明治大学現代GPニュース第9号 平成18年10月31日発行 |
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今回は、明治大学商学部の取組み「広域連携支援プログラムー千代田区=首都圏ECM(エデュケーション・チェーン・マネージメント)−」の10の商学的プロジェクトの中から、富野ゼミが9月・10月の間、活発に取り組んだproj.7「学生による金銭教育の実践」にスポットをあててご紹介いたします。千葉県浦安小学校でのはつらつ・元気な子供達との学習を通して、ゼミ生自身が「成長」を実感することができた「金銭教育」とはどのようなものだったのでしょうか? 「現代GP」とは、文部科学省が、各大学が取り組む社会的要請に応えたプログラムの中から、特に優れたテーマを選定したものです。(現代GP=現代的教育ニーズ取組支援プログラム、GPはGood Practiceの略) |
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千代田区=千葉県浦安市協力自治体連携 「学生による金銭教育の実践」 |
富野ゼミナール学生が浦安小学校5年生を対象に行った金銭教育授業は、小学生に授業やカレーの販売活動を通して、普段何気なく使われているお金の大切さ・利益の出し方を学んでもらうということ目標としました。9月27日にスタートし、10月8日に行われた浦安スポーツフェスティバルでのカレー販売を含めて全7回の授業が行われました。 |
「カレーを売るってどういうこと?」 1回目は商品の生産と流通について理解してもらい、またその過程でさまざまな仕事(職業)の役割についての説明を行い、2回目は利益と価格の説明、またそこからカレー販売する上での利益目標、カレーの販売価格(\300)を決定し、3回目・4回目は、広告の価値・効果を説明し、小学生に実際にちらしや看板を作ってもらいました。また販売にあたっての接客指導も念入り行い、本番に向け準備をしました。 ■第6回スポーツフェスティバル 商売人は商学生?! 10月8日(日)接客、裏方(ごはんをよそう、袋詰め)、広報(ちらし配り、呼び込み)の仕事に、最初は緊張気味の小学生でしたが次第に慣れ大きな声で接客や呼び込みをしていました。お昼の時間になるとお客さんの行列ができ大繁盛。事前の接客の練習の甲斐があり、お客さんに褒めてもらったり、励ましの言葉をいただいたりしていました。最終的に550杯のカレーを売り完売することができました。終わると大学生はぐったりでしたが、小学生はとても楽しんでいたようでした。 ■最終授業 「お金を稼ぐのって大変!」 スポーツフェスティバルでの結果報告として、総売上げ、利益を発表しました。完売はしたものの利益はあまりでなかったことを伝えると小学生はがっかりしていましたが、商売は甘くないということ理解してもらいました。このことからお金を得るということは大変さ、今の生活は両親のおかげであるとういことを分かってもらえました。利益の一部はユニセフ(国連児童基金)への募金にすることになりました。 |
感想 (商学部 富野ゼミ3年 八幡 明佳) 私は、教師役として、この金銭教育に参加しました。初めに思ったことは、小学生はとても柔軟性のある考え方だなということです。質問するといくつも答えが返ってくるのでびっくりしました。苦労した点は、授業の進行方法です。時間配分がうまくいかず、教えたい内容を伝えることがなかなかできませんでした。しかし、まとめの授業の時に小学生にテーマであるお金の大切さが少し伝わったようなのでうれしかったです。この活動でいろいろなことが学べ、とても良い経験となりました。 |
金銭教育を振り返って (浦安市立浦安小学校 5年学年主任 久保 明子先生) 「明大生と学んだ金銭教育」 消費者の立場での知識や体験は多くても、実際に販売をする体験をしている子ども達は、けっして多くはありません。それに似た体験としては、「低学年でお店やさんごっこをする。」「毎年1回の学校行事の中で、校内にお店を出し合い、手作りの品物を売る、お客になって買う。(お金は、模型)」などです。 今回、大学生が本格的なカレーを作ってくださったことやスポーツフェアでの販売という明確な目標があったことで、子ども達は、学習の1時間目から当日の販売まで、毎時間、生き生きと意欲的に活動に取り組むことができました。 評価できる点としては、 ・ 販売に必要となる接客の態度や言葉使いなどのスキルを知り、体験したこと。 ・ わずか4時間だったが、販売に携わることができた疲労感・満足感を得られたこと。 ・ 普段発言の少ない子ども達も、大きな声で呼び込みや接客を生き生きとやっていたこと。 ・ 子ども達が販売した4時間では利益が出ず、大学生が残って売り続けてくれた結果、何とか1万6000円の利益。一人に換算すると266円、 時給に換算したら、たった66円!お金を稼ぐ大変さが実感できたこと。 などです。 後日、学級指導をした際、子ども達から、「無駄使いはもったいない。親が一生懸命働いたお金なのに・・」という声がすぐに聞こえてきました。今回の貴重な体験から学んだ価値観が、日常生活で活かされたと、実感できました。 <学生の指導について> 夏休みから、十分な準備をしていたことと思いますが、当初は、戸惑いや反省の声が多く聞かれました。学習が進むにつれ、発問の仕方・資料の効果的な提示・子ども達の発言の受け止め方などの指導技術が、目に見えて上達していきました。何度も繰り返し、話し合い、修正を重ねていった成果です。後半は、安心してお任せすることができました。販売体験後のまとめの学習の時間は、最後にふさわしい自信に満ちた態度で、指導の流れもスムーズでした。学生の思いがしっかりと子ども達に伝わっていました。感想のカードに、お金の大切さ・親への思いなどが素直に表れていました。 販売当日はもちろんのこと、子ども達との学習時間以外に、大変な労力と時間が費やされたことと思います。お疲れ様でした。学生の皆さんにも、心に残る実践となったことと確信します。 |
金銭教育in昌平小学校(水野ゼミ) |
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11・12月のイベント情報 |
◆【12月2日(土)】 |
編集後記 今回の特集、金銭教育プロジェクトの準備は本当に大変でした。何度ゼミ生同士がぶつかったことやら…。 でもやり終えた後のゼミ生の絆はより深く堅いものになりました!小学生もみんな素直でいい子で本当にかわいかったです。また小学校に遊びに行きたいくらいです。最後になりましたが、今回このプロジェクトに協力していただいた皆さん、本当にありがとうございました。さて、次の特集は上記にある現代GP各プロジェクト発表会の模様を取材していく予定です。(野本) |
現代GPニュース編集協力 商学部3年 野本なつみ 長谷川豊康 村上裕美 山本和輝、 商学研究科 河内俊樹 |
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