。エージェントとして現場で活躍していたころには「稲妻のイヨマンテ」の呼び名を持っていた。銃を抜く速度は稲妻のごとく早いが、弾が目標にあたったためしがない。好物は天丼。初期は渋い老紳士だったのだが。
【展示品】
「パタリロ!」
「パタと部長と女社長」 本文原稿
1985年『花とゆめ』8号
↑
バンコランに変装するサンダース部長
『パタリロ!』15巻より
←
サンダース部長
『パタリロ!』1巻より
B壁05
バット
BAR東カリマンタンのやり手ママ。本名はモス=マクドナルド。個性的すぎるホステスたちによってお店は大繁盛している。マライヒのダイヤモンド輸出機構時代の仲間で今も友人。機構に所属していた当時は男性として生きていたが、今は女性として生きている。
【展示品】
「パタリロ!」
「悪魔の下僕」 本文原稿
1999年『別冊花とゆめ』12月号
B壁06
おクマ
「家政夫パタリロ!」シリーズに登場する、アラファト家政婦派出協会所属の家政婦、波多利郎の同僚。外人部隊出身で肉体は屈強な男性だが、精神と服装は完全に女性。本名はクマナーニャ。「パタリロ!」本編「青い帆立貝」のブルースカロップのママや、別作品「サプライズホテル」のゴンザレスなど、よく似たキャラクターが登場している。
【展示品】
「ビストロ温泉パタリロ!」 トビラ
2006年『シルキー』6月号
↑
ゴンザレス
『サプライズホテル』より
←
ブルースカロップのママ
『パタリロ!』14巻より
《パタリロ!特集》
(右から順にT01~03)
T01
【展示品】
「忠誠の木」 トビラ
1981年『花とゆめ』11号
T02
【魔夜峰央コメント】
感動ものについて
「パタリロ!」10巻前後の頃は、読者を泣かせてやろうと思っていた時期ですね。以前、土田よしこさんの「つる姫じゃ~っ!」に、日本流のお涙ちょうだい的な話があって、それが印象に残っていて。長い連載の味付けとしてこういったものもあっていいだろう、と描いてみた。やってみたらまあ難しい。泣かせる、感動させるという話をどうやったらいいか分からなかった。何本も何十本もストーリーを作って、自分で少しうるっとくる話だけを残した。ものすごい数の話を考えて、組み立てては崩しを繰り返して一本一本ができた。ストーリーを考えるだけで3日くらいかかりました。普段はネームも切らないのに、このあたりの話はネームを描きましたね。この頃のネームはずっと保管しています。それだけ思い入れがあるんですね。
【展示品】
「忠誠の木」 ネーム
未発表
T03
【展示品】
ラフイラスト
未発表
※第1期・映像と同じ