総合文化
芸術から外国語、スポーツまで学ぶ

総合文化教室

幅広い教養と視野の獲得へ

理工学部には8つの専門学科と並んで、「総合文化教室」という組織があります。外国語、人文科学系の諸分野、健康・スポーツを専門とする教員たちはここに所属し、一般教養の授業を担当します。学生のみなさんが所属学科にとらわれることなく、人間として大きく成長できるよう、私たちは、それぞれの専門分野のエッセンスをやさしく丁寧に教えていきます。

専門性と社会を結ぶ
3つの科目

「総合文化教室」はスペシャリストの資質を育むいくつかの科目を設置しています。
文学、哲学、芸術学、歴史学、言語学、社会学、文化人類学、身体科学など、多様な学問にふれることのできる「総合文化科目」、専門的知識をグローバルに学ぶための「外国語科目」、そしてすべての基礎となる身体について学ぶ「健康・スポーツ学科目」です。
専門分野を越えて学ぶことで、広い知識とねばり強い思考力を身につけ、目標に向かって歩んでいきましょう。

幅広い教養と視野の獲得へ
  • 総合文化科目
  • 外国語科目
  • 健康・スポーツ学科目
世界を拡げる

総合文化科目

文化を学ぶ学生たち
文化に関する展覧会
多国の文化に触れる

大学での学習の目的とは何でしょうか。いろいろな答えがあるでしょうが、私たちはこう答えたいと思います。専門知識の習得はもちろんだが、同時に、これからの人生の鍵をにぎる、実践的な知識と複眼的な思考力を身につけることだ、と。そのためには、人間の社会や歴史や文化を広く視野に入れた基礎訓練が、絶対に欠かせません。各学科の専門科目や「外国語科目」「健康・スポーツ学」と並んで、総合文化教室所属教員それぞれの専門分野を生かした、さまざまな主題にわたる「総合文化科目」は、科学・技術の専門知識を学ぼうとするみなさんにとって、大きな刺激と発見にみちた場となるはずです。
総合文化科目は1・2年次を対象とした「総合文化ゼミナール」と、3年次以上を対象とした「総合文化講義」の2種類があります。「総合文化ゼミナール」は1クラス20名以下という理工学部独自の少人数クラスです。「総合文化講義」は、高度な内容をわかりやすく解説する講義形式クラスです。いずれも参加者の世界を広げてくれる刺激的な授業ですので、新しい仲間とともに積極的に参加しましょう。

“知的好奇心の追究”

総合文化ゼミナール

総合文化科目の少人数のクラス「総合文化ゼミナール」では、担当教員の専門分野を反映した、特色ある授業を体験することができ、知的好奇心を徹底的に追究することができます。

総合文化ゼミナール 
テーマ一例

  • 映像表現をつうじて環境問題を考える
  • スポーツを考える
  • 21世紀のはじめ方
  • メディア・アート
  • こころをデザインする
  • 映画の中の「パリ」
  • 映画で学ぶ台湾
  • 空想科学ゼミナール
  • 多様性と格差を考える
  • アダプテーション論
  • ソロー『森の生活』を読む
  • やさしい英語の詩
  • ハプスブルク家と音楽
  • 生田キャンパスと登戸研究所
  • 科学の歴史と論争
  • 身体を造る
  • ドイツのサブカルチャー

総合文化講義 
科目一例

  • 思想論
  • 日本史
  • 現代政治論
  • 記号論理学
  • 世界史
  • 社会学
  • 美術史
  • 心理学
  • 国際関係学
  • 自然科学史
  • 法学
  • 運動の科学
  • 文学
  • 文化人類学
〈 総合文化ゼミナール 〉

21世紀のはじめ方

鞍田 崇 准教授
21世紀のはじめ方 イメージ

DIY(Do It Yourself)やセルフビルドなど、近年暮らしのあり方を自分の手で創造していくことに注目があつまっています。他方で、東京などの都市部ではなく、地方で働くことを選ぶ若者も増えてきています。いずれも、与えられたライフスタイルをただ消費することをよしとせず、また人口増加と右肩上がりの経済成長を前提とした20世紀型の価値観を鵜呑みにするのでもなく、多くの人が、社会と暮らしの別の選択肢(オルタナティヴ)を求めていることの現れとみることができるでしょう。

21世紀のはじめ方 イメージ
21世紀のはじめ方 イメージ

そうした動向と連動して、いま注目を集めているのが「民藝」です。ここでは、あらためて「いまなぜ民藝か」の検討を通して、21世紀にふさわしい、新しい暮らしの〈かたち〉について考えていきます。授業では、教室でのレクチャーやディスカッションのほか、現地実習としてキャンパスに隣接する生田緑地内の日本民家園や岡本太郎美術館でデザインリサーチも行ない、身近な生活空間にひそむ価値をみずから発見する「まなざし」の獲得をめざしていきます。

講師プロフィール

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環境人文学研究室

鞍田 崇 准教授

明治大学理工学部専任准教授。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。総合地球環境学研究所(地球研)を経て、現職。著書に『民藝のインティマシー「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会)ほか。民藝「案内人」としてNHK-Eテレ「趣味どきっ! 私の好きな民藝」にも出演(2018年放送)。

〈 総合文化ゼミナール 〉

メディア・アート

水野 真紀子 専任講師
メディア・アート イメージ

この講義のテーマは「メディア」と「アート」と「メディアアート」です。「メディアアート」と言う言葉は、その時代の新しい技術を 使った芸術的表現を指して用いられることが多いですが、アーティストは常に、自らの表現に用いる媒体と向き合ってきました。講義では、広い意味でのメディアアートの作品例を紹介しながら、メディアとアートの関係性という大きなテーマに取り組みたいと思います。

メディア・アート イメージ
メディア・アート イメージ

デジタル時代のメディアアートでは、表現の担い手がプログラマーやエンジニアといった技術者、さらにはユーザーへと拡大し、「アート」の意味にも変化が起こりました。「自分はどのような形でアートに接続しうるのだろうか」と、メディアとアートというトピックを自分の現在と関わるアクチュアルな問題として捉えられるようになること。また、自分が関心のある対象について自らの言葉で説明し、他の人の発言・発表内容について関心を持ってリアクション(質問・コメント)するなどの一般的なプレゼンテーション・コミュニケーション能力が授業での活動を通じて向上することを目標としています。

メディア・アート イメージ

メディア・アートとは一体何なのか。その問いを起点に現在の作品例を見ながら定義を考え、近代美術史を振り返りながら、皆さんとともにメディア・アートを考えていきます。

講師プロフィール

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ドイツ語第1研究室

水野 真紀子専任講師

専門はドイツ語圏文化・認知記号論。人が絵や言葉をどのように理解しているのかという問いを追い続けている。アート作品の受容について考えることは、世界と自分について理解することである。

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映画の中の「パリ」

清岡 智比古 教授
映画の中の「パリ」 イメージ

このゼミでは、パリを描いた映画を見て、その分析を行いながら、(大げさに言えば)今の世界の状況を理解していくことを目指します。ただ……パリ、と聞くと、金髪の男女が恋を語り、おしゃれを楽しみ、ワインを飲み比べ、おいしいフランス料理を食べている……、というようなイメージが浮かぶかもしれません。朝のクロワッサン、午後のカフェのテラス、夜はオペラ座でのコンサート、あるいはサン・ジェルマン・デプレのビストロでワインを傾ける、とか。
たしかにそうした「パリ」もないわけではありませんが、それはいわば、日本(やフランス)のメディアがみんなでなんとか支えている幻想、という面もあります。だからこのゼミでは、こうした「パリ」にはほとんど触れません。では、どんな「パリ」を見ようというのか?
それは端的に言えば、多様な文化の交差点としてのパリです。アフリカから、カリブ海から、アジアから、様々な理由でパリにやってきた人々。そして今、彼らの存在抜きに、パリを語ることはできません。こうした状況を、映画を中心に、ポップ・ミュージック、アート、などを通して見てゆこうというのが、このゼミのテーマです。当然、ストリート・ヴューも大活躍します。(こうしたこと全体の背景には、グローバリゼーション/グローバリズムの問題があります。この点も考えてゆきます。)

映画の中の「パリ」 イメージ
映画の中の「パリ」 イメージ

街歩きが好き。都会が好き。異文化に興味がある。パリに興味がある。日本語世界に閉じこもらない、広い視野が欲しい。「現代」について考えてみたい……。こんな人は大歓迎です。ただし、「今」を理解するには、どうしてもある程度「過去」を知る必要があります。(指定された教科書には、そのあたりのことが書いてあります。)また、たとえば映画1本について、予習と、見終わった後の分析レポートが課されるので、レポートの数は多くなります。
このゼミに積極的に取り組んでくれれば、いつかみなさんがパリを訪れるとき、観光ガイドをはるかに超えた次元で、パリを経験することができます。

講師プロフィール

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フランス語研究室 仏語・仏語圏文化論

清岡 智比古  教授

専門はフランス語、フランス文学。最近はフランス語圏文化やパリを研究対象としている。主要著書として、『エキゾチックパリ案内』(平凡社)、『フラ語』シリーズ(白水社・全5冊)、『ハートにビビッとフランス語』(NHK出版・共著)、『東京詩』(左右社)、『小さな幸福』(小沢書店)、『混成世界のポルトラーノ』(左右社・共著)などがある。NHK「テレビでフランス語」講師。

〈 総合文化ゼミナール 〉

多様性と格差を考える

大澤 舞 専任講師
多様性と格差を考える イメージ

みなさんは、自分を「色」で例えるならば何色でしょうか?きっとそれぞれ好きな色を答えたり、なんとなくイメージカラーを答えたりするのではないかと思います。このゼミで扱うテクストのタイトル『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019年)は、三種類の「色」を示していますが、これはどういった意味なのでしょうか?

多様性と格差を考える イメージ
多様性と格差を考える イメージ

このゼミでは、上記のテクストを読み込みながら、「多様性と格差」について考えていきます。日本社会でも世界でももはや「多様性(diversity)」という言葉は浸透しきっているといっても過言ではありません。おそらく多くの人々が、我々は多様性を認め、受け入れ合っていると信じています。しかしながら、本当にそうでしょうか?「多様性」とはそもそも何なのか。「多様性を受け入れる」とはどういうことなのか。安易にこの一言ですべてを片づけてしまっていないだろうか。そこにどんな偏見も存在しないだろうか。このゼミでは、英国社会を描いたテクストを扱いながら、英国の歴史や政治、文化を学ぶ一方で、その社会に潜む「多様性格差」と呼ぶべき状況について、みなさんとともに考察していきます。また同時に、英国社会と比較して、日本社会のさまざまな格差についても議論します。他国の出来事を傍観者として眺めるのではなく、自分の身に引きつけて考える力を養います。このゼミを通して、自分自身や他者と改めて向き合い、自分の「色」を表現できることを目指しています。

講師プロフィール

プロフィールイメージ
英語第3研究室

大澤 舞  専任講師

専門は19世紀イギリス文学におけるジェンダーと金融。多様性社会の礎を築いた彼らの意志を未来につなげてくことを目指し、社会の周縁に追いやられていた人々がどのように活路を見出したのかを研究している。

〈 総合文化科目 〉

思想論

清水 則夫 准教授
思想論 イメージ

儒教と聞いて、皆さんは何を連想しますか。中学・高校の国語の教科書にあった断片的な漢文でしょうか。「国語」の 教科書に古典中国語が載っていることを疑問に思ったことはないでしょうか。儒教は古代中国に生まれた思想です。なぜ、中国の古典が、「国語」の授業で扱われるのでしょうか。それは中国文化の影響が、日本文化の奥深くまで浸透しているからだと考えられます。
儒教は中国に生まれましたが、その影響は日本のみならず、東アジアの全域に及びました。西洋が東アジアに進出し、近代化が急務となった後も、折に触れて伝統としてのアジアや儒教が呼び起こされます。これは近年の中国でも例外ではなく、アジアについて知ろうとするならば、儒教を避けて通ることはできません。

思想論 イメージ
思想論 イメージ

漢字の使用をはじめとして、日本が中国から受けた影響はきわめて大きい。それにもかかわらず、日常生活の中でそれを 意識する機会は多くない。むしろ、意識せずに済むほどに無意識下の中に根付いている、といったほうがいいかもしません。それらを自覚化するには、過去の歴史を学ぶ必要があります。本講義を通じて私たちの内なる中国を知ることで、現在の中国を見る目も違ってくると思います。

講師プロフィール

プロフィールイメージ
思想論研究室

清水 則夫 准教授

明治大学理工学部准教授。早稲田大学大学院文学研究科東洋哲学専攻博士課程修了。博士(文学)。監修書に『浅見絅斎全集稿本 舞田敦編』(ぺりかん社)。東アジアの思想史的流れをもとに、「日本」を新たな角度からとらえなおしている。

〈 総合文化科目 〉

社会学

鞍田 崇 准教授
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これからのあるべき社会の姿をデザインする―それがいま社会学に課せられている役割です。ここでいう「社会」とは、自分 たちが生活をいとなむ社会であり、先の問いを考える上で何よりも大事なのは、「ひとごとじゃない」という実感をもつこと。この講義では、何よりもまず、そうした実感を皆さんと共有していきたいと考えています。
でも、なぜか。社会が大きく変わりつつある、いや大きく変えなきゃいけない時代だからです。この講義を機に、特にみなさんにぜひ考えていただきたいことが2点あります。

社会学 イメージ
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1)人口減少
日本の人口は 10年前にピークを越え、すでに人口減少期に入っています。20世紀の100年で、4千万人から1.2億人まで一気に3倍に増加した人口は、これから急速に減少していきます。推計では、100年後の人口は多くても現在の半分の6千万人、少ないシュミレーションでは3分の1、つまり100年前の規模にまで縮小するといわれています。人口増加期の発想とは異なる、新しい社会像、生き方が求められています。それはどういうものでしょうか。

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2)つくることからの撤退
20世紀後半の高度経済成長の後、日本の製造業の多くは生産拠点を海外へ移転してきました。日本社会はすでに工業化のステージは終え、ポスト工業化社会にあります。工業化に代わって経済活動の主たる要素となったのは、消費です。つくることよりも、買うことを軸にした社会にいま日本はあります。しかし、果たしてほんとうにこのままでよいのでしょうか。

この2点は、決してひとごとじゃありません。みなさん自身がいやおうなく直面せざるをえない問題です。どう解決するのか。それを考える能力を培うこと、目標はそこにあります。

講師プロフィール

プロフィールイメージ
環境人文学研究室

鞍田 崇 准教授

明治大学理工学部専任准教授。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。総合地球環境学研究所(地球研)を経て、現職。著書に『民藝のインティマシー「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会)ほか。民藝「案内人」としてNHK-Eテレ「趣味どきっ! 私の好きな民藝」にも出演(2018年放送)。

世界に寄り添う

外国語科目

ドイツ語の授業の様子

外国語を学ぶとき、世界が確実に変わります。新しい視界が開けてくるだけではなく、これまでよく知っていたと思っていた風景すら、まったく別のもの、見慣れないものになってくるのです。思いもよらなかった世界の細部にはじめて気づき、自分が話している母国語にも新鮮な魅力が感じられるようになる。思考も感覚も、全面的に鍛えられる。新しい友人ができ、新しい自分が生まれ、新しい地平線にむかって、どこまでもゆきたいと思うようになる。必修単位だけではなく、学部間共通外国語科目や海外提携校での短期語学研修、さらには長期海外留学にも積極的に挑戦し、21世紀の地球市民として、確実な力を身につけましょう。
外国語には第一外国語(必修)である英語と、第二外国語(必修)であるドイツ語/フランス語/中国語/ロシア語があります。

“学科の垣根を超える”

無学科混合クラス

外国語科目、健康・スポーツ学科目は所属学科とは独立した「無学科混合クラス」の形態で実施されています。各クラスには、すべての学科の学生が所属しているため、学科の垣根を越えて、さまざまな道を志す友人と出会うことができます。工学と理学が支えあう「理工学部」を象徴するのが「無学科混合クラス」なのです。

健康な生活を

健康・スポーツ学科目

大きなコートで運動する学生たち

健康的なキャンパスライフを送るために、自分の体力の現状を認識し、健康・体力を高めるための手段として、楽しく各種スポーツを学習する「健康・スポーツ学」と、自分の身体と対話しながらより深く理解し、生涯を通して楽しみながら行うことが目的である「スポーツ実習」(バレーボール、バスケットボール、テニス、サッカー、軟式野球、バドミントン、ゴルフ、卓球、ウォーキング、フィットネス、スキー・乗馬[集中授業]等)があります。

“人生100年時代に向けて”

健康・スポーツ学

全ての学生に“スポーツ”を楽しく学習してもらうために、幅広い運動レベルに寄り添った科目になっています。人生100年時代における健康寿命をテーマに、ご自身の身体と向き合い、さまざまな身体反応について学んでいきます。また、“スポーツ”を生活の一部として捉え、学生生活においていつもスポーツと触れることができます。

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  • 外国語科目
  • 健康・スポーツ学科目
学科を横断するプログラム総合文化教室
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