明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
Proj.5 S&B食品・上田工場 視察研修を行ないました(大友ゼミ)

大友ゼミでは、〈エコカレープロジェクト〉と銘打って、神田神保町地区の地域清掃活動を行なって、そのあとにカレーをふるまうイベントと、その様子をフリーペーパーとして編集・刊行することを計画しています。
そのための資料収集として、S&B食品・上田工場に視察研修に出かけました。これは、最近社会問題化している「食の安心・安全」がどのように守られているかを、実地で見て学ぶのも目的のひとつです。
早朝、バスで駿河台校舎を出発し、S&B食品・上田工場へ。現地に着くと、S&B食品の高橋さんと斎藤工場長が迎えてくださいました。
まずは、ミーティングルームで、パワーポーイントを使って工場の概要説明から。なぜ、上田に工場があるのか。それは、上田が地理学上で日本の中心にあることから、日本各地へのアクセスが良く物流に影響を与えるため、かつ雨量が日本で3番目に少ないことから、ドライ商品を数多く扱うS&B食品にとって適しているため、ということからでした。また、工場の冷却水の確保のため付近に千曲川が流れていることや、上田から佐久にかけて活断層がなく、大規模地震による食の供給ストップを防げる、といったこともありました。
それから、加工食品でも鮮度が問われるため、一度にたくさん製造するという効率よりも、分散して製造している、といったことや、衛生管理に大変気をつかい、5S管理(整理・整頓・清掃・清潔・躾)やISO9001・HACCPといった規格のお話がありました。
そして、工場内部の視察へ。学生は全員、毛髪を落とさないよう、専用の帽子をかぶります。工場内部では、なによりも「衛生」ということがありました。たとえば、レトルトカレーのラインでは、レトルトパックをトレーの上に平らに並べて殺菌装置に運ばれていきますが、レトルトのパックが重なっていることで、殺菌不足を引き起こすことのないよう、カメラで監視して防止していました。
さて、レトルト食品はなぜ日持ちするか、ということを問われ、それは密閉して殺菌するからだ、ということを改めて確認しました。高橋さんから、「保存料が入っているから日持ちする、とよく誤解されていますが、保存料は入れてはいけないことになっているのです。レトルト食品はもともとNASAの技術です」と説明をいただきました。
工場は環境にも配慮しており、照明に風力・太陽発電を用いているということでした。また、工場内部は暑く感じましたが、これは、食品の品質第一のための空調設定にしている、とのことで、何より「食の安心・安全」を遵守しているのだと実感しました。
ミーティングルームに戻ると、こんどは楽しい実習、オリジナルカレー粉作りです! スパイスには、香りをつける・色をつける・辛味をつける、という3種の役割があり、それらを上手にブレンドするのだそうです。また、基礎知識として、スパイスとハーブの違い、各種スパイス・ハーブの説明がありました。
そして、いよいよオリジナルカレー粉作り。基本的なブレンド比率と、うまみを出すには、香りをつけるには、辛味を増すにはといった説明から、独創的なカレー粉を作ろうと学生がチャレンジします。
オリジナルのカレー粉ができあがると、「カレーの匂いがしない!」とか「色がおかしい」と、学生たちがとても盛り上がり、高橋さんや工場長に、このスパイスを足したほうがいいなどとアドバイスされていました。
最後に質疑応答。学生がさまざまな質問をしましたが、「香辛料に一定の品質を求めるのはどうしていますか」という問いがあり、「その年の品質をサンプルとして輸入して確認していて、また品質を保つためにリスク分散として複数の産地から輸入しています」とお答えがありました。
大友先生より、「売る側は、一所懸命おいしいものをつくろうという想いがあります。そして、いいものを安く食べてもらおうというビジネスなのです。その点を忘れないようにしてください」という締めくくりのお言葉があり、今回のS&B食品・上田工場視察研修を終えました。

衛生管理の厳しさを知る
工場外観
楽しいオリジナルカレー粉づくり!
みなさんで記念撮影

■学生の感想
・コスト削減のために従業員の姿が少ないことに驚きました。機械化が進んでおり、大事なところだけ人が立つということを知りました。
・食の安心・安全の問題で、何重にもチェックが入っていることに、なるほどと思いました。製品ができるまで何行程もあり、これを100円ぐらいで
 売っている、ということに感動しました。これからは大事に食べたいです。
・フォークリフトがX線を使って自動で作業しているのを見て、びっくりしました。
・工場を見るのは、小学生以来で、子どものころとは違った視点で見ることができました。

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