地方創生最前線 今、自治体の何を、どう創生すべきなのか?

13:30~17:50
グローバルフロント2F 4021教室
コーディネーター:川島高峰

平成の大合併(市町村合併特例新法;1999~2010年)は自治体の財政健全化、行政合理化・効率化を目的に自治体の数を半減させた。しかし、合併促進で何が創生されたのだろうか? 2005年、大合併の件数はピークを迎え、そこからほぼ10年後、今度は増田レポートによる地方消滅・自治体消滅に日本の地域社会は見舞われることとなった。
日本の自治体政策は公平性担保と危機回避の性格が強い。公共性を求められる以上、やむを得なかったとはいえ、公共性を護ろうとしてついに地域社会という究極の公共の喪失に直面している。地域の社会・文化は容易に再編・創生できるものではない。コンパクト・シティ等、さらなる都市化によりこの問題に対処しようとしているが、自治体という「お箱」をいくら立派にしてみても、その中にいる人々の意識に覚悟や変化がない限り、都市化や人口減少は不可避なものとなって日本の地域社会も、日本全体も、これに覆われていくだけである。

本シンポジウムでは明治大学の学生との「里山と都会の情報コミュニケーション」を通じて、地方創生を模索する富山県立山町、長野県小海町の両町長と共に地方創生の現在を考えていく。富山県立山町は日本三大霊山の一つ立山を擁し、山岳信仰の伝統文化を持ち、長野県小海町は新海誠監督の出身地として「君の名は」を始め数々の名作の舞台となった。この対照的な二つの町と明大生との取り組みを紹介し、地方消滅・人口減少社会に直面する私たち日本社会で、今、自治体の何を、どう創生すればよいのか、私たちの人生や生き方に何を創生しなければならないのかを、来場された方々との対話を通じて、共に考えていこうとするものである。
国連の統計によれば今世紀の半ばには世界人口の過半が都市部に集中することが予測されており、今や課題先進国と呼ばれる日本の里山里海での取り組みは、21世紀の地球規模課題への最先端事例なのである。

川島高峰
川島高峰(明治大学情報コミユニケーション学部専任准教授)

1963年東京生。主著『流言投書の太平洋戦争』・『昭和天皇』講談社学術文庫、『敗戦』読売新聞社。この約20年間、アクティブ・ラーニングの実践として地方創生活動を教育に導入してきた。青森県西目屋村、福島県北塩原村・新地町、新潟県南魚沼市、長野県小海町、茨城県旧那珂湊市、静岡県旧水窪町、富山県立山町等と交流実績がある。今、この約20年間の取り組みから新たな学際的な情報発信の構築を目指している。

他参加予定者
舟橋貫之氏(富山県立山町町長(明大商学部卒))、黒澤弘氏(小海町町長)他
その他の情報
【企画パンフレット】地方創生最前線 今、自治体の何を、どう創生すべきなのか?(PDF)
川島ゼミナールが富山県立山町主催のインターカレッジコンペティションで最優秀賞を受賞
情報コミュニケーション学部は,富山県中新川郡立山町と教育事業に係る連携・協力に関する協定を締結しました