カリキュラムの特徴
本学部の科目群は「クラスター」という概念に基づいて編成されています。クラスターとは、その原義である「房」のように、ひとまとまりになってそれ自体完成した一つの小宇宙を構成しながら、枝、幹を通じて他のクラスターと密接な関連を有しつつ、全体として「樹」の不可欠な部分となっている。
そこで各クラスターは入門・初級科目から応用・展開科目へとクラスターの内部で自己完結的に高度な学問体系を構成しつつ、他のクラスターと有機的連関を保つよう構成されています。
「情報メディアクラスター」および「言語クラスター」は、リテラシー的技能を基盤にした科目群です。これに対し「社会・人間クラスター」は、問題発見・分析・解決的色彩を有する科目群です。
社会・人間クラスターのうちの情報社会系科目は、総体としての情報社会の特徴や性格、情報社会にとくに顕著な現象や問題、またそれらが社会の構成要素である個人や組織の情報コミュニケーション行動にどのような影響を及ぼすかという観点を取り扱います。
人間コミュニケーション系科目は、社会の構成要素である個人・集団・組織相互間のコミュニケーションの意義やプロセス、コミュニケーション行動を規定する多様な文化的背景とそれによって生起する問題、そして社会的コミュニケーションが社会全体の変動や変革にどのような影響を及ぼしうるかという観点を取り扱います。
複合系科目は、このような社会全体とその構成要素間のフィードバックも考慮に入れた複合的な相互作用、つまり情報コミュニケーションのネットワークによって構成されている現代社会の本質を総合的に捉え、そこにおける情報コミュニケーションの意義と役割を中心に取り扱います。
その他、問題発見・問題解決型教育の実践となる「ゼミナール科目」、総合的な心身の健康を身につけるための「ウェルネス」、職業意識を自覚した人材の育成を目的とする「インターンシップ関連科目」を設置しています。
科目一覧
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ゼミナール
科目 |
社会・人間クラスター |
情報社会系
科目 |
複合系
科目 |
人間コミュニケーション系
科目 |
1
年 |
基礎
ゼミナール |
情報社会入門
情報倫理
情報文化論
情報検索論 |
情報コミュニケーション論A/メディア・リテラシー/科学技術と人間/社会心理学
I II/心と認知の科学 I II/生命・情報・環境/生命倫理/哲学/犯罪と法 I
II/ジェンダーと法 I II/統計学 I II/マクロ経済学/ミクロ経済学/近・現代史
I II/文学A/文学B/日本事情 I AB/日本事情 II AB/先端講座 |
人間コミュニケーション入門
I II/異文化理解/異文化適応/非言語コミュニケーション/身体コミュニケーション |
2
年 |
問題発見
ゼミナール |
情報社会と法
情報社会と教育A
情報社会と教育B
情報社会と経済
情報社会研究法
都市情報論
アカウンティング論 I II
認知情報論 |
メディア論/社会学/社会調査法A/社会調査法B/ネットワーク社会論/リスク社会論/コミュニティ論/人類学A/人類学B/環境と社会/市民社会と法A/市民社会と法B/ビジネスと法A/ビジネスと法B/経済発展論
I II/経営学/政治学/宗教学/国際関係論/地球市民をめざす(総合講座)/日本事情
I AB/日本事情 II AB |
ジェンダー・コミュニケーション
I II/共生社会とコミュニケーション I II /説得コミュニケーション/交渉コミュニケーション/対人コミュニケーション/小集団コミュニケーション/コミュニケーション思想史 |
3
年 |
問題分析
ゼミナール |
情報組織論
情報社会と出版文化
情報社会と芸術文化
情報行動論
不確実性と情報の経済学 I II
金融システム論 I II
e-ビジネス
情報産業論
情報と職業
情報法
情報政策論A
情報政策論B
知的財産法 |
国際協力ネットワーク論/マスコミュニケーション
I II/環境マーケティング/環境政策A/環境政策B/公共政策A/公共政策B/行政法と行政過程
I II/コーポレート・ガバナンス I II /人権政策/人権と憲法 I II/現代型犯/と刑法
I II/少年犯罪と法/紛争解決システム論 I II/ユニバーサルデザイン/意思決定論
I II/財産と法 I II/家族と法 I II/ジェンダー・マネジメント I II/女性労働の歴史
I II/ジェンダーを考える(総合講座)A/ジェンダーを考える(総合講座)B
※4年のみ
情報コミュニケーション論B |
異文化間コミュニケーションA/異文化間コミュニケーションB/比較文学・比較文化A
I II/比較文学・比較文化B I II/組織コミュニケーション I I/国際コミュニケーション
I II/法コミュニケーション/政治コミュニケーション/政策コミュニケーション/環境コミュニケーション |
4
年 |
問題解決
ゼミナール |
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情報メディア
クラスター |
言語
クラスター |
キャリア
デザイン |
ウェルネス |
1
年 |
情報リテラシー入門
情報リテラシー
数理リテラシー
論理リテラシー
アルゴリズムとプログラミング
ネットワーク技術 I |
英語A
I II
英語B I II
フランス語A I II III IV
フランス語B I II III IV
ドイツ語A I II III IV
ドイツ語B I II III IV
日本語A I II
日本語B I II
語学演習(英語) I II
日本語表現 I II |
キャリア
デザイン |
ウェルネスA
ウェルネスB |
2
年 |
ネットワーク技術
II III
データベース実習 I II
マルチメディア
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英語A
III IV
英語B III IV
フランス語A III IV V VI
フランス語B III IV V VI
ドイツ語A III IV V VI
ドイツ語B III IV V VI
日本語A III IV
日本語B III IV
語学演習(英語) III IV
日本語表現 III IV |
インターンシップ入門 |
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3
年 |
データによる実証分析
I II/コンピュータグラフィックス/情報システム論/ネットワーク技術 IV |
言語圏コミュニケーション
I II
言語音声学
言葉の文化と歴史 |
インターンシップ |
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4
年 |
情報デザイン論
デジタルプレゼンテーション |
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「コース制-について」
情報コミュニケーションという新たな視点に立脚し、本学部の教育目標である社会科学を中心とした学際的アプローチを実現するために、「社会システムと公共性コース」と「組織と人間コース」の2コースを設置しており、2年次からコースに分かれて学びます。「社会システムと公共性コース」では情報コミュニケーションについて情報社会に力点をおいて学び、「組織と人間コース」では人間コミュニケーションに力点をおいて学びます。
教員からのメッセージ
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日常生活に潜む矛盾 |
教授 吉田恵子
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“最近の若い人の言葉遣いは!”と思うことがよくあります。恥ずかしながら我が娘は自分のことを僕、僕と言い、それに応じて言葉も荒く、親としては頭痛の種でした。が、最近、鹿嶋敬氏の「日本の女言葉には命令形がない」という文章に出会ったのです。そこにはさらに、「(女性が)いざという際、戦う言葉を持っているのといないとでは、誇りも気構えも違ってくる」という劇作家永井愛氏の言葉も引用されており、なるほどと思いました。日常生活に潜む矛盾を、娘の方が無意識とはいえ、敏感に感じ取っていたのかもしれません。このような無意識に捉えている矛盾を、一つの問い直すべき問題として明らかにしていく、そんな試みを一緒にしていきませんか。 |
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