明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム
広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-
本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
明治大学現代GPニュース第8号 平成18年9月30日発行

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「現代GPって?」という皆さんも多いのではないでしょうか。「現代GP」とは、文部科学省が、各大学が取り組む社会的要請に応えたプログラムの中から、特に優れたテーマを選定したものです。(現代GP=現代的教育ニーズ取組支援プログラム、GPはGood Practiceの略)
明治大学商学部の取組みである「広域連携支援プログラムー千代田区=首都圏ECM(エデュケーション・チェーン・マネージメント)−」は、平成17年度に採択されました。これは、学生と地域の人々との連携を重視し、「大学の教育力」が地域社会に貢献すると同時に、「地域の教育力」で学生を育てるという10の商学的チェーン・プロジェクト(1〜10)から成っています。
今回は、後期開始特集号として、改めて現在進行中の6つのプログラムの活動をプロジェクト参加学生、先生方より紹介して頂きました。



Proj. 4 千代田区=首都圏協力自治体連携 
「今学ぶべきビジネス戦略がそこにある。」
『神田』に学ぶビジネス戦略の構築
勉強会

我々は「『神田』に学ぶビジネス戦略の構築」について研究しています。神田といえば老舗が多く存在する街。老舗は幾度の戦争、天災、高度経済成長などの激しい環境の変化があったにもかかわらず、その苦労を乗り越え、独自の風潮や伝統を守り抜いてきた企業です。100年、200年と顧客の人すべてから「買ってよかった、食べてよかった、取引してよかった」と支持され続けるような仕事をする老舗にはどんなビジネス特質があるのだろうか。それは思いもよらぬ大企業が簡単に潰れてしまう現代の企業経営やマーケティングに大きな課題や指針をもたらすものなのではないか。というものを主なテーマにし、老舗の街・神田を出発点として学んでいます。そしてその成果を論文という形にまとめ、ゆくゆくは研究成果を発表してゆこうと日々研究に励んでいます。
普段は夏休みに各グループで集まって老舗についての論文作成をする一方、今までに3回の勉強会を開き、老舗研究で著名な先生や藪蕎麦の社長にも参加していただきました。藪蕎麦といえば東京にとどまらず全国でも有名な老舗です。そんな老舗の社長さんの話が普通に聞けるなんてすごいと思いませんか?
実際のところ、老舗から学ぶ知識は、社会に出たときのビジネスについての考え方、ないしは仕事に取り組む姿勢など、たくさんのことが学べます。就職活動での良いネタにもなるかもしれません。コーディネーターがマーケティングコースの大友先生であり、大友ゼミをはじめ、マネジメントコースの風間ゼミ、出見世ゼミも参加しています。是非ゼミ選びにも役立てていただければと思います。
(商学部3年 大友ゼミ 長谷川豊康)

proj. 5 (1) 千代田区=神奈川県横浜市 連携
「新プロジェクト始動!参加学生募集!」
2つの“中華街”の歩みと連携
世界には中国大陸を離れた華僑やその子孫が中心となって作られた街・中華街(チャイナタウン)が多数存在します。日本でといえば、神戸や横浜の中華街が有名でしょう。特に横浜の中華街は、近年渋谷か ら東急線と横浜高速鉄道が接続したことによって、アクセスも良くなり、また中国文化を前面に出した街づくりを行い、週末ともなれば大勢の観光客で賑わっています。中華街=中華料理店の街という考えは間違いであり、横浜の中華街は世界でも「稀な存在」といって良いでしょう。実際に街の裏通りには、住民の生活に必要な中華食材、衣類など「普通の商店」が存在しています。
ところで、東京にも“中華街”とも言うべき、中華・中国料理店が集積していた街があります。それが明治大学に近い神保町です。現在でも何軒かの老舗が存在します。
そこで、本プロジエクトはこの2つの中華街の形成と発展の経緯に注目して、第1に横浜と神保町中華街の歴史的な歩みを調査し、第2に横浜の中華街の発展の理由やその仕掛けを探り、最終的には神保町界隈をもう1つの中華街として捉えなおす(戦略)ことを横浜の中華街と比較しながら考えていこう、というものです。
今年度は神保町界隈の歴史的な変遷、横浜中華街の発展の経緯や仕掛けを調べることに重きを置いて活動していきます。関係者からの聞き取りや、歴史地図を用いながら現地を歩き、肌でその変化を感じ取りたいと思います。
既に第1回目の集まりを持ちましたが、歴史関心がある学生、街づくり・町おこしに関心がある学生、中華街に関心がある学生のさらなる参加をお待ちしています。
(商学部教授 鳥居高)

Proj. 5 (2) 千代田区=神奈川県横須賀市 連携
「食文化が結ぶ地域連携」
横須賀海軍カレーに学ぶ
カレーに学ぶマーケティングの醍醐味
今回、神田・神保町に存在するカレーショップを千代田区の食文化としてどのように売り出していくかということを研究する活動に参加し、様々な収穫がありました。一つは、研究を重ねた結果、その地区に存在するお店は、たとえ営利目的である飲食店であるとはいえ、その地区から愛され、その地区と一体にならなければ利益に繋がらない。また、お店はその地区の特徴を知り、それに合わせた経営をしなければならないということを実感しました。
研究を進める際に、神田・神保町に点在するカレー店を回り、実際にヒアリングをしてみると、神田・神保町独特のピークタイムであったり、その店の売れ行き商品が存在し、それを考慮し営業していることを知り大変興味深いものとなりました。
私たちは神田・神保町のカレー店同士の連携や、神田・神保町に通う学生や社会人にそのカレー店を広めることを目的とした「学生&カレー店の参加型HP」を作成しているのですが、その際にも、神田・神保町ならではの効果が現れ、それもまた大変興味深いものでした。 今回の現代GPでの研究活動は4年生で参加したのですが、学生最後にこのような大きく有意義なプロジェクトに参加できたことを大変幸せに思います。この研究活動の為、講義をして下さった教授の皆様、HP作成に協力して頂いた村田ゼミの方々、また大学院生の皆様、商学部事務の方々本当にありがとうございました。
(商学部4年 大友ゼミ)

Proj. 6 千代田区=神奈川県三浦市 連携
「神田で店舗経営 なごみま鮮果?」
空き店舗事業によるマーケティング教育の実践
三浦シンポジウム

皆さん、『なごみま鮮果』ってご存知ですか?
私達熊澤ゼミは、神田駅前の空き店舗で店舗経営の実践を行っています。「店舗経営!?」と驚いた、そこのあなた。ぜひお店に来てみて下さい!「百聞は一見にしかず」ですよ。『なごみま鮮果』では神奈川県三浦市の情報発信や物産販売をしています。開店当初から、想像以上に新聞やテレビの取材をうける機会もあり、私達がやっている活動の重みを認識しました。『なごみま鮮果』に来たお客さんが実際に三浦に行ってみたいと思うような店作りを目指し活動を行っています。一から作り上げてきたお店ですが、もう5ヶ月(オープンからは3ヶ月) が経ちました。そこで今回ゼミ生から一言もらうことにしましょう。
【教室では学べないことを肌で感じて経験できる。】(山田愛弓)
【同じ目標に向かって熱くなれる仲間ができた。】(廣田彩)
【自分から何かを始めることの大切さを学びました。】(永縄清香)
【できる、できないではなく、やるか、やらないか。】(森田幸恵)
この5ヶ月は発見と苦悩と喜びに満ちた生涯忘れられない時間になりました。自分次第で時間はいくらでも「濃く」できるのです。「発見」や「経験」から「主張」を導き出すこと、それが次なるステップ、目標となるでしょう。
(商学部2年 熊澤ゼミ 高橋正和)

Proj. 7 千代田区=千葉県浦安市 連携
「商売人は小学生?」
学生による金銭教育の実践
富野ゼミ浦安小にて

私たち富野ゼミナールでは、浦安小学校と協力し小学生に金銭教育を行うことを目的とし研究活動を行っています。 内容としては私たち大学生が先生となり、流通の仕組み、価格決定の仕方、付加価値についてなど、小学校では教わらない専門的な授業を行なうというものです。最終的には10月8日に浦安で行われるスポーツフェスティバルで、これまでの授業の集大成として、小学生と一緒にカレー店を出店し、商売を行うことを目標としています。
実際に現在、直接浦安小学校の先生方とお会いし、話し合いを進めていますが、なかなかお互いの意見がかみ合わなかったり、私たちの作った授業計画書が使い物にならないと返されたこともあります。しかし、そうした厳しい状況下に置かれ、良い計画書を作ろう、認められるものを作ろうと努力し、試行錯誤したことで、まだゼミが始まって半年ですが、ゼミ生全員が成長したと思います。
この活動によって小学生は商売というものを実体験でき、大変さ・苦労を学びます。また大学生にとっても、これまでの大学の授業で学んで得た知識が本当に実社会に通用するのかを知り、体験できる良い機会もあります。
このようにお互いにとって価値ある活動ですを更に実りあるものにするため、ゼミ生が一丸となって努力し、頑張っていきます。
(商学部3年 富野ゼミ 野本なつ美)

Proj. 9 千代田区=千代田区=群馬県嬬恋村 連携
来い!恋 嬬恋村!
グリーンツーリズムを通じた地域活性化
嬬恋村稲刈り

私たち水野ゼミナール12期生、恋するキャベツ村班では、今年の4月から群馬県嬬恋村において、地域活性化の勉強をしています。現在、嬬恋村の観光の主軸は、スキー・スノーボードといった冬のレジャー産業が盛んな状況です。しかし、この産業とは別に、嬬恋に自然や農業を駆使した観光産業(グリーンツーリズム)を創っていきたいという村の要望が、水野ゼミに寄せられました。私たちのゼミは、1学年上の11期生の方々が神田に嬬恋村のアンテナショップを出店していることもあり、非常に嬬恋と関係が深く、また、観光を通した商業の勉強の契機となることから活動を行っています。今までに行った活動は、@5月に明治の学生を集めて田植え、嬬恋名産のキャベツやトウモロコシの作付け、A8月にキャベツ、トウモロコシの収穫、明治の学生と村の方達を交えたBBQB築220年の古民家を中央工学校の方々と一緒に再生・完成後の古民家活用事業の模索、等があげられます。普段の生活では触れることはない農業や自然は、とても新鮮であるとともに、参加ゼミ生の新たな発見が多いことも活動の楽しみの一つです。「あめんぼを初めて見た!」「田んぼの土が温かい」「トウモロコシが生で食べられる!!」などなど。一つの地域を盛り上げていくことは、困難の連続ではありますが、村の人と私たちのあたたかな交流を続けていくことが、地域活性化につながると思っています。
(商学部3年 水野ゼミ 白井友海)

10月のイベント情報
【9月25日(月)〜 全7回】
proj.1 地域連携支援講座2 つくばエクスプレス沿線市区長リレー」開講
第1回目の講座が明治大学秋葉原サテライトキャンパスにて9月25日(月)に開催されました。今後の受講者受付は、明治大学リバティーアカデミー事務局まで。(TEL:03-3296-4423、URL:http://academy.meiji.jp/ccs/index.html)
【10月〜】
proj.5(1)「2つの“中華街”の歩みと連携」 参加学生募集
歴史に関心がある学生、街づくり・町おこしに関心がある学生、中華街に関心がある学生は下記までお問い合わせください。明治大学商学研究所(アカデミーコモン7階)Tel:03-3296-4174  Mail:shou_gp@kisc.meiji.ac.jp 
【10月8日】
proj.7浦安運動公園、スポーツフェティバル(10:00より)にて小学生とカレー販売
富野ゼミ学生が、浦安小学校5年生と一緒に野菜カレーとシーフードカレーを販売します。どうぞお誘いあわせのうえご参加ください。
【10月9日】
proj.9 嬬恋村稲刈りジャガイモ堀りツアー決行!参加者募集中
食欲の秋に、是非いかがですか?詳しくはURL:http://www.kisc.meiji.ac.jp/~mizuno/12/koikyabe.htm
【10月12日】

proj.4老舗プロジェクト奨学論文提出迫る!
夏休みも息つく間もなく研究に取り組んできたproj.4老舗プロジェクトメンバー。ついにラストスパートです。
入選作は全文、佳作は要旨が、それぞれ「奨学論文集」に掲載されます。13日には、「商学セミナー」 の締め切りもあります。
【10月15日】(ホームカミングデー)
proj.5(2)カレープロジェクト参加学生が成果発表
リバティ・アカデミー「カレー探訪講座」の最終回が行われます。現代GPの成果発表はその第2部として行われ、審査員からの質問と講評を頂き、最優秀グループを決定する予定です。開催日時は、第1部カレー探訪シンポジウム13:00〜、第2部 現代GP成果発表15:00〜 リバティタワー、3階1031教室にて。
proj.6 なごみま鮮果 ホームカミングデーに三浦市物産を販売
リバティタワー2階の陽だまり広場にて、熊澤ゼミ学生が三浦市物産(イカ煮やトロジャーキーなど)を販売します。

現代GPニュース編集協力 商学部3年 白井友海 野本なつみ 長谷川豊康 村上裕美、 商学研究科 河内俊樹
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