ヤマト卓球株式会社 代表取締役社長 松下 浩二

今日よりも明日良くなるように。
毎日、自己新記録の更新を目指して

4大会連続のオリンピック出場や世界選手権でのメダル獲得。数々の輝かしい戦歴に加え、日本人初のプロ宣言や海外リーグへの移籍など、松下浩二さんはパイオニアとして日本卓球界を牽引してきた。現役を引退した今、舞台はビジネスの世界に。華やかな転身を支えるのは選手時代に培った努力に他ならない。

卓球よりも勉強の学生時代

実は大学ではどこかで卓球に対して冷めている部分がありました。日本の卓球にプロがある訳でもなく、このまま続けることが、本当に将来の自分のためになるのかって。もちろん世界を代表する選手になりたいという夢はありました。でも、頭の中では現実的な価値観が「夢を追うために自分の将来を無駄にしていいのか」と言う。それ以前に授業についていくのも精一杯で、学生時代は苦手な勉強ばかり。だからあまりいい思い出がないですね(笑)。

毎日、自己新記録の更新を

卒業後はすぐ辞めるんだろうなと思いながらも、企業に勤めながら卓球を続けました。そんな気持ちだから仕事も卓球も中途半端になるのは当たり前。「このままでは将来、自分が生かされる場所がなくなってしまう」と感じ、入社して3年後に行動を起こしました。自分が一番生かされる卓球で生計を立ててみよう。日本には前例がなかったけど、プロという道を自分で切り開けばいいと。

プロになるとはサラリーマンとしての保証のすべてを捨てること。だから、辞める前は正直、不安で一杯でした。でも、思い切ってゼロからスタートすると、怖いものはなくなるんですね。失うものは何もないと。あとは、プロを目指す本質的な部分、卓球が強くなりたいという明確な目標に向かって、すべきことをするだけでした。僕の場合、毎日コツコツと努力を積み重ねるだけ。今日よりも明日良くなるように、少しずつでもいいから毎日が自己新記録の更新になるようにと心がけてきました。

努力は無駄になることはない

僕のことをパイオニアって言ってくれる人もいるけど、自分ではそんな自覚は一切ありません。自分のやりたいことを、自分を信じてやってきただけだから。でも、その結果として後輩たちに新しい道を示し、彼らのためになったというなら、こんなに嬉しいことはありません。

卓球に限りませんが、目標を据えてその達成のために人一倍努力をするという基本的な部分を守っていけば、どんな夢も叶うと信じています。結果がすぐに出る人、出ない人いろいろですが、努力は絶対に無駄にはならない。僕はスポーツマネジメント会社を立ち上げたり、卓球用品の会社の社長を務めていますが、現役時代に努力したことがいま、すべて生かされていますから。

Profile of Koji Matsushita

4度の五輪出場や世界卓球選手権ダブルスでの銅メダル獲得など、数々の戦歴を誇る日本を代表する元卓球選手。日本人初のプロ卓球選手ともなり、ドイツなど海外のトップリーグでもプレー。昨年、32年間の選手生活にピリオドを打ち、現役選手のマネジメントに注力する。今年1月に卓球用品メーカー「ヤマト卓球」の社長に就任。1967年生まれ。愛知県出身。

Corporate profile
ヤマト卓球株式会社
〒556−0011 大阪府大阪市浪速区難波中3−6−3
TEL 06−6633−1951 FAX 06−6647−2790
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