商学研究科シニア学生 初・レポート
明治大学大学院商学研究科(博士前期課程)では、職業経験豊かな60歳以上の定年退職者を対象として、2012年より特別入学者選抜を実施しています。今回記念すべき第1期生となったシニア学生さん5人がインタビューに応じてくれました。
■60歳を過ぎてから学生に戻る事を決めた動機を聞いてみると
寺田さん 「38年間勤務した会社で経営の仕事をしてきたけれど、退職して今までの経験が何かに活かせないかと思ったときに新聞で入試の広告をたまたま発見。それをきっかけに発奮して受験を決意しました」
関根さん 「40年間、編集・記者活動を経て社会の方々から教えてもらった事は沢山あったけれど、それを整理したいと思ったので」
保浦さん 「25年間、外資系のマーケティングをやっていた。以前からアメリカのマーケティング本で独学していたが、日本ではどういう考え方なのかと疑問に思い、実務でなくアカデミックな観点から研究したいと思ったから。また大学生時代は学生運動で荒れていたし実際学校に通う事があまりできなかったので、また改めて学校生活を味わいたいと願っていた気持ちも後押しの材料になった」
山本さん 「1969年にスーパーマーケットに入社して、それを一筋でやってきた。昔は何もかも初めてな事ばかりで仕事は全て我流でやってきたので、一つの事を改めてじっくり研究したいと思っていた」
竹内さん 「明治大学の商学研究科シニア学生の募集を見てピンときた、今まで航空会社の営業で働いてきたので瞬発力が勝負の営業とは真逆のロジスティックな部分を追求したいと願っていた自分にピッタリだと思った。また高校3年~大学まで、保浦さんと同じく学生運動で学校に行けなかったのも、もうひとつの理由」
再び学生になって未だ2ヶ月ですが、只今の心境は?と聞いてみると、みなさん口を揃えて、授業についていく事は大変だとおっしゃっていました。それと同時に、こんなに頑張っている自分にもびっくりしているという声もありました。また、考え方のまったく違う若い世代や海外留学生と共に勉強していく事は、彼らの質問でさえ新鮮で非常に感心することもあるそうです。長年社会で培った経験や知識を持つシニア学生さんたちは、きっと若い学生にも人生の先輩として素晴らしい刺激になっていることでしょう。
これから今まで日本の経済を支えてきた方々にしか表現できない「論文」をつくり次世代へ伝承されていくことに期待しています! みなさんまだまだこれから、今後も「研究」がんばってください!
写真上段左・関根房雄さん(65歳) 上段右・寺田良夫さん(63歳)
写真中段・保浦卓也さん(64歳)
写真下段左・竹内正実さん(60歳) 下段右・山本和孝さん(65歳)