明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
Proj.7 浦安市浦安小学校にて金銭教育が行なわれました!(富野ゼミ)

富野ゼミの金銭教育が今年も浦安市浦安小学校にて行なわれました。
今年の教育テーマは、「お金を通して社会の仕組みを知ろう」。授業の流れは、児童にお小遣い帳、税金の仕組み、銀行・工場・問屋・お店の仕組み、貯金・借金の仕組みなどを先に学ばせ、そのあとそれらをゲーム形式で体験学習させるというものです。
小学生は、大学生が教壇に立ったことで興味しんしんで授業に聞き入り、またゲームでは楽しく遊んで社会の仕組みを知ることができました。

■第1回 10月14日 【お金の流れについて考えよう ・ ものの値段と問屋について学ぼう】

第1回は、あらかじめつけてくるよう指示していたお小遣い帳から授業が始まりました。これは、自分とお店・会社のお金の流れを把握させるためです。
そして、お小遣い帳につけた「お店で買ったもの」には消費税がついていることを確認し、それが国に集められて、みんなのためのもの、たとえば橋や道路が作られていることを教えました。 お小遣い帳では、支出の欄に「自分のためのもの」・「人のためのもの」という仕分けがありましたが、ここでは税金が「みんなのためのもの」に使われているという説明がありました。
その次に、「お店で売っているものは、お店で作られていますか?」との問いから工場、問屋、お店という商品の流れについて教えました。さらに、商品には原価というものがあり、定価と原価の差のお金が、費用(給料・電気代など)と利益になることについて説明しました。
小学生は、だんだんと社会とお金の仕組みについてわかって来た様子。税金が
みんなのためのものに使われているという説明では、「へぇー、そうなんだ」という感想もあり、第1回から教えたかいのある金銭教育となりました。

これから、このメンバーで授業をしていきます!

■小学生の感想 (授業後の振り返りカードより)
・図で説明してもらったので、お金の流れが目に見えてよかったです。
・消費税はお店のものだと思っていました。みんなのためのものに使われるからいいものなんだ、と分かりました。
・原価というものがあると知り、ビックリしました。最初はなんで原価より値段が高い定価というものがあるのかな、と思いましたが、お店のお金の流れで、給料や費用のことがあるのだと初めて知りました。

■第2回 10月17日 【銀行について学ぼう ・ 税金について学ぼう】

第2回は、銀行と税金について授業を行ないました。
銀行にはお金を貸す、お金を借りる、運用するという役割があり、また、送金という仕組みについても教えました。
前回学ばせたお店・会社は、銀行にお金を借り、新しい店舗を増やしたりすることに使い、それを利子をつけて銀行に返し、それが自分たちの利息となって返ってくるのだという話に小学生は驚いていました。また、たとえば浦安から北海道にお金を送る場合、その役割を銀行が担っているということも初めて知った様子でした。
税金については、消費税のほか、さまざまな種類の税金があることを教え、税金は何のために払う必要があるものかを説明しました。ここでは、税金で作られているものいないものをクイズ形式で出題し、「橋や道路・市役所・コンビニ・ファーストフード・スーパー・公用車・市役所」とあげて、小学生に手を挙げさせました。
「みんなのためのもの」という前回の授業での税金の実際の使い道に、小学生たちは「なるほど」と思っていました。

わかる人!ハイ!

■小学生の感想 (授業後の振り返りカードより)
・銀行の役割がよく分かりました。銀行にお金を送る、運用するという役割があって、お金を借りることもあると、初めて知りました。
・日本銀行は銀行の銀行で、お金を作って、自分たちが使う銀行にお金が来ているということを初めて知りました。
・クイズの授業は、遊んでいるように思えて楽しめながら勉強になったのでよかったです。
・税金にはたくさん種類があると知ってビックリしました。
・105円の5円は、たったの5円だけれど、5円がなければ、私たちの暮らしは大変かも知れない。5円はとても大切なんだ、と分かりました。
・きょう習ったことは、6年生になったときや、将来役立つと思ったので、とてもよかったです。

■第3回 10月21日 【わくわく☆ワークフェア】

第3回は、これまで学んだ授業内容を体験形式で学ぶゲームです。名づけて「わくわく☆ワークフェア」。体育館をお借りして、児童が働く模擬店をたくさんつくり、架空のお金を使って勤労者と消費者の体験をします。
このゲームでは、模擬店で働くことで収入を得る、働いている間に問屋に行く仕事がある、模擬店でのミニゲームで遊んで支出する、税金が徴収される、お小遣い帳をつける、支払った税金で何かが起こる、という流れで、お金と社会の仕組みを児童に把握させます。
最初に配られるお金は、くじで決まります。最初にお金を少ししかもらえなかった小学生は、まず働かなければなりません。お金をたくさんもらえた小学生は思い思いのミニゲームで消費します。
働かなければならなくなった小学生は「おしごとセンター」に行って、仕事を割り振られます。仕事はミニゲームをやっている模擬店の店員さんです。問屋に「仕入れ」に行く仕事もありました。
「フリースロー」「ボーナストラップ」「計算問題」「スーパーボールすくい」「ストラックアウト」「射的」 「ボウリング」「豆運び」「輪投げ」「空き缶積み」「たたいてかぶってじゃんけんポン」など、おもしろそうなミニゲームがたくさんありますが、働かなければお金が手に入りません。遊びたいながらも、遊ぶために働くという体験をしました。
また、お店で働いたことでもらえる給料からは、必ず一定の税金が差し引かれます。これは、税金メーターと名づけた看板で、どのぐらいみんなで税金を払ったのか確認できていましたが、メーターがたまるとステージへの橋(階段)ができました。これで、ステージ上の模擬店へ足を運びやすくなりました。この印象は小学生に強く残ったようで、みんなで払った税金で役に立つものを作ってくれる、ということに気がついた様子でした。
また、ミニゲームはただ遊んで楽しい、というだけでなく、成績によってポイントがもらえる、という仕組みになっていました。ポイントをたくさんもらった小学生にはいいことが起こると聞き、小学生は一生懸命遊びました。
どの小学生にも楽しく、お金の流れを把握させる「わくわく☆ワークフェア」となりました。

小学生の「店員さん」とゲームをする「お客さん」
みんなの税金で「橋」ができました!

■小学生の感想 (授業後の振り返りカードより)
・働いていても人が来なかったり、みんながたくさん遊んでいるのを見ながら働くのは少しつらかったです。けれども、自分も楽しく遊ぶためには働かなければならない、ということを知りました。
・少しづつお金を使わないとあとになって困るんだ、と思いました。また、使っているお金のなかの所得税で橋ができて、国のために使われていると分かり、感心しました。
・ゲームでは税金メーターがたまって橋ができましたが、国や県や市は施設などが安全で便利になることをしてくれているんだ、と分かりました。
・いっぱいゲームで遊ぶためには、いっぱい働かなければならないので大変でした。
・自分で働いて給料がもらえるのはうれしいし、楽しいです。

■5年生クラス担任の先生の感想
・明大生の金銭教育は3年目ですが、今年は「勤労体験」より「お金の仕組み」について教えてもらいました。前年までは労働の大変さと利益についてがテーマでしたが、今年は働くこととお金の流れの仕組みについて体験しています。その体験のための前段階の授業を4時間でよく作ってくれました。このあと、しっかりまとめてもらって、授業として仕上げてもらいたいです。
・楽しみながら学べるというのはとてもいい企画だと思います。システムも分かりやすいですね。しかし、働いているのか遊んでいるのか、そのあたりの線引きが工夫のしどころでしょう。けれども、子どもたちが提出する日記にも、「お金の流れ」が登場したりして、身になっているように感じています。子どもたちには、5年生のいい思い出になりそうです。

■富野先生の感想
・ゲームの仕組みはすべて大学生が考えました。1箇所に小学生が行列してしまうかと思いましたが、、こうして見るとうまく回っていますね。学生には、考えられる問題をすべて洗い出してシュミレーションしておくように、と言っておきましたが、ひとまず成功のようです。また、小学生たちが素直で適応力があったことも成功の一要素でした。

■第4回 10月23日 【まとめ】

第4回はまとめの授業です。これまで学んできたことを、ゲームで体験したことを下敷きに復習しました。
「わくわく☆ワークフェア」での、自分とお店、問屋、銀行、所得税の関係について図を使って復習し、感想を聞きました。
「働くのが大変だったけれど、遊ぶためにがんばって働いた」という感想や、「授業を受けたから、あの橋は税金で作っているんだな、と思うようになった」という感想があり、授業が十分浸透している様子でした。
また、「わくわく☆ワークフェア」でポイントを多くためた小学生にはプレゼントが渡され、全員に参加賞も渡されました。
小学生にとって年齢の近い大学生が教えることで、小学生たちも親近感を持って授業に臨んでいたようで、別れを惜しみつつ、今年の富野ゼミの金銭教育が幕を下ろしました。

子どもたちと、どんどん仲良くなりました

■小学生の感想 (授業後の振り返りカードより)
・お金の流れが分かって、前よりお金のありがたみが分かりました。
・お父さんは「家族」のためだけじゃなく、「国」のためにも働いているんだ、ということが分かりました。
・最初は、給料は全部もらえるものだと思っていましたが、所得税が引かれるということを初めて知りました。また、問屋で商品を仕入れるときに原価という安い値段がついていることにもビックリしました。
・私も少しお金博士になれたかな?と思いました。
・お金のことを大学生に教えてもらってよかったです。私は、工場からお店までのものの流れがよくわかりました。
・いままでの学習でお金の流れが意外に複雑でビックリしました。

前のページに戻る
チェーンプロジェクト概要GPニューストップページ │ このページのトップへ
明治大学トップへ 商学部トップへ 生涯学習・学校教育 文部科学省
Copyright (C) 2005 Meiji University, All rights reserved.