男前豆腐店株式会社 代表取締役社長 伊藤 信吾

人と違うことをしたい。
悶々とした学生生活がすべての原点

スーパーの豆腐売り場で、一目見たら決して忘れない『男前豆腐』。既成概念を壊し一大ムーブメントを巻き起こしたのは、豆腐業界の風雲児と称される伊藤信吾さん。ファンキーな世界観は多くの人を魅了しているが、原点にあるのは大学時代に抱いた“ 劣等感”と、イメージとは180 度かけ離れたものだった。

父に引き込まれて豆腐の世界へ

僕は中学受験をしてエスカレーターで明治大学に入学したんだけど、正直第一志望に落ちての結果。中学も高校も大学も、楽しく過ごしながらも、どこか劣等感を抱いていたんだよね。だからかな、「目立ちたい」とか「人とは違うことがしたい」と強く思うようになったのは。

大学時代は、簿記の資格を取るために、専門学校に通いながら頻繁に図書館を利用するなど、かなりの勤勉でした。幼い頃から音楽が好きで、学生時代はバンド活動に熱中していたけど、その道ではやっていけないと、勝手に諦めていて。また親父が商売をしていたから、そっちの道に行きたいという思いも強かったんですよね。本当、親父には感謝していますよ。元々建築業をしていて、豆腐屋に変わった流れで僕はこの業界に入ったので。親父が豆腐屋を始めなかったら、今、僕は豆腐屋をやっていません。

ネーミングよりも味への追求

パッケージが二重構造になっていて、常に水を切っている状態になっている。“水も滴るいい男”ということで『男前豆腐』。豆腐で一番ありえない名前って『ジョニー』だと勝手に思っていて、そこから名付けたのが『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』。やっぱり売り場でも「目立ちたい」というのがあったんですけど、最初は「ふざけるな」という声もあって無条件で受け入れてもらえなかった。それでも自分の好きな世界を少しずつ浸透させながら、ここまでやってきたんです。もちろんネーミングやキャッチコピーが面白くても、それだけで手に取ってくれるのは最初だけ。やっぱり大切なのは味で、表には出していないけど絶対的な自信を持っているし、誇れるだけの試行錯誤を行っています。

すべての原点は明治にあり

ブランドは多くの人に認知されるようになったけど、まだまだ地盤固めのとき。将来的には長く愛されるブランドにしていきたいですね。そもそも「目立ちたい」「人と違うことがしたい」という思いが『男前豆腐』を誕生させたわけだけど、その背景には悶々としていた学生時代があった。すべてが順風満帆な学生時代だったら、この商品は生まれなかったし、今の自分もいなかったよね。僕の原点は、やっぱり明治にあるんですよね。


Profile of Shingo Ito

1993年より豆腐業界に携わり、2005年に男前豆腐店株式会社を設立。今までにないユニークで斬新なネーミングの豆腐を開発し、その味わいと共に話題となる。自身のニックネーム『ジョニー』は、大ヒット商品『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』にちなんだもの。1968年生まれ。千葉県出身。

Corporate profile
男前豆腐店株式会社
インパクトあるネーミングと独創的なパッケージの豆腐を複数開発・製造・販売。さらに敷島製パンと協力して「男前豆腐店クリームパン」を発売するなど、他企業とのコラボレーションも積極的に行う。

〒629-0101 京都府南丹市八木町船枝滝ノ方50番地
TEL 0771-42-4511 FAX 0771-42-5211
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明治大学広報
雑誌 明治
meijin Vol.1

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