明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム
広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-
本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
Proj.9 嬬恋村視察調査を行いました!

水野ゼミは、3月8日、9日の2日間にわたり嬬恋村での調査研修を行いました。今回の調査は5月より始まる「民家再生事業(仮称)」に際し、現地の様子を把握しようと行われました。「民家再生事業(仮称)」では、活動予定の古い民家を改築するだけでなく、畑を借り、野菜を生産するということも視野に入れた活動を行う予定です。今回は合わせて、嬬恋村郷土資料館、種苗管理センター嬬恋農場などの見所でもお話を伺いました。




嬬恋村民家再生(水野ゼミ学生のレポートより)

○民家再生
嬬恋村と協同で民家再生をするにあたり、今回初めて再生する予定の民家を見学した。民家再生とは村内にある約200年前に建てられた民家を、私達明治大学生が地元の方達や中央工学校建築学科の学生・教授らと共に再生し、200年前の民家の姿を現代に蘇らせようとするものである。この民家は典型的な養蚕農家の間取りをしており、柱はそのままに家の間取りを生かす形で再生する予定である。柱は見上げると真っ黒になっており、これは囲炉裏の煤が長年染み付いて黒くなったそうだ。他にも木でできている引き戸など見た事のない物が多くあった。また軒下には蜂の巣、家の裏側には栗の木が見られ豊かな自然が感じられた。最終的に民家再生後は、近くの田畑を使用して研究施設のように利用する事を計画している。モノを大事にしようとする現代社会の風潮に敵い、十分に人々の関心を集めて村の活性化に繋がると考えられる。

民家

○田畑に関して
国道から細い坂道を上って少し行くと、私たちが耕作をする田畑がある。私の想像とは異なり、意外にも所々に民家のある村の中にあるようだった。
田畑は、すぐそばに住む方の土地を借り、今後の管理もお願いすることになっている。視察の段階で出た田畑耕作の案としては、田んぼに関しては、田植えと刈入れの体験をする。収穫した米は、試食または販売する。その他、もち米を育て、収穫後餅つきを行い、地域の人との交流の機会を持つ、などいくつも案が出た。
まだ、詳しい内容は決まっていないが、今回実際に現地を見て話を伺うことができ、想像力も膨らみ、これから本格的に活動する良い足掛かりになった。

田畑

○嬬恋村郷土資料館
嬬恋村の民俗文化財や歴史資料などを展示している嬬恋郷土歴史資料館を訪れた。当資料館では、このとき発掘された貴重な資料や天明3年の浅間山大噴火の模型図、また映像などで詳しく浅間山の大噴火やその悲惨な歴史についても学習できる。
また嬬恋郷土資料館では、嬬恋村の歴史的な史料と特産品であるキャベツについてのパネルや付近の広大な山に咲いている高山植物の写真が展示されている。嬬恋村は、全国でも有数のキャベツ産地であるが、それは、キャベツづくりにぴったりな気候と日本の中心という立地条件、いち早く農業の機械化を進められてきたためである。今なお、品種の研究がなされているとのことである。輸入品にも負けないおいしいキャベツが食べられるのは嬬恋村のおかげだ。
水野ゼミでは、嬬恋村で多くのことを試そうとしているが、観光を通じて活性化を狙う際には、是非この土地の歴史を知ってもらいたい。こうした事実を如何に訪れる人たちに伝えていくかがわたしたちの課題だ。

嬬恋村郷土資料館

○種苗管理センター嬬恋農場
全国に八箇所しかない馬鈴薯の種苗の管理センターが嬬恋村にはある。理由のひとつに病気のもととなるアブラムシは暖かいところを好み、標高が高く温度が低い嬬恋村にはあまりいないということが挙げられる。ここでは病気を持っている新種を育て、ウイルスが含まれていない成長点の先の0.2〜0.5mmの芽(原原種)を採取し、順に増やし、全国に配布するという重要な役割を担っている。そもそも、馬鈴薯の増殖率は低く、稲が100倍であるのに対し、馬鈴薯はたった10倍である。これは私の仕入れた秘密である。また、他の植物に比べて病気に弱い。種いもを通じて病気が全国に蔓延するのを防ぐために、嬬恋農場では防虫林によりセンターを隔離したり、進入区域を設けたりしている。このような様々な努力の甲斐もあり、この農場で元気な原原種を作り、全国に配布することによって、生産力が上がり、現在では国際的にもトップクラスの生産力を誇っているのである。

種苗管理センター嬬恋農場
○嬬恋村の観光  
嬬恋村では一年を通して万座・鹿沢、新鹿沢、嬬恋、つつじの湯、半出来、吾妻、妻恋、奥嬬恋、嬬恋バラギ温泉など日本有数の温泉から隠れた秘湯までを楽しむことができる。高原ならではの夏は涼しく、冬は雪が降るという気候を生かし、夏には避暑地・ボート遊び、オートキャンプ、釣り、そしてテニス、ハイキングなどを、冬にはスキー場を利用したウィンタースポーツを楽しむことができる。また、嬬恋村には春から秋にかけて、シャクナゲ・イワカガミ・リンドウなどの花が咲き、それを楽しみに訪れる観光客も多いのである。これらの花が咲く浅間高原や鹿沢高原、本白根山などを回るハイキングコースは種類も豊富で人気がある。 嬬恋村は雄大な自然に囲まれており、オールシーズン楽しめるレジャーには最適な場所でもある。そのためたくさんの宿泊施設があり、別荘地としても知られている。  嬬恋村の特産品は標高800メートルから1200メートルの豊かな自然の中なかで高冷地の気候を利用して作られたみずみずしい野菜で、キャベツやレタス、白菜、馬鈴薯などの栽培地として知られている。
嬬恋村の観光

■参加者学生の感想  
 水野ゼミは、以前より様々な新しい取組みを行ってきたが、私たち12期もこの「民家再生事業(仮称)」を通じて、いまだ大学生が行ってきたことがないような活動をすることになる。東京と群馬県では物理的な距離があり、この活動は嬬恋村の人々の助けと協力がなければ成功させることはできないであろうと今回の見学で痛感させられた。今回の視察では再生させる家をじかに見ることはもちろん、どのように嬬恋村の人々とコミュニケーションをとるべきであるかということも考させられた。現地に行ってみて、よりこれからやる活動へ対しての実感が沸いて来た。

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