「明治大学広報」
 
第554号(2005年4月15日発行)
◆法科大学院主催
  熊崎客員教授の講演会開催―検事生活の体験をふまえて―
社会で求められる「法曹の資質」とは―。コンプライアンス(法令遵守)の立場から、そのあり方を考える講演会が4月2日、駿河台校舎リバティホールで開催され、元東京地検特捜部長で2005年度法科大学院客員教授の熊崎勝彦氏(65年法卒)が「これからの法科大学院生に求めるもの―検事生活の体験をふまえて―」をテーマに講演した(写真)。熊崎氏は東京地検特捜部長、最高検公安部長等を歴任。数多くの政・官・財にかかわる重大事件捜査を担当し、その辣腕は「事件屋検事」「政界捜査のプロ」と称された。
 講演では、検事としての経験から、「日々起こる事件は、その時代を反映している。そういう状況で学んだ知識が生きてくる」とし、「正義感や情念、人間としての誠実さ、公正さがなければ検事として信用されない。相手の立場に立って、自分の人間性を出し切れるかどうかが問われる」と展開。さらに「いかなる状況でも決して逃げないという強さをもって、多くの経験を積んでほしい」と現場での経験、実務の重要性を唱えた。
 この講演会には、法科大学院で学ぶ学生をはじめ約300名の聴衆が参加し、盛況のうちに閉会した。なお、熊崎氏は今年度法科大学院で「刑事法総合指導T・U」「特別講義」等を担当する。
 法曹の世界は時代や制度が変わっても、人を扱う仕事であることに変わりはない。問題を的確に解決できる、優れた人材を育てていくことが、法科大学院に課せられた使命であると言える。
 
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