明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム
広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-
本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
明治大学現代GPニュース第13号 平成18年11月1日発行

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今回は2007年9月から10月に行われた、広域連携支援プログラム【現代GP】の活動を紹介します。活発に各プロジェクトが行われ、当ニュースも盛りだくさんの内容となりました。
恒例の地域経済連携支援講座は第3シリーズが始まり、商学部アワーの時間帯には講座が用意されました。また、〈なごみま鮮果〉では、プロモーションビデオを制作、完成し、試写が行われました!
なかでも、プロジェクト7「学生による金銭教育の実践」については、4つの活動がありました。〈マグロ汁の販売体験〉を通しての授業では、小学生が販売体験を行い、体験を通じて感じたことをお父さん・お母さんへの感謝の手紙につなげました。〈紙パックによる紙すき体験〉では、紙すきで制作された紙を無駄にしないため、環境宣言を紙に書きこみ、それを盾にして、毎朝カードホルダーに入れるという習慣ができたそうです。〈野菜販売〉を通しての授業では、さまざまな角度から授業を行い、それが販売につながり、このあとは〈野菜販売〉を模擬スタジオでテレビ番組風に録画・編集し、ビデオレターへと発展するそうです。プロジェクト9と併せての金銭教育〈稲刈り・キャベツ・ジャガイモ収穫体験〉では、収穫した農作物を、このあと商業体験として販売に臨むそうです。
様々な発展・展開をするプロジェクト、これこそ「広域連携支援プログラム【現代GP】」の特徴なのです!



 Proj. 1 地域連携支援講座3
「京浜急行・京成電鉄ラインを通しての活性化」
恒例の地域経済連携支援講座は、第3シリーズを迎えました。今回は「京浜急行・京成電鉄ラインの連携」がテーマですが、これは両鉄道が一本のレールでつながっているところから構想されました。これは、自然な人の流れが生まれる「ライン」と言えるでしょう。一方、「連携支援」は広域連携支援プログラムの根幹テーマですから、好評をもってシリーズ化しているのは、連携支援の概念の浸透にとって大きなプラスです。
濱野健区長
品川区 『国際都市東京の表玄関・品川区』
10月1日、今回は品川区の濱野健区長をお迎えしての講座です。
濱野区長より「国際都市東京の表玄関・品川区」というキーワードの提示があり、 講座が始まりました。品川区は、地域を移動してゆく人口が日本一である、 とのこと。なるほど、日本の交通の大動脈が、鉄道・道路とも品川区を 通っています。東京圏の要衝でもあります。この地の利を活かした政策を これからも実行なさるそうで、品川はますます発展していきそうです。
本講座の目的である、連携については、わが明治大学との連携で、戸越銀座商店街にユビキタスを導入できたというお話をして下さいました。

吉田英男市長
三浦市 『地域連携と〈みうらスタイル〉』
10月12日、今回は三浦市の吉田英男市長をお迎えしての講座です。
三浦市の地域活性化は“三浦スタイル”というプロジェクト名称になっています。 “三浦スタイル”では、三浦市東京支店なごみま鮮果について、 またスカベンジ活動という海浜清掃について、朝市サミットという地方都市の 有名朝市との連携についてお話がありました。「なごみま鮮果」については ご存知かと思いますが、スカベンジと朝市サミットはこれから広く知られるところになるかもしれません。スカベンジは名称を凝ったところがポイントだそうです。東京の大学が連携し、多数の参加があって、観光資源保全のための海浜清掃を行っているそうです。朝市サミットは港の利点を活かし有名朝市と連携し生鮮食品の流通をしているそうです。これら3点はすべて本講座のテーマである「連携」が基になっています。
小泉一成市長
成田市 『成田市の現状と将来都市像』
10月22日、今回は成田市の小泉一成市長をお迎えしての講座です。
成田市は国際空港で有名なまちですが、小泉市長は「地域が空港を育てる」 という意識への変革を提唱なさいました。 これは、空港という施設に依存したまちづくりではなく、むしろまちづくり
のために空港を育てていく、という逆転の発想なのです。小泉市長は、 そうした、まちづくりに関するアイデアが豊富であられ、 なかでも「生涯を完結できるまちづくり」という施策では、「住んでよし、訪れてよし、働いてよし」という3拍子を挙げられ、子育て支援・学校の整備・商業施設の充実・雇用の促進に観光を付け加えたキーワードを言っておりました。「空港は港、成田は港町、港町にはロマンがあります」とまとめられた市長のお言葉どおり、ますますロマンのあるまちがつくられることでしょう。
荒木勇市長
習志野市 『文教とスポーツの地、習志野』
10月29日、今回は習志野市の荒木勇市長をお迎えしての講座です。
習志野のキーワードは文教とスポーツです。なかでも、音楽が非常に盛んで、吹奏楽部が毎年好成績をあげ、またスポーツも盛んで、特に野球に強く、三角ベースの普及に力を入れているそうです。全国的に有名なホールがあり、高校野球の名門校があり、読売巨人軍発祥の地ということで、音楽とスポーツは市の誇りなのです。そこで、荒木市長のスローガンは「一市民・一文化・スポーツ・ボランティア」。これからの課題としては「こども園構想」をお話くださいました。これは、幼稚園・保育所の再編・民営化のことで、働いていてもいなくても安心して子どもを任せられる施設を作る、ということだそうです。また、「こどもセンター」という、保護者と子どもが一緒に遊ぶ施設も整備されるなど、地域社会から問われていることを解決すべく、荒木市長はご尽力なさっておられます。

Proj. 6 空き店舗によるマーケティング教育の実践 〈若林ゼミ・なごみま鮮果〉
「プロモーションビデオ製作」

若林ゼミでは、「なごみま鮮果」のさらなる活性化のため、「若報堂」と名づけられたプロモーションビデオ制作グループが、夏休みに三浦ロケを敢行して、プロモーションビデオを製作しました。撮影は、プロのカメラマン・編集が参加し、本格的に行われ、マスコットキャラクターも大活躍でした。そして、完成したプロモーションビデオは、プレミア試写会で上映され、好評を博しました。

プロのカメラマンさんです
海から上がってくる仲間を撮影

■なごみま鮮果プロモーションビデオ製作
9月8日から11日に、「若報堂」と命名された若林ゼミナール2年のプロモーションビデオ制作グループが、なごみま鮮果のプロモーションビデオ制作のため、「なごみま鮮果」の故郷、三浦半島の三浦海岸でロケを行いました。
これは、広告代理店業の実務部分に対する実践教育として計画したもので、ゼミ3,4年をクライアントに見立て、8月末のゼミ合宿でプレゼンテーションから行う、という大掛かりなものでした。
合宿では、各班に分かれ、細部の絵コンテを完成させ、また劇中に登場させる着ぐるみをデザインし、大道具がその尾ひれ背びれを制作し、挿入する音楽の選定を行いました。
なお、カメラマン・編集はプロが参加、フィルムの仕上がりを重要視しました。
これら、撮影日程の全てに参加して下さり、演出も手がけてくださったのは、三浦市営業開発課の若澤美義課長です。そもそも、この計画が立案されたのは、三浦市の「フィルムコミットメント」のノウハウをお借りしたかったからだそうで、若澤課長に実績と人脈をお借りしたのでした。
若林先生は「製作を通して、2年のゼミは活性化され、
若林ゼミナールの『実践から理論を学ぶ』という流れに沿うことができたとおっしゃり、
高い成果が得られた活動となりました。

Proj. 6 空き店舗によるマーケティング教育の実践 〈若林ゼミ・なごみま鮮果〉
「プロモーションビデオ試写会」
まぐおくん、登場!
■『試写とインタビューと〈まぐおくん〉登場!』
関係者・学生が多く詰め掛けるなか、試写が始まりました。
出演の若林ゼミの学生が「深みのある演技」を見せると、 会場が笑いに包まれます。なかなか本格的な作りになっていましたが、 なんとプロのカメラマンが撮影したとのこと。見ごたえがありました。 試写が終わると、出演者が登壇し、横一列で本物の試写会みたいです。 ひとりひとり花束を渡され、さながらスターが登壇しているようです。 一問一答でインタビューが行われ、最後に若林先生が 「(広域連携支援プログラム【現代GP】のコンセプトである)『地域の教育力』ということで、成果としてとても良かったのではないか」と締めくくりました。試写会の最後にマスコットキャラクター〈まぐおくん〉が登場しました。プロモーションビデオ中に出演していた〈まぐおくん〉の実物に会場がワッと沸きます。ユニークなシルエットと動きは、まさに「なごみ」そのもの!
これからも活躍して活性化に寄与してください。

Proj. 7 (2) 学生による金銭教育 〈水野ゼミ〉
「明海南小学校 環境経済教育 紙パックによる紙すき体験」
浦安市立明海南小学校にて、水野ゼミの環境経済教育が行われました。対象は小学校4年生。授業を行う学生は4年生です。小学生に「環境について」見て、聞いて、知って、感じてもらう授業となりました。
ホームドラマ風の劇
■第1回 10月2日 『困ったさん一家の劇とリサイクル』
10月2日、水野ゼミの環境経済教育が始まりました。
今回は寸劇を用いた授業を行うとのこと。とても楽しみです。 寸劇は「困ったさん一家の劇」。「ゴミはなるべくリサイクル! なるべくゴミを出さないようにするのも大切だ!」 というコンセプトです。寸劇は子どもたちに大うけでした。 そして寸劇をもとに質問と復習。 「困ったさん一家で、短い時間で4つもゴミが出たのはなんでかな〜」。 子どもたちにはリサイクルの大切さが印象に残ったでしょう。 普段の生活でリサイクルする習慣が身につくかもしれません。寸隙のあとは○×ゲーム。リサイクルについて、ゲーム形式でフィードバックできますね。正解不正解で子どもたちは一喜一憂。これもまた、印象深さがあったでしょうか。次回の紙すき実験では、今日の寸劇とゲームで、紙すきをする意義付けがきっとわかったはず。
紙すきの道具
■第2回 10月9日 『牛乳パックが紙に変身、紙すき体験』
10月9日は、牛乳パックを使っての紙すき体験。
まずは、前日から浸しておいた牛乳パックからコーティングされた ビニールをはぎます。つぎにミキサーへ。どろどろになった紙を見て、 子どもたちがはしゃぎます。これを薄く伸ばし、紙にはさんで、 干したら出来上がり。紙が出来ると、どの子どももうれしそうに大事にしていました。授業の工夫は、1つの班に担当の学生1人が必ず入ったこと。いろいろな話をしながら、わき合い合いのグループワークとなりました。この授業は、環境を教育することがねらいですが、もちろん小学生が大学生と交流することも大切ですので、しゃべりながら進められた授業にお互い大満足です。人なつっこい明海南の小学生に、明治大学生のフレンドリーさで、とても調子のあった授業となりました。
「カードを描きましょう」
■第3回 10月18日 『リサイクルクイズ&紙すきメッセージカード』
10月18日、前半はリサイクル製品を見せて、 その原材料を当てるクイズを行いました。原材料はもちろん、 再資源のための「ゴミ」です。 〈猫のトイレ砂〉〈石鹸〉…「なにが元の「ゴミ」でしょう?」
という質問に、子どもたちが一所懸命考え、元気よく手を挙げて 答えました。後半は、前回紙すき体験で作った紙に、前回撮っておいた グループ写真を貼って、その横に〈環境に対する自分のメッセージ〉を 書きました。「ゴミはゴミ箱へ」「レジ袋はなるべくもらわない」など、 ひとりひとりのメッセージカードが出来上がりました。
この日は授業参観でもありました。 保護者の方は「小学生も大学生もお互い良い刺激になったようですね。 授業のあと子どもたちは一様に楽しかった、と言っていました」と、 うれしい評価を戴きました。環境の事前学習、紙すき、その紙で 環境メッセージのカード作り、という一連の流れの授業が完結しました。

Proj. 7(3) 学生による金銭教育 〈水野ゼミ〉
「昌平小学校 金銭教育 野菜販売体験」
千代田区立昌平小学校にて、水野ゼミの金銭教育が行われました。対象は小学校5年生。授業を行う学生は3年生です。今月は座学から始まって、〈野菜販売〉へとつながりました。
手がたくさん挙がります
■第1回目 10月3日 『嬬恋村について学ぶ〜農家の苦労を知ろう!』
千代田区立昌平小学校にて、水野ゼミの金銭教育が始まりました。
ゼミ生は朝早くから商学研究所に集まり、緊張の面持ちです。 当日朝の綿密な打合せが行われた後、いよいよ授業。 発問やワークシートを取り入れ、なかなか本格的です。 授業のキーワードは「つながリサイクル」、おもしろい造語です。 2時間分の授業枠で、前半は嬬キャベちゃんというキャラクター を使い、分かりやすく農家と作物と環境について学びました。 後半は、その作物の流通のしくみについて、本格的に学びました。 結果、水野ゼミのコンセプトである「人+人=無限大=つながり」 ということが児童に伝わり、大成功を収めました。子どもたちは、「キーワードが分かりやすかった」という意見が多く、先生からは、「パワーポイントを使い、伝えたいことをまとめて話したので、(子どもたちに)分かりやすかったでしょう」とお褒め戴き、「話をするスピードをもう少しゆっくりすると良いと思います」という反省点も戴きました。
ポスターの作成に余念がありません
■第2回 10月5日 『環境教育〜賢い消費者になろう!』
本日、緊張の面持ちは、授業担当の吉野さん。「絶対失敗する〜」と、なかなかナーバスです。いよいよ授業。時間が経つにつれ、 指導が堂々としてきました。本日の後半は、次回の商業体験のための作業です。商業体験は、小学生が野菜を販売するという目玉の企画です。 班を組み、場所を決め、売るものを考え、看板等を作りました。 多少騒がしくなったのは、今回の反省点でしょうか。 けれども、思い思いに画用紙に売り文句や野菜の絵や値段を描く 子どもたちの目は輝いていました。
アカデミーコモン前で産直販売
秋葉原駅でも販売促進
■第3回 10月21日 『野菜いかがですかー!』
水野ゼミの金銭教育3回目は、いよいよ目玉の〈販売体験〉です。 小学生が店員になり、臨時の販売所で嬬恋村の野菜を販売しました。
臨時の販売所は、1.千代田区役所前 2.明治大学アカデミーコモン前 3.秋葉原ダイビル前 4.ふれあい神田市場前の4か所です。 昨日の金銭教育で子どもたちは一様に「完売したい」と言っていました。 各販売所で販売がスタートすると、みな声が小さい。「いらっしゃ…」、 なかなかお客さんが来てくれません。ここで目的を思い出します、 「完売…」。すこしずつお客さんも来店し、みんな勇気が出てきました。 「いらっしゃいませ!」「嬬恋村の新鮮な野菜はいかがですか?」。
お客さんも多くなり、どんどん売れていきます。 しかし、売れ筋に差が見られるようになりました。
そこで、値引き合戦です。「玉ねぎ値下げしました!」。 お客様の声を伺ってみました。
「(商業体験について)とってもいいですねぇ! 昔は子どもも大人の手伝いをしましたよねぇ。
最近じゃなかなか出来ない体験じゃないですか?」。 保護者の声はというと、
「一所懸命な姿と慣れないところがいいです。カワイイ」。 子どもががんばっていると、お母さんも元気になるという声もありました。 評判は上々のようです。そういえば、本日の天候は雨。 最後に昌平小の西山先生は「天候も商売のうち」とおっしゃっていました。
商売の厳しさを子どもたちも知ったでしょうか。「ボクの呼びかけでお客さんが来てくれたんだ!」、子どもたちは興奮気味に話しました。

proj. 7 (1) 学生による金銭教育の実践 〈富野ゼミ〉
「浦安小学校 金銭教育 マグロ汁販売体験」
浦安市立浦安小学校にて、富野ゼミの金銭教育が行われました。対象は小学校5年生。授業を行う学生は3年生です。授業は、小学生に商業教育を行い、学んだことを生かして10月中旬に開催される「浦安市民祭り」に出店するブースで〈まぐろ汁〉の販売体験を行い、お金を得ることの大変さを学ぶというものでした。
多くの発問をします
■第1回 10月9日 『多くの発問と話し合い チームワークの富野ゼミ』
後ろに後学のためと2年生のゼミ生が見守るなか、授業が始まりました。今回は、小学生のための商業教育といった内容でした。授業の特徴は、質問形式が多く、子どもたちに答えさせるところです。子どもたちは、手を挙げると必ず指してくれるので、どんどん答えます。
「商品が売れるためにはどんなことが必要かな?」、「大切なのは愛情です!」。授業に笑いが溢れました。クラスに一体感が生まれます。また、答えに解説を加え、分かりやすく説明していました。また、班ごとにたくさん話し合いをもたせ、充分に時間をとります。
ここで活躍するのが各班担当の学生。子どもたちの話し合いを取りまとめます。 富野ゼミは役割分担が研究されていました。
「うまく描けてるね!」
■第2回 10月16日 『広告の実践 ポスター作り』
今回は、座学で広告について少し学んだあと、実際に広告(ポスター)を描く作業となりました。
各班担当の学生が本日も付いているから安心、もはや顔なじみです。
子どもたちは、思い思いのポスターを仕上げてゆきます。「マグロの形ってどういうのだっけ?」、ここで学生が作ってきたマグロのイラストが登場。 用意周到ですね。カラフルなカラーペンで彩色して完成。 黒板に次々完成したポスターが貼られてゆくと、即席の品評会が開かれました。
「これ誰が書いたの?…うーん、うまい!」。 富野先生は、「参加型の授業で、小学生と大学生が直接しゃべるというのは、おもしろいコミュニケーションで、みんながイキイキしていますね」
とおっしゃっていました。普段の小学校の授業とは、一味もふた味も違い、子どもたちには新鮮なのではないでしょうか。
係を分けて練習
■第3回 10月17日 『接客を学ぼう!』
今回は、次回の販売体験に向けた接客の練習です。まず、販売に、注文受付係・レジ係・受け渡し係 などがあることを説明しました。ここで登場したのが、富野ゼミ生の手作りの接客マニュアルです。 マニュアルに沿って小学生達が一生懸命練習します。
ポイントは3つ。1つ、接客は笑顔で。 2つ、大きな声でははきはきと答えること。3コ、接客の時はすべて敬語を使うこと。 児童たちは、班ごとに分かれ、大学生のお手本を見せてもらった後で、「いらっしゃいませ!」、 「お熱いのでお気をつけてください」、「ありがとうございました」 と元気いっぱいに声をだしていました。
まぐおくんも販売促進!
盛り付け方もだんだん上手く
■第4回 10月21日 『おいしいよ!まぐろ汁!』
今回は、いよいよ浦安市民祭りにブースを出店〈販売体験〉です。 これまで、売れるためにどうしようかと一所懸命考えた〈まぐろ汁〉を売るのです。
お祭りは2日間あり、じつは昨日、学生だけで販売をしてみるリハーサルを行っていました。大変苦労し、その結果「どうすれば売れるか」 が分かりました。奥でやっていた鍋の調理を、お客さんに見えるところに移動するなど、工夫がなされました。 本日の目標は300杯売り上げること。果たしてどうでしょうか。
小学生が到着すると、みんなハッピを着ています。これは〈よさこい踊り〉の発表会で使うために揃えたものです。ハッピ姿だと「お祭り」という感じがして、今回もばっちり活用されています。 子どもたちは班に分かれて行動しました。カウンターでの作業(注文受付係・レジ係・盛りつけ係)、店頭での販売促進、看板を背負ってチラシを 持っての出張宣伝、とローテーションで回っていきます。店頭のディスプレイと出張宣伝の看板は授業の時にみんなで描いたもの。 飾り付けられてゆくと、だんだんとにぎやかになります。そこへ、いちばんの目玉の〈まぐおくん〉も登場!これで、お客さんはまぐろ汁に とても興味がわくことでしょう。
お客さんがだんだんと集まり始め、子どもたちはよりお客さんに来てもらうためにノドを枯らします。 「まぐろ汁ー!おいしいですよー!食べてみてくださいー!」。なかには、替え歌を歌って興味をひく子どもも。また、学生が子どもを肩車する姿も 登場し、お客さんは大行列に。次々とまぐろ汁をお買い上げ下さいます。午後3時前に販売終了。
一体何杯売れたのでしょうか。 それは、次回のまとめの授業に譲り、学生が子どもたちに問いかけます。「何杯売れたと思う?」「利益は?いくらもうかった?」 「たとえば1万円だったとして、学年全体であれだけの人数で売って、がんばったのに1万円だよ。どう思う?」 使うときはあっという間のお金を稼ぐことがいかに大変か、子どもたちに教えていました。「みなさん、きょうはいい経験をさせてもらいましたね。 明治大学の学生さんたちにお礼を言いましょう」「有難うございました!」と声がそろったところで、充実した販売体験が終了しました。
感謝の手紙を書きます
■第5回 10月26日 『働くって、大切だって分かった!』
浦安小での金銭教育も、今回で最終回。きょうは〈まとめ〉の授業です。まずは、楽しみの売り上げの発表。結果、700杯売れました! しかし、かけた時間と人数で割っていくと…小学生1人あたり300円でした。 「あれだけ、みんなが4時間がんばって、ひとり300円っていうのはどうですか?」「300円でゴハン食べれますか?みんながおなかが空かないように、 お父さんお母さんはみんなのために働いてくれています」。ここで、紙に感想を書かせます。子どもたちの声は、「働くってことが、大切だって分かった」 「チラシを配って戻ったら、行列ができててうれしかった」「行列ができたとき販売体験をして良かったと思った」など、意義深さを感じたよう。 そしてなにより、「お父さんお母さん、毎日働いてくれて有難う」。それがわかったところで、みんなでお手紙を書くことになりました。 「お仕事がんばってね」「お母さんは家事もやっているのに楽しそうでエライです」「仕事で疲れているのに遊んでくれて有難う」
「お手伝いすることがあったら遠慮なく言ってください」。こんなお手紙もありました。「仕事のときは楽しいこともあるんだなぁ」。
そして、みんなががんばってできた利益をお菓子とジュースにして分けました。みんなお菓子に大興奮。友だちと交換したりして、 楽しく美味しく食べました。なかには学生にお菓子をあげる子も。お世話になったと肌で感じたのでしょうか。 最後に、子どもたちに学生が一言ずつ声をかけました。「何か一つでもいいから、忘れないで持って帰ってください」 「こういう勉強に興味を持ったら、ぜひ明治大学へ」「有難うという気持ちを忘れずにお手伝いをしてください」「いっぱい話しかけてくれてありがとう」。子どもたちからは、「働くことを教えてくれてありがとう、仕事の大切さが分かりました。おもちゃとかにお金を使ってたけど、販売体験を通じて反省できました」と代表の子どもが述べました。こうして、富野ゼミの金銭教育は完結しました。

■金銭教育を振り返って (浦安市立浦安小学校 5学年担任 鈴木明美先生)
 浦安小学校では望ましい勤労観や職業観を育むためのキャリア教育を行っています。6年生では職場体験、5年生では昨年に引き続き、今年度も明治大学商学部のみなさんと連携した金銭教育を行うことができました。
  金銭教育授業では、働くことの意義に触れながら、価格の決まり方や利益を増やすための広告作り、接客方法など教えていただきました。どの児童も浦安市民祭りでのマグロ汁の販売体験に向けて意欲的に取り組むことができたようです。
  実売体験後の児童の感想には、わずかな時間ではありましたが、働くことの苦労や喜び、販売体験に携われたという満足感・達成感があふれていました。また、一番身近な労働者である親への手紙には、尊敬の念や感謝の気持ちが素直に表れていました。
  保護者の方々からも大変意義のある学習であったとのご感想をいただきました。授業の展開方法などについては、学生のみなさんもご苦労が多かったことと思いますが、丁寧に準備され、児童にとっても実りある学習となりました。貴重な体験をありがとうございました。


Proj. 7・9 学生による金銭教育の実践・観光立国日本確立への寄与 〈水野ゼミ〉
「嬬恋村収穫体験」

10月13日、水野ゼミ生と小中学生で秋の収穫体験(稲刈り・キャベツ・じゃがいも)を行いました。これは、農業を通じて群馬県嬬恋村を地域活性化する取組みの一環です。 また、田畑で育った作物を収穫する農業体験をして、それを販売する商業体験もあわせて行うことによって、商い、マーケティングの仕組みを学んでいこうとするものです。

刈り取った稲を天日干し
キャベツの収穫
■稲刈り・キャベツ・ジャガイモ収穫体験
好天のなか、駿河台校舎からバスが出発しました。東京はいい天気ですが、 群馬嬬恋村はどうでしょうか。バスの中では、ゼミ生と子どもたちが、 嬬恋村に着くまでの時間を使って授業を行いました。 商品が売れるための具体的な手段についてです。4P『製品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、流通(Place)』について、 班ごとに考え、意見を出し合いました。
そうするうち、嬬恋村に到着。紅葉が始まった木々と青い空のコントラストが美しい、 ひんやりとした気候のよい好天でした。よかった、こちらもいい天気ですね! 昼食をとったあと、まずは稲刈りからスタート。ゼミ生と子どもたちは、 農家の方や嬬恋村職員の指導を受け、稲刈り作業をします。稲の束をカマで根もとから刈り取ったあと、束ねた稲を天日干しするため、サオにかけていきました。子どもたちは、小さい身体を駆使し、一気にたくさんの稲の束を運ぼうと奮闘していました。つぎは、キャベツの収穫体験です。嬬恋村は夏秋キャベツでは全国一の作付けと出荷量を誇ります。訪れた場所は見渡す限りのキャベツ畑で、向こう側が見えないほど。大きな包丁でザクッとキャベツの根っこに刃を入れて収穫すると、切り口からみずみずしい水滴が。子どもたちは「こんなのはじめて!」と大喜びです。また、より大きなキャベツを探したり、農家の方に質問したり活発に過ごしました。最後は、じゃがいも収穫体験です。今回収穫した“ワセシロ”というジャガイモはでんぷん質と糖度が高く、最もおいしいといわれる種類の一つです。子どもたちは、地面を掘ると次々現れるジャガイモに大興奮。競うように掘り当て、袋いっぱいのジャガイモを抱えて、とてもご満悦でした。 なかには、普通よりも5・6倍ものサイズのユニークなジャガイモを掘り当てた
ゼミ生がいました。お世話になった役場の方にごあいさつすると、お土産にと 〈こだま会〉からカリントウを頂戴しました。 おいしいカリントウを食べながら、本日は帰路につきました。
田畑を駆け回る元気な子どもたちの顔には始終笑顔があふれ、 初めて収穫体験をした参加者も楽しめた充実したプログラムとなりました。
次回は商業体験です。みんなのアイデアを販売戦略として生かせるか? 楽しみです。

■参加者&保護者 感想
●今回、嬬恋村の収穫体験を通して感じたことは、子供をまとめることの大変さである。今回参加した子供たちを複数のグループに分け、ゼミの仲間たちで各々一班ずつ受け持ったのだが、特に小学生は個性が強く、なかなか言う通りには行動してくれなかった。しかし、いざ収穫を体験する時には、普段なかなか体験することのできない事だからだろうか、子供達も夢中になって作業をしていた。 稲刈り、ジャガイモ堀り、キャベツ取りなどの農業体験に加え、リーダーとなって子供をまとめる体験など、普通に大学生活を送っていては味わうことのできない貴重な体験をできて満足している。・・・(水野ゼミ 2年 三田新)
●稲を刈るのは簡単でしたが、稲を縛るのがとっても難しかったです。縛り方を何回も教えてもらいましたが、なかなか上手にできませんでした。稲を干すのが全部できたからとても嬉しかったです。
次にキャベツの取り方を農家の人に教えてもらい、包丁で収穫しました。キャベツは、機械で収穫できないので、全部、農家の人の手で収穫されているそうです。新鮮なキャベツは、包丁で切ると汁が出てきます。食べてみたらとっても甘かったです。
ジャガイモ掘りもしました。沢山掘ったので、ビニール袋が破れてしまいました。帰っておばあちゃんや近所の人にお裾分けしました。おばあちゃんは、「今まで食べたじゃがいもの中で一番おいしかった!!」と言ってくれました。
来月、おこわを売るのも楽しみです。・・・(小4男子)
保護者の感想
●とっても楽しかったと言って子どもは帰ってきました。その日は相当疲れていたようで、12時間寝続けました。朝起きたら、嬬恋村での出来事を沢山話してくれました。「キャベツはこうやって収穫するんだよ。」と親の私達がやったこともないことを経験できたことがとても自慢のようでした。じゃがいももおいしかったし、毎日ジャガイモ料理をして食べています。娘は土いじりがあまり好きではなかったのですが、沢山のじゃがいもを掘ってきたことは驚きでした。良い経験をさせていただきありがとうございました。お米を売るのは少し恥ずかしいといっていますが、楽しみにもしているようです。・・・(小4女子母)


Forum 商学部アワー 講座開講(1)
「イラストレーター講座」
商学部アワーの時間帯に講座が設置されました。今回設置されたのは、アドビ社のイラストレーターの習得と、実践で使える会計の習得を目指す講座です。イラストレーターは、使えるとさまざまな広告宣伝材料などを作ることができますし、実践での会計は、会社に入ったときに知っているといないとでは雲泥の差が出る知識です。ただし、両者とも習得の難易度は高い。そのため、ふたつの講座が設置されたわけです。
杉山先生がやさしく教えて下さいました
講座は大人気!
■全2回開講
9月25日、10月2日、学生のイベント等の宣伝・広報の際の技術能力の向上を目指して、ポスター・チラシの制作ソフトである「イラストレーター講座」を2回に渡って開催しました。
毎回さまざまな企画を行っている商学部アワー。今回のイラストレーター講座の講師は杉山幸枝氏です。
講座の第1回目はポスター制作を通してイラストレーターの基本ツールの使い方の習得、第2回目は第1回目の講座の参加者の質問・意見を反映させて、更に上級のテクニックを使ったポスター作成を目指しました。
2回目は、前回のポスター作りに比べて、難易度が高く、イラストレーターのさまざまな機能の操作について、てんこ盛りの内容でした。学生もついていくのに必死。けれども、目的のイラストが完成すると「すご〜い!楽し〜い!今度使ってみよう!」と感動していました。「ワードのほうが機能がシンプルで使いやすいのですが?」と意地悪な質問をすると、「イラストレーターでしかできないことがあるのです。たとえば今日のような文字のパーツ分割は子どもの漢字練習に活かせますよ」とのお答え。なんでもできる 機能を、自分の目的に活かして 使うことが大切ですね。
Forum 商学部アワー 講座開講(2)
「実践!使える会計講座」(準備)
税理士さんのお話は興味深い
「どういう授業内容にしましょうか」
■会計講座打合せ
学生が社会人になったとき実践で使える会計の知識習得のため、会計講座が設置されることになりました。
講師は税理士の長谷川一弘氏です。開講はまだ先なのですが、どういった授業にするかを打ち合わせるため、今月は長谷川氏が2回に渡って足を運んで下さいました。学生も同席し、打合せというより、学生への教授が始まって、実質講座が始まった格好です。
1回目の打合せでは、〈ふれあい神田市場〉の会計データを使って、生きた会計をすることと決まりました。打合せのため、会計資料を準備していましたが、長谷川氏によると「税務署や銀行に提出できる決められたルールに則った会計をやっていきましょう」とのこと。これまでの会計データは、統計表としては生きてくるものの、正式な帳簿とはいえないのだそうです。
2回目の打合せでは、長谷川氏がふれあい神田市場仕様の「現金仕訳帳」を作ってきて下さり、これまでつけていた原票からの数字の移項を教授いただきました。なかでも、大切と伺ったのは「金種」を数えること。数字での金額は抽象的であり、具体化するために金種を数えるのだそうです。 長谷川氏は来月も打合せに来て下さるとのこと。もはや「講座が始まっている」だけに、勉強しましょう!

現代GPニュース編集協力 浦安小学校教諭・鈴木明美教諭
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