イベントレポート

魅力ある社会をつくるための明治大学の次の一手を発信し、新しい「知」のあり方を探る「明治大学アカデミックフェス2018」が11月23日、駿河台キャンパス・アカデミーコモン、グローバルフロントを会場に開催され、学生、研究者ら1400人以上が来場しました。

メインステージとなったアカデミーホールでは、冒頭、土屋恵一郎学長が登壇し「明治大学が取り組む新しい研究の姿を楽しんでもらいたい」とあいさつがあり、続いて、「e-sportsはどう社会を変えるのか—〈ゲーム〉と〈スポーツ〉の相克をこえて—」が実施されました。世界的な隆盛の一方でデジタルゲームによる競技をスポーツと同列に捉えることへの社会的な反発など注目を集めるe-sports。野生の科学研究所の中川大地研究員を中心にゲーム・スポーツの専門家が集結し、e-sportsのある社会の未来についての道筋を探りました。

続いて行われた「『知』のリブランディング—人工知能時代の『人知』と『身体』、そして大学の意味を考える—」には、土屋学長、門脇耕三理工学部専任講師、評論家の宇野常寛氏が登壇しました。3氏は、情報技術の発展による社会のパラダイム、知的な機器が環境化する中での「人間」の意義、これからの社会でどのように学ぶかなどについて縦横無尽に話題を展開。宇野氏が「大学は人文知と工学知の交点であり、ジャンル越境的な知の場であるべき」と述べたのに対し、土屋学長は「人々や知識が集まり、私的利害から離れて、公共的な問題を議論できる最後の場が大学なのかもしれない」と答えるなど、知的好奇心を掻き立てるシンポジウムとなりました。

午後は、中林真理子商学部教授をコーディネーターとして、今年4月に設立した明治大学自動運転社会総合研究所の研究活動が紹介されました。さらに、地方社会の持続的な発展を推進する長崎県対馬市の産官学民の取り組みについて、比田勝尚喜対馬市長はじめ関係者らが発表し理解を深めました。

昨年に引き続き2回目の開催となった今回のアカデミックフェスではその他にも、「企業トップの考えるダイバーシティ・マネジメント」「学長杯三種混合e-sports大会」「産学連携による社会実装とSDGs」「明治大学のダイバーシティ&インクルージョンを考える」「世界の中の日本サッカー:ワールドカップ・ロシア大会を振り返りながら」など、文理の枠を超えた20のテーマについて、本学の教員がコーディネーターとなりプログラムが実施されました。

EVENT PICK UP!!

企業トップの考えるダイバーシティ・マネジメント

  • 11:30~18:40
  • グローバルフロント1F グローバルホール
  • コーディネーター:牛尾奈緒美

人種や性別、性的指向、障がい、年齢、能力や経験などによる違いを認めながら経営手法や人材管理などに活用する企業トップが、先進的な取り組みを紹介する「企業トップの考えるダイバーシティ・マネジメント」がグローバルホールで開催された。

当日は、第一生命ホールディングス(株)・第一生命保険(株)代表取締役会長の渡邉光一郎氏、(株)丸井グループ代表取締役社長の青井浩氏、(株)ポーラ代表取締役社長の横手喜一氏、アクセンチュア(株)相談役の程近智氏、(株)ミライロ代表取締役社長の垣内俊哉氏がそれぞれ登壇。牛尾奈緒美情報コミュニケーション学部教授がコーディネーターを務めた。

明治大学学長杯 三種混合e-sports大会

  • 12:00~15:30
  • グローバルフロント1F 多目的室
  • コーディネーター:飯田泰之

ゲームとスポーツが交わり合う「e-sports」は、プレーヤーはもちろん、試合を観戦できることも醍醐味の一つ。それを体感できるイベントとして、グローバルフロント・多目的室を会場に「学長杯 三種混合e-sports大会」が催された。

競技種目(ゲーム)は「鉄拳7」「ぷよぷよeスポーツ」「クラッシュ・ロワイヤル」で、自分の得意なゲームにエントリーし、3人一組のチームで対戦。明大生やプロのゲームプレーヤーなど学内外から参加者が集まり、大画面に表示された白熱の試合展開に歓声が上がるなど大いに盛り上がりをみせた。また、当日はYouTubeでライブ配信が行われるなど、「e-sports」の魅力と可能性を感じられるイベントとなった。

世界の中の日本サッカー/サッカーとエスニシティ

  • 16:30~18:30
  • アカデミーコモン9F 309B教室
  • コーディネーター:釜崎太

日本中が歓喜に沸いた今夏のサッカーワールドカップ・ロシア大会を検証するとともにサッカーとエスニシティについて考えるイベントが、釜崎太法学部准教授(教養デザイン研究科担当)のコーディネートのもと、アカデミーコモンで行われた。

第一部では、「世界の中の日本サッカー:ワールドカップ・ロシア大会を振り返りながら」と題して、日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏、スポーツジャーナリストの二宮清純氏に加え、土屋学長、体育会サッカー部の栗田大輔監督が登壇。田嶋氏は、大会直前で監督交代を決断した当時について「イチかバチかの決断ではなかった。人を信じることは改めて大切だということを感じた」などと振り返った。

ハーバード大学との共同研究シンポジウム

  • 13:00~16:20
  • アカデミーコモン2F ROOM-D(A5会議室)
  • コーディネーター:小林正美

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを機会にどのように東京が変わっていくのか、グローバル社会における東京の魅力は何かなど、ハーバード大学の研究者をはじめ国内外の社会学者や都市研究者、建築家らが集い、「Culture, Society and Space in Tokyo(東京の文化・社会・空間的様相)」をテーマにシンポジウムを行った。

明治大学からは理工学部の小林正美教授をコーディネーターとして、佐々木宏幸准教授、マニュエル・タルディッツ特任教授、ダビシ・ブンタム特任教授が参加。各人の研究発表に続いて、グローバルな視点で東京の魅力について意見が交わされた。

産学連携による社会実装とSDGs

  • 13:45~18:10
  • アカデミーコモン2F ROOM-E(A1会議室)ROOM-F(A4会議室)
  • コーディネーター:株式会社クリーク・アンド・リバー社

2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」。誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、明治大学の研究がどう貢献できるかを考える「産学連携による社会実装とSDGs」が行われた。

第一セッションでは、土屋学長とグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン代表理事の有馬利男氏、朝日新聞社マーケティング本部長の石田一郎氏によるディスカッション、続いてSDGsに取り組む明治大学の各学部の代表者によるプレゼンテーションが実施されるなど、問題解決のための応用、展開について議論を深めた。

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