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更新日:2007.9.26 バックナンバーへ
中国オリンピック委員会名誉会長の何振梁氏へ
明治大学名誉博士学位を贈呈
           納谷学長より何振梁氏へ名誉博士学位が贈呈された



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 明治大学は9月22日、中華人民共和国の何 振梁(ハ ジェンリャン)オリンピック委員会名誉会長に、明治大学名誉博士の学位を贈呈した。明大の名誉博士の学位は、「学問・芸術その他人類のため、顕著な貢献をした者」に贈られ、何氏の受章は、2007年5月のアブドゥラ・アフマッド・バダウィ氏(マレーシア首相)に続き23人目となる。
 何氏は、上海震旦大学理工学部卒業後、中国共産党に入党。国家体育委員会(現 国家体育総局)勤務を経て、1981年に国際オリンピック委員会(IOC)委員に就任。その後も、1989年には中国オリンピック委員会会長、IOC副会長に就任するなど、一貫して中国のスポーツ振興と国際スポーツ界への復帰に尽力。2002年には、前年7月のIOC総会での北京五輪開催決定を受け、北京オリンピック組織委員会理事長に就任。2004年から中国オリンピック委員会名誉会長を務め、国内のみならず、国際的なスポーツ活動の発展に寄与している。

 贈呈式は駿河台校舎リバティタワー1階リバティホールで行なわれ、中国大使館関係者や、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恆和会長、明治大学駿台体育会の兒玉圭司会長はじめ、大学役職者・学生・教職員、報道関係者ら約350名が列席。特に、体育会の学生らが熱心に何氏の言葉に聴き入る姿が見受けられた。
 式典では、納谷廣美学長より、「何先生へ明治大学の名を冠した名誉博士学位を贈呈できることは本学にとって名誉であり、このたびの慶事が明治大学のスポーツ振興・発展の一助となることを確信している」と顕彰の言葉が述べられた。また、納谷学長は、本年が日中国交正常化35周年、日中文化・スポーツ交流年であることにも言及、「本学はこれまで多くのオリンピック金メダリストを輩出し、日本スポーツ界の発展を担ってきた。現在、本学と中国とのスポーツ交流は、卓球・少林寺拳法など一部ではあるが、今後、学生諸君の活動を通じて、ますます両国の交流が促進されることを期待している」と結んだ。
 その後、納谷学長から名誉博士学位記と学位章(メダル)が、長吉泉理事長からは記念品が贈られ、何氏による受章の挨拶が行なわれた。何名誉会長は今回の博士号受章に、「私個人へという以上に、中国スポーツ界へ贈られたものとして受け止めたい」と謝辞を述べ、スポーツを通じた健全なアジアの発展と、日中の友好促進に努める誓いを新たにした。

基調講演を行なう何名誉会長
パネルディスカッション「21世紀のオリンピズムの課題」
 引き続き行なわれた記念シンポジウムにおいて、何氏は「オリンピズム(=オリンピックの精神)教育について」と題した基調講演を行ない、北京五輪が掲げる「ひとつの世界、ひとつの夢」の標語を紹介しつつ、オリンピック精神の普遍的価値を述べ、近年の「商業主義・勝利至上主義」に陥ったオリンピズムの排除・改善へ意欲を示した。
 何氏は、続くパネルディスカッションにも精力的に出席。同じくパネリストとして列席した竹田JOC会長は、2016年の東京五輪開催に向けた誘致活動を紹介し、「環境への配慮」「大会後の五輪遺産の活用」「既存施設の利活用」「安全への配慮」といった問題への対応を説明。『都市と地球の未来を繋ぐ五輪』という東京五輪のコンセプトを披露した。同様にパネリストを務めた兒玉駿台体育会長は、人々がスポーツ、オリンピックに期待するものとして「感動」を強調。目標に向かって体力・精神力の限界に挑戦するアスリートの姿こそが、その源泉であるとし、大舞台でのプレッシャーに弱い近年の日本選手、ひいては明大体育会の現役学生たちへ、断固たる決意を促す檄を飛ばした。
何 振梁(ハ ジェンリャン)
中国オリンピック委員会名誉会長
 パネルディスカッションを締めくくった何名誉会長は、オリンピックはスポーツを通じて若者と社会を教育する場でもあるという側面を説明。最後に、アスリートらとともに、他者への敬意・飽くなき向上心・ルールの尊重といった気高い精神を共有し、人種・政治・思想・宗教を超えたプラットフォームとして、人類全体がオリンピックを育てていく必要性に言及すると、期せずして会場から大きな拍手が沸き起こった。
 こうして、名誉博士学位贈呈式・パネルディスカッションとも盛況裡に終了を迎えたが、会場のリバティホールは、早くも北京五輪への期待と熱気に包まれたかの感があった。



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