明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム
広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-
本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
Proj. 8 富岡市調査視察を行いました。
Proj. 8 千代田区=富岡市連携「産直特産物交流」において,商学部の原ゼミ,小林ゼミ,福田ゼミの約50名が群馬県富岡市の調査視察を2月23,24日行いました。富岡の農産物について調べるチームや,富岡の街づくりについて調べるチームなどいくつかの班に分かれて富岡製糸場,農協,市役所等などを回りました。事前にゼミ合同で調査報告会を開き,富岡市のことつついて調査をし,提案等を考えていたこともあって,学生達は現地での調査も一生懸命で積極的に動いていました。多くの富岡の方々にお世話になり,富岡が身近に感じられる貴重な体験となりました。


■日程(2月23日)

12:40/富岡市街(旧市街地や上州富岡駅周辺など) (3ゼミ合同)
まずは市街地の視察ということで,各人が自由に富岡市街を散策しました。全体的に人通りもまばらで,静かな街という印象を持ちました。シャッターが閉まっている商店が多いものの,昭和の面影を残す懐かしい雰囲気が感じられました。 上州富岡駅では無料で自転車の貸し出しも行われており,市街の散策にはとても便利なサービスです。

富岡中心地

14:00/富岡製糸場 (3ゼミ合同)
世界遺産への登録が目指されている旧富岡製糸場を見学しました。当時の建物(繭倉庫や繰糸場、女子寄宿舎等)の建築方法や特徴、その当時の工女の生活などについて,製糸場管理事務所の市川さんより説明を受けました。建物の中には入ることはできず、富岡製糸場の外観を中心に見学しました。


富岡製糸場

15:00/市役所経済部商業観光課 (原・福田ゼミ)
市役所商業観光課にて、横尾さんをはじめ経済部商業観光課の4名の方から、富岡市の商業と観光の双方の様々な現状や取り組み、問題点などについてお話をいただくきました。学生からの質問にも丁寧に回答頂き、さらに、資料なども頂きました。

15:00/鶴田食品(マンナンライフ)甘楽工場 (小林ゼミ)
群馬県の特産物である蒟蒻を使った製品を製造・販売している鶴田食品(マンナンライフ)を訪問しました。実際に『蒟蒻畑』を製造している工場を見学した後、営業部営業政策課の横田和則さん,生産部生産グループの浅川忠義さんから,蒟蒻を加工するお話からマーケティングに至るまで幅広くお話を伺うことができました。 次に着工しようとしている工場は外観を富岡製糸場の様にするということなので,富岡製糸場の世界遺産登録への活動と関連して,さらなる富岡市全体の活性化につながると思いました。
マンナンライフ工場

16:00/JA甘楽富岡営農事業本部 (3ゼミ合同)
JA営農事業本部にて、本部長・吉田正一さんに、食育の必要性、JAの現状、インショップの役割、ネット食彩館の現状についてお話を頂きました。
食育の重要性や「農家は作家や芸術家と同様に“家”が付く職業であり,夢を追う仕事です」と語る吉田さんのお話は,農業あるいは地元に対する強い愛着を感じさせる内容であり,またJA甘楽富岡が独自に実施している様々な取り組みは,数年前に日本農業賞大賞を受賞されたのが納得できるものでした。その中で、JAの収益構造、農家減少の問題、今後の対応など関するお話がありました。

JA甘楽富岡営農事業本部
 

■日程(2月24日)

<原・福田ゼミ> <小林ゼミ>

10:00/有限会社「繭屋」(A班)
「繭屋」にて、小島様より養蚕業の現状や抱えている問題について説明を頂きました。産業の衰退、国際的な競争圧力への対応、後継者問題などについてのお話を伺いました。また、繭屋のシルクパウダーなどを用いた商品開発についてもお話頂きました。最後に、座繰り体験もさせて頂きました。

10:00/下仁田町役場(B班)
下仁田町役場にて、農林課の方々から説明を受けました。下仁田ねぎの作り方・歴史、「下仁田町・下仁田ねぎの会」の組織化、ブランド管理、下仁田ねぎの加工品、「ふるさと下仁田の会」のシステムなどについてのお話がありました。
下仁田町役場

10:00/富岡市役所経済部農林課(C班)
市役所の経済部農林課にて、白石様、飯塚様、須藤様農林課から富岡市における農業の現状について説明を受けました。その中で、後継者問題、外国からの農産物との競争など富岡市が現在直面している問題点、今後の対応などについてのお話がありました。

11:00/粉炭センター
南牧村粉炭センターにて、南牧村森林組合の田島さんと神戸さんから施設概要についてお話を頂きました。さらに、間伐材を使用した粉炭の生成工程について説明を受けました。ここの炭の特徴は、先に間伐材を細かく砕き、それを燃やして炭にするということです。またこちらでは、食用の微粉炭も作っており、それは1kgにつき10万円という価格でした。今後は他の炭製品との差別化を明確に進め、販売を伸ばしていきたいということでした。
粉炭センター

12:30/千歳屋
千歳屋にて「信濃屋喜助」店主・金田征之さんにお話を伺いました。炭ラーメンの開発の秘話、PR方法、販売方法、収益性などについてお話頂きました。炭ラーメンの販売およびプロモーションの今後について学生たちと議論がされました。千歳屋

12:45/じぇら21
JA敷地内にあるじぇら21の店内にて、代表者である古舘均司さんに、お店や野菜ジェラート、事業拡大(千代田区への展開)についてなどについてお話いただいた。学生からの質問や提案を親身になって聞いてくださった。対談後、ジェラートを実際に食べて、こだわりの味を確認した。
じぇら21

10:00/かぶら健康センター「かのさと」を訪問
市営福祉施設である「かのさと」を訪問した。和風浴室(檜風呂,御影石風呂等),洋風浴室(大理石風呂等),バーデゾーン,大広間,中広間,個室,リラックスルームなどの施設のほか,月替わりのハーブの日,アクアスポーツ教室,ガウン・バスタオルの無料貸出,送迎バスなどのサービス・イベントも行っています。利用者は,平日は60代の高齢者,土日祝日では家族連れなどが多いそうです。セールスポイントは,各種サービスの他,最新ろ過設備による清潔さであるが,温泉を引くことは予算的に無理であるとのことです。そこで,指定管理者制度による経営の民間委託も考えているということでした。また,施設に食堂がなく,客からの要望も強いため,食堂の設置を最重要課題ということでした。

10:30/加藤農園
「ぶんぶんとまと」というこだわりの高級トマトを栽培している加藤農園で,代表者の加藤文吾さんと加工工房責任者の加藤絹子さんにお話を伺いました。ハチ交配,少量潅水という厳しい環境と有機質肥料で育てられたトマトは,いつものトマトとは一味違い,各種メディアで取り上げられて話題となっています。トマトに対する熱い想い,そして食の安全に関するお話や今後の農家の姿勢についての考えをお聞きすることができました。

13:00/白石農園
白石農園を訪問しました。直前に富岡市農林課を訪問してからの訪問だったので,実際の農家の立場との比較をすることができ現状の問題点などの理解が深まりました。白石農園の白石栄一さんは富岡市議会の副議長も務めており,富岡市はもとより,全国の農業の発展に向けて考えておられる印象を持ちました。
また,甘楽富岡地区青年農業士協議会長の白石義行さんからは,農業の問題点や農業の発展のための工夫をお聞きすることができました。白石農園は全国でも早くに任意農家組合を形成していました。そして職業を「農業」でなく,皆が参加できる「農園」としている事が印象的でした。

JA食彩館本店/15:00
最後にJA食彩館本店を訪問しました。地元の採れたて野菜などが豊富に販売されており,お土産に購入した参加者も多かったようです。加藤農園を訪問したグループは,加藤さん夫妻に現地まで車で送って頂いたうえ,店内の商品について説明してもらいました。

 
■先生から一言
実際に自分たちの足で現地へ行き、直接お話を伺うことができたので、自分の目で見て確かめられ、考えることができたので良かった。富岡市の富岡製糸場を中心とした町づくりなどについて伺い、町の現状や町づくりの難しさを知り、地域活性化のさまざまな取り組みを知ることができたし、考えることができた。また、農産物のブランド管理の困難さやそのために取り組んでいること、販売・流通方法等のお話を聞けて非常に参考になった。
 
■先生から一言
鶴田食品では,事前に送った質問状に対してとても丁寧に答えて下さったので,県の特産物を扱う企業としての立場についての理解が深まり,とても充実した訪問になりました。加藤農園で,果肉がぎゅっと詰まっていて水に沈む「ぶんぶんとまと」を見たときには本当に驚きました。生のトマトだけではなく,ジュース,ケチャップ等の加工にも力を入れており,どれもおいしいのはもちろん,ミネストローネの素やジャムといった商品開発に も努力をしていて「これからの農家は下請けではなく主役にならないと」という加藤さんに感激しました。健康を重視し、スローフードを推進する姿勢は、まさにLOHASな生活に一致していました。かぶら健康センターでは,お話や案内を丁寧にして頂き,実際にお風呂にも入らせてもらいました。経営の民間委託という話もあるそうだが,それによって公営ではできなかったサービスの増強,施設の増設が可能になり,健康食,医療,美容などを取り入れた郊外型総合健康センターとしての経営が見込めると感じました。 その他の訪問先も含めて,とても好意的に対応して頂き,富岡市に対する親近感が深まったことが最大の成果であったかもしれません。
 
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