明治大学 平成17年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム広域連携支援プログラム-千代田区=首都圏ECM-本プログラムは、文部科学省が公募する、平成17年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)に採択されました。」
Proj. 7 「学生による金銭教育」 野菜の実践販売や調理自習を実施!

水野ゼミナールは、千代田区昌平小学校において全5回の金銭教育授業を行いました。前半では群馬県嬬恋村の紹介や野菜の流通の仕組みについて理解を深める授業が行われました。引き続き後半では、実際に小学生が野菜販売を行うという計画のもと、広告を作成したり、当日の作業の割り振りやお店のうりなどを決めていきました。また、最終回の授業では1、2回目の授業で小学生が考案した嬬恋村の特産物を使ったレシピを使って調理実習を行いました。
これらの授業の中では、「多面的なものの見方を身に付けること」、「人と人とのつながりを考え、その中に自分達も生きているんだということを認識すること」を達成できるように企画が立てられました。
授業を終えて、小学生からは、「機会があれば、また遊びに来て欲しい。」「明大生ともっと一緒に授業をしたかった。」 「大学生の人々と授業をするといろいろな発見ができる。」などの声を聞くことができ、今年で2年目となる金銭教育授業は評判も上々のようでした。

教室での授業

【水野ゼミ授業経過報告より】

■第3回目:11月9日(木)
授業の目的

(1)社会は多くの人たちが関わって成り立っており、自分たちも社会の循環のひとつを担っていることを知る。ゼミ生と小学生とでお互いに知り合おう。
(2)次回の野菜販売実践の準備を通じ、マーケティングを学ぶ。


前回の授業のまとめで、なにげなく毎日食卓に並んでいる食材は、生産者〜消費者の間に卸売業者、仲卸業者など多くの人が関わっており、次回の野菜販売において、自分達がその一連の流れの一つ(野菜を売る)を担うことを確認した。その後、販売グループを2つに分け、どのように物を売るのがよいのか、お店のうりは何にするか考えた。小学生からは寒くなってきたので、お鍋の材料を豊富に取り揃えることをうりとする等の意見が出た。また「広告」という視点からは、お客さんにたくさん来てもらう為のよい広告を作るにはどのようなポイントに着目するかを考えた。


■第4回目:12月1日(木)
授業の目的
(1)実際に野菜を売ることを通じ、様々なことを感じ、考える。


野菜販売は場所別に分け「神田班」「昌平小学校班」とした。
当日の朝、小学生に実践販売の趣旨説明とそれぞれの動き方を説明した後、各班に目標とお店のテーマを発表してもらい、全体で挨拶の練習を行った。
店舗開店の準備を全員で行い、お店をオープンしてからは「接客」、「レジ」、「記録」、「呼び込み」と5人ごとのグループにわけてローティションし、それぞれが各仕事を体験できるようにした。
野菜を売り切ってからは、「わかったことシート」に小学生に感想や発見したことを記入してもらった。アンケート結果からは、「思った以上に大変だった」「また挑戦してみたい」などという意見がでていた。


■第5回目:12月14日(木)
授業の目的
(1)調理実習を通じて、自分たちが考えたものが形になることを感じる。
(2)物の流れのまとめ。
(3)経営するということについて考える


前回の野菜販売会計報告を行った。また、今までの4回の授業を経ての感想や大学生からのメッセージなどを発表しあった。売上の報告では、 小学生は利益を出すことが思った以上に難しいことを実感したようであった。野菜販売の感想としては「野菜の値段のつけ方が難しかった(安くしすぎてしまった)」「チラシ配りの大変さを知った(なかなか受け取ってもらえなかった)」「会計が大変だった(おつりを渡し間違えた)」「 声を出しての接客をがんばれてよかった」などの感想が聞かれた。その後の調理実習では、授業で嬬恋村の特産物を使って考えられたレシピのうち2品(じゃがいもグラタン、豆腐ハンバーグ)を実際調理し、独自の「昌平弁当」を完成させた。

お店のうりを考える
野菜実践販売
看板
調理実習
【明治大学 水野ゼミの皆さんとの取り組みを振り返って】
〜昌平小学校5年生担任 湯本先生より〜

本校では2回目となる水野ゼミの学生さん達との取り組みですが、昨年同様、全5回の計画で行ってきました。
1.嬬恋の野菜について学ぼう 嬬恋クイズ
2.物流について学ぼう 嬬恋から来る野菜
3.金銭教育 野菜販売体験の準備
4.野菜販売の体験 昌平小学校前・ふれあい神田市場 
5..調理実習とまとめ みんなで考えたレシピ
本校の5年生は春と秋、年度中に2回の嬬恋への宿泊体験があります。嬬恋村の小学校との交流を行う中で、農作業体験として春は種植え、秋には収穫を行います。
  明治大学の皆さんとの取り組みは、秋の嬬恋体験前後で行いました。この授業のおかげで、秋は農業生産に重点をおいて、より詳しく学習を進めることができました。

 学習を進める上で、
(1)指導案作成
 →必ず事前に時間配分まで含めた詳しい指導案を作って送ってくれました。そのため私たち教職員が、活動内容を事前に把握することができ、その上で安心して準備を進めることができました。
(2)授業内容の工夫
  →毎回の授業で、子どもたちの反応を予想し、クイズや班活動を取り入れながら工夫した内容を考えてくれました。
(3)体験活動
  →クラス全員で野菜を実際に販売する体験は、学校だけではできません。子どもたちに貴重な体験をさせてくれたことに感謝しています。
(4)学校からの要望
  →学校現場は今、様々な決まりの中で教育活動を行っています。特に5回目の活動の調理実習では、衛生面その他かなりたくさんの要望を出しましたが、すべて即座に対応してくれました。この取り組みに対する熱意を感じました。

 子どもたちが意欲的に生き生きと取り組めた野菜販売は、貴重な体験となりました。明治大学の皆さんとの交流授業の中で、子どもたちの新たな一面が見えたり、感動があったり・・・・神田店、秋葉原店の看板は今、教室に大切に飾ってあります。


■学生の感想(水野ゼミ 4年 岸本郁華)
「小学生と大学生で何か面白いことができないかなー・・・」そんな想いで始まったこのプロジェクトも今年で2年目を迎えました。 秋葉原のど真ん中での呼び込み、飛び込み営業、サービス70%OFF(完全に原価割れですが・・・)、5円割引券など、子どもたちの工夫がいっぱいの野菜販売は今年も大盛り上がり!そのほか、レシピ作りや調理実習、ロールプレイなどを交えて授業を展開しました。やはり、小学生は面白いです。私たちが考えているより深く考えていることもあれば、発想だけで突っ走ることもあったり・・・想像しないことが普通に起きたりするんです。今年もそんな子どもたちの世界に触れ合うことができました。笑顔に出会うことができました。そして、何より充実した経験を得ることができました。

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