物事の“尺度”を身につける
社会人になって仕事や時間に追われる中、周囲に流されていく自分に気付き、大学院で勉強することを決意しました。大学院での研究テーマは“損害保険会社におけるリスク・マネジメント”、特に保険リスクの移転について研究したいと考えています。その背景には我が国経済活動の高度化、技術革新に伴い、社会環境が大きく変化する中、法人・個人を問わず、保険ニーズが高まっていることが挙げられます。保険会社自身が保有するリスクを効率よくマネジメントすることで間接的に社会の安定を支えるものと考えています。大学院では専門分野である保険理論、保険業界の概観を学ぶ一方、様々な角度から物事を考察できるよう、経済学、会計学、ファイナンス理論の基礎を幅広く勉強しています。専門性を習得し、自分なりの物事の“尺度”を身につけていきたいと考えています。 |
商学研究科
商学専攻 2003年度入学
鈴木 悦子 |
私の現在の研究内容について
大学院で研究活動をすることの最大のメリットは、効率的に自ら学び成長するための環境が充実し、期待以上に整えられていることだと思います。
研究室の授業はそのほとんどが小教室で行われますが、教授一人に対する学生の人数が少ないため、密度の濃い充実した内容のものばかりです。より身近に教授や知識の豊富な先輩方の貴重な意見を伺える機会が多くあり、その都度自分の未熟さを実感すると共に、次々と新しい知識を吸収することができ、成長するうえで非常に意義ある貴重な場といえます。また、共に勉強する仲間にも恵まれており、皆の志が高く上昇志向の環境に身を置くことで、互に刺激しあいながら知識を深め合っていくことができます。このように、様々な学習媒体がある中でも、周囲の「人」から多くを学び、研究に活かすことのできる、このすばらしい「人」環境が、大学院で研究活動をする上での大きな魅力の一つだと思います。また、院生専用の共同研究室やコピー室が設けられており、各自に専用のロッカーが配付されるなど、設備面での環境が充分に整えられていることも、研究を進める上で大変心強い支えになっています。
こういった環境面での院の魅力を最大限に活かし、研究活動をより充実したものにしていくためには、自発的・主体的な探究心を抱くことが重要になってきます。自主的な姿勢で取り組むことは、大学院での研究を学部での授業と隔する最も重要なポイントであり、自らの専門性を深めるためにも是非備えておくべき心構えだと思います。
私は現在、会計系列の経営分析論を専攻しており、主に「ストック・オプション制度」について、修士論文作成を最終目標に研究しています。ストック・オプションは人事政策と資本政策に影響することから企業経営に重要な制度であるといえ、具体的には所得区分や費用化問題等多くの課題を有しており、税法や商法など多角的な面からの考察が必要となります。実際に、研究室での授業を中心にそれらの課題への考察を深めており、自らの研究を基本にしつつ教授や先輩方の指導を受ける過程で、上記の大学院のメリットを強く実感しています。
研究に十分な時間を費やし、自らの価値を高めることのできる貴重な時間と環境を提供してくれる大学院に所属できたことは、今後長い人生を主体的に生きるうえでとても価値のあるすばらしい体験になっていくと思います。 |
博士前期課程
商学研究科 商学専攻2年
向山 佳子
Yoshiko MUKAIYAMA |
私の現在の研究内容について
私の専攻分野は「計量経済学」と「環境経済学」です。「計量経済学」とは経済理論に基づいて経済現象を定量的に分析する学問です。それにより政策効果の分析や経済予測を行うことができます。一方「環境経済学」は環境問題を経済学的視点から捉え分析する学問です。地球温暖化、ごみ問題、リサイクルなど、その対象が私たちの生活と密接に関連しているという点で関心が高まっている分野といえます。環境政策の面では、家電リサイクル法や自動車リサイクル法などの法制度が近年整備されてきています。
中でもごみ問題に注目すると、現在、日本の産業廃棄物最終処分場は残余容量が非常に逼迫した状況にあると言われています。そのため、廃棄物を排出する側である企業の排出削減努力や再資源化が進められています。一方で、不適正処理が環境に与える影響が甚大であることから、廃棄物をいかに効率的かつ適正に処理するかも重要な点となっています。
目下、私は「産業廃棄物処理業の行動分析」をテーマに論文を書き進めています。簡単にいえば、産業廃棄物処理業とは、企業の生産活動に伴って排出された廃棄物を処理・埋め立てる主体であり、循環型社会を形成する上で重要な役割を担っています。しかし産業廃棄物処理業の行動を経済学的視点から定量的に分析した研究はまだ少ないのが現状です。そのため、現在私は、利用可能なデータから、産業廃棄物処理業が生産要素を有効に利用し、需給に見合った処理サービスを供給しているのかどうかを定量的に分析し、環境政策の有効性を検討しています。
このような研究が、産業廃棄物処理業の実態把握に寄与し、循環型社会の形成に向けた環境政策の有効性をより高めるのではないかと考えています。末筆ながら、懇切な指導をして頂いている水野勝之教授、そして有益なアドバイスを下さる諸先生方に感謝申し上げます。 |
博士後期課程
商学研究科 商学専攻2年
南部 和香
Kazuka NAMBU |
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