商学部長 横井勝彦教授インタビュー 専門教育、教養教育、語学教育をトータルに培い
国際社会で活躍できる人材を送り出していきたい

無限の可能性を秘めた学生主体の学びの実践

画像:学生自身が取材、編集、校正した大学案内のパンフレット「商学部の現場」

 「学生による社会連携活動の展開」は、明治大学商学部を最も特長づけている取り組みと言っても過言ではないでしょう。事実、様々な教育機関が見学に訪れ、高い評価をいただいていますので、学生主導の社会連携に関しては日本の商学部の中でも一番進んでいると自負しています。学生の参加率も非常に高く、教員と学生と職員が一体化して「社会の教育力」をフルに活用させていただいています。

 これまでの具体的な取り組みとしては、現代GPにも採択されたプログラムの「空き店舗事業によるマーケティング教育の実践」で「なごみま鮮果」という店舗を展開したり、食品会社から委託を受けて新商品を開発したりといった実践を、地域や企業の方からの協力をいただき叱咤激励を受けながら行ってきました。

 2009年度は、教育GPによる「特別テーマ実践科目」として、例えば、学生自身が取材、編集、校正して実際に大学案内のパンフレットを作成するという演習(「明大商学部の広報戦略−企画・実践−」)や、自動車メーカーの方に製品設計から販売までの全体を紹介していただき、学生にアイデアを発信させていただくという演習(「ものづくり戦略」)も行っています。ここでの学びは、教員はコーディネイトするだけで主体は完全に学生にあります。その意味で無限の可能性を持った活動になっていると大いに期待しています。

日本の商学教育をリードし続けていく

 「カリキュラムの世界標準化」に関連する留学制度については、例えば、半期のセメスターでも明治大学商学部の特徴的な科目を英語で履修して単位にできるようにすることを検討するなど、欧米からの留学生が留学しやすいシステムを充実させていく予定です。また、明治大学商学部から世界各国へ留学生を送り出す際に、それぞれの学生が留学先で日本人として情報をきちんと発信できるとともに留学先からも専門的な情報を学び取れるような能力を培うために、教養科目と専門科目の双方で日本について英語で発信していくような科目、あるいは専門科目の内容に関して英語でコミュニケーションできるような能力をつける科目も新たに設置していきます。

 「体系的な導入教育の実践」については、「深い教養と専門的な能力を兼ね備えて国際社会で活躍できる人材を育成する」という明治大学商学部の教育目標に基づき、卒業後の多様なゴールを提示しながら、学生の基礎学力や勉学へのモチベーションを高めていくことが重要です。

 今日的な課題に応えるための教養教育、そして商学部独自の多面的な専門教育、その両方を支えるものとしての高度な語学教育、この3つの教育実践のトータルの成果が学士力に集約されると考えています。今後とも、時代のニーズに応えた教育改革を絶えず推し進めながら、日本の商学教育をリードするような存在であり続けたいと考えています。

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