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第1回 (2005.1.28) |
今井 清二郎 さん (群馬県 富岡市長) |
1965年 商学部 産業経営学科 卒業 |
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昨年から今年にかけて、商学部のリクエスト講義に特別講師として出席させていただいた。12月8日(水)は1部、1月18日(火)は2部の授業であった。昭和40年卒業の先輩としては大変名誉なことで、与えられた時間内でどのようなことを伝えられるか準備して臨んだ。和泉校舎、リバティタワー(駿河台校舎)、卒業してから一度も足を運んだことはなく、懐かしい想いで一杯だった。
私の在学中に東京オリンピックが開催された。日本の発展を世界にアピールした歴史的な意義がそこにはあったと思う。以来、日本は高度成長を続け、ついに世界第2位の経済大国となった。そして今は、長期の経済不況、リストラ、倒産、などで学生は就職難に悩んでいる。社会問題も多く、ついに日本最大の特長である教育力の低下が叫ばれている。多分、学生たちも不安な気持ちで今の社会を見ているに違いない。そこで私は、日本が持っている潜在的な力を示して、学生たちに希望を与えるような話をしたいと思った。
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私は基本的に、日本は文化の蓄積のある素晴らしい国だと思っている。その文化は、国土が地球環境に優れた緯度にある、四季のある湿潤な気候で農耕に適している、したがって、どこでも人は定着し生活することが出来る、定着するから教育が発達する、教育が発達するから技術が進歩する、という循環で作られてきたと思う。江戸時代でさえ3千万人の人口を持ち、文化・技術は高度に熟成されていたという。その文化・技術が明治維新後の繁栄を築き、戦後の奇跡的な発展を遂げてきた原動力だと思う。国土は不変だから、日本の発展も永遠ということになる。今後も経済は低成長となるだろうが、成長だけが発展ではない。中味や質の向上という発展形態もある。それなら無限の可能性がある。大いに勉強に励むことだ。
「学生諸君、頑張ってください」と結んだ。 |
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