アーカイブ 台湾漫画史不思議旅行 -貸本屋さんと漫画の100年- 展

《3期》



ごあいさつ / 会期の説明 / 読み仮名について

1期「ごあいさつ・会期の説明・読み仮名」と同じ




◆ケース展示

台湾現代史

No.1~8

1期No.1~8と同じ



No.09
「貸本屋」の最盛期

 1990年以降の十数年間は、台湾における貸本屋の黄金期であった。学生客が大量に訪れ、店側も積極的に学校や商業地域、市場の周辺に店舗を広げた。また、大量の本を置けるように設計した本棚を用いたり、前後2段の可動式本棚を使ったりした。広々とした店舗設計で読者の利便性を図るようにもなった。さらにパソコンの普及により、旧式の手書きカードの代わりにデジタルの貸出システムが使用されるようになった。1994年には、多角化経営によりフランチャイズ加盟店を募集し始め、貸本屋はさらに拡大し海外にまで広がった。
 1992年に施行された改正著作権法により、海賊版は瞬く間に市場から消えた。正式に出版権を得た日本漫画が再び出版されるようになったことで、判型が大きく紙質のよい、印刷クオリティが高い漫画が出回るようになった。これらのことは、貸本屋の品質改革と深く関係している。これらの変化にしたがって台湾の漫画や雑誌もその存在感を増していった。


No.10

貸出方法
 身分証もしくは運転免許証を持参してカウンターで登録する。
本県市在住者でない場合は身分証もしくは運転免許証を預けるか保証金(デポジット)を支払う。保証金額は本の定価で計算する。

貸出規則
 漫画は二冊で一日を単位とした累計で計算し、小説は一冊ごとに三日を単位とした累計で計算する。最高で三十日までとする。
 新刊書:漫画は翌日に返却することとして、延長はできない。小説は一冊ごとに三日までとして、延長はできない。

書籍レンタルサービスの規則と方法。(竹に書いたもの)/プリント
沈俊源氏 提供

No.11

史奴比漫畫屋
 1989年に創立された「史奴比漫畫屋」は、貸本屋の黄金期である1990年を経験した。スヌーピー漫画屋は当時の卸売業とよい関係を築きつつ同業との競争を激化させた。また、様々な方法で顧客のデータを管理しようと試みただけではなく、書籍の貸出し記録に関しても、紙からデジタルへと移行した。
 しかし、時代の変化に伴い貸本屋は衰退の一途をたどってゆく。スヌーピー漫画屋も、2018年に30年近くにわたる営業を終えた。

史努比漫畫屋の写真/プリント
沈俊源氏 提供

No.12

読書人三類型
一、本を読む前にお金を払う(上人)
二、本を読んだ後にお金を払う(凡人)
三、本を読んでもお金を払わない(下人)



No.13
貸出し管理

 かつての台湾の貸本屋では、店の仕事は全て人が担っていた。本に関する仕事には、書籍の仕入れ・本棚への積み込み・本の耐久性を保つための補強作業・本に店のスタンプを押すことなどがある。貸出し作業については、顧客の管理・貸出記録の作成などが挙げられる。これらのプロセスは全て紙の時代の貸本屋のオーナーが積み重ねた経営経験に基づいている。
 1990年以降、貸本屋用のソフトウェアである「孟波」や「普克」などが開発され、手書きによる貸出登録は次第に廃れていった。これらのシステムの使用によって、書籍資料のデータベースと読者の管理機能が一本化された。それと同時に、顧客の消費志向とインターネット情報が結びつき、柔軟性が高く多用途な店舗運用が実現可能となった。


No.14

『候補戀人』
ブックカバー、貸出し記録表、本の釘
国立台湾歴史博物館 所蔵

『魔女恰恰』
ブックカバー、汚損防止のスタンプ、本の釘
国立台湾歴史博物館 所蔵

『青春麻辣燙』
貸本屋のスタンプ、ノート
国立台湾歴史博物館 所蔵

『school』3
ボール紙
国立台湾歴史博物館 所蔵

No.15

No.16

デジタル化された後のシステム画面/プリント
新華采事業有限公司提供

紙の時代の顧客の貸し出し資料/プリント
沈俊源氏提供



No.17
白鹿洞(はくろくどう)の師大支店

 1990年代、台湾のあちらこちらにあった貸本屋は、幼い頃の阿妹仔(アアべェアア)にとって重要な娯楽空間であったにもかかわらず、時代の流れで次第に消えてしまった。そこで、21世紀の台湾貸本屋を探すため、阿妹仔は台北の貸本屋調査の旅を開始した!

 まず有名な貸本屋チェーン店・白鹿洞師範大学支店へ ……あれ? もうチェーン店じゃなくなったの?
 2004年頃の白鹿洞は、毎月一店舗をオープンする貸本屋の一大チェーン店であった。しかし、時代が変わり、白鹿洞も解散の運命を迎えることとなり、各支店は閉店するか独立経営となった。
 白鹿洞師範大学支店の所有権は、閉店寸前に漫画を愛する店長・解永華(シェヨンファ)氏が引き受けた。彼は情熱的な仲間とともに、店の経営以外にも多くのイベントを企画している。これにより、元々の白鹿洞師範大学支店がもっていた伝統的な貸本屋のイメージは、明るくフレンドリーに一新された。支店ではなく白鹿洞師範大学店となった現在も、店を応援し続ける常連客が多くいる。


No.18

白鹿洞のフリーペーパー洞報 no.4
白鹿洞発行する刊物である。
解永華氏 提供



No.19
漫画雑誌愛心空間e書漫

 漫画雑誌愛心空間e書漫は、阿妹仔が台北の会社に勤めていた時、最も頻繁に訪れた24時間営業のコミックレンタルスペースである。ここでは、漫画・映像・ネット・カフェ・料理・休憩・宿泊といった一般的なサービスを提供するだけでなく、なんと猫の里親募集サービスも行っている。その前身は、漫画貸出業者が24時間営業のネットカフェへと事業転換する流れに先鞭をつけた「漫画王」という企業である。ここは、日本の「漫画喫茶」のような空間であるため、利用者は本を借りて持ち帰ることはできないが、個室で店内のあらゆるサービスを楽しむことができる。
 オフィス代わりにここで一日中仕事をし、疲れたら漫画を読む、まさに最高の仕事環境だ。


漫畫雜誌愛心空間e書漫の店内の写真/プリント
李心如氏 提供

No.20



No.21
Mangasick

 Mangasickは、オルタナ的な漫画に特化した書店である。自費・商業出版問わず、台湾のオリジナル漫画を取り扱っている。販売のほか、店内閲覧サービスの提供や、ほぼ毎月の企画展示も行っている。
 アートや文学界隈の利用客からも評価が高く、実店舗は台北の台電大楼(たいでんだいろう/タイチェヌトアラウ)(公館付近)の路地裏にある。阿妹仔が初めて行った時は、あやうく迷子になりかけた。目立つ看板がないため、住所をちゃんと確認して扉を押したら、勇気を出して地下に向かうしかない。
 Mangasick店長のゆう氏とコウ氏は、東京を訪ねると必ず神保町へ漫画を漁りに行く。異色な漫画への愛が強過ぎて専門店を開業したという。2013年に私設図書館として始めたが、現在は販売・展示・ミニコミ出版も行っており、普通の本屋ではなかなか手に入らない出版物が大量に置かれている。サブカル的な漫画に興味をもっている人にお勧めの書店である。阿妹仔もMangasickの本棚で『ガロ』を見つけた時は思わず歓声をあげたという。


No.22

高妍
 2014年、若い大学生の高妍氏は初めてMangasickに入った。マイナーな雑誌やジン(ZINE) など異なるジャンルの出版物が面白く、こうしたマイナーなジャンルの創作は元々同人誌だけを制作していた高妍氏に衝撃を与え、彼女の創作生涯に新たな可能性をもたらした、2018年、高妍氏の最初の短編漫画「緑の歌」の日本語版は Mangasick より出版され、店内で彼女の初個展「Room Diary」を開催し、この台湾の新漫画家をずっと支えてきた。「緑の歌」に関しては、2018年の短編作をもとに、自身初の漫画連載が「月刊コミックビーム』 (KADOKAWA)2021年6月号から2022年5月号まで掲載され、2022年5月に「緑の歌-収集群風-」(KADOKAWA)として単行本化。

 学生時代に「ノルウェイの森」に触れて以来、村上春樹氏の作品は高妍氏に深く影響を与えていた。だからまさか文藝春秋の編集者から、村上春樹氏の作品「猫を棄てる 父親について語るとき」の装画と挿絵の依頼がくるとは彼女も思わなかった。

《展示品》
①『猫を棄てる 父親について語るとき』
村上春樹著、高妍繪、東京:文藝春秋、2020年

②『緑の歌』の様子/プリント
黃廷玉氏 提供
③《緑の歌 - 収集群風 - 上》
高妍、東京:KADOKAWA、2022年/個人蔵

④Mangasickの様子/プリント
黃廷玉氏 提供



No.23
Yaoi會社

 Yaoi會社は、名前の通りBL漫画をメインに扱うお店である。台北駅近くの好立地にあるため、阿妹仔は出張の時に飲み物を持ち込んでYaoi會社で一晩過ごすこともよくあったという。
 ここは、腐女子・腐男子にとって居心地のよいスペースだ。人目を気にせず密かな楽しみに耽ることができる。ただ、最近はメンバー制になったため、まずは申請が必要だ。
 大量のBL漫画のほか同人誌もあり、同好の士たちが多く訪れている。


Yaoi会社の店内の様子/プリント
耽美書房 提供

No.24

《展示品》
BL漫画の展示、店長のコメント付きの張り紙



日本現代漫画略年表

No.25~32

1期No.25~32と同じ




◆壁めくり

W-1-1~W-3-5

1期W-1-1~W-3-5と同じ




◆映像

洞洞作書篇

師大白鹿洞提供




◆スタンプ

台湾貸本屋関係のスタンプ

《展示品》
皇冠租書店の丸いスタンプ/複製物
周晉藝氏 授權

皇冠租書店小さな四角スタンプ/複製物
周晉藝氏 授權

卿晨租書店のスタンプ/複製物
許富淵氏 授權

白鹿洞のスタンプ/複製物
解永華氏 授權

白鹿洞の番号スタンプ/複製物
解永華氏 授權

スヌーピー漫畫屋のスタンプ/複製物
沈俊源氏 授權




◆Tケース

T-1~T-3

1期T-1~T-3と同じ




◆柱展示

1期と同じ




◆企画体制

1期と同じ