総合政策研究所の使命は、第一に、政治経済学部のもつ多様な知的資産を基礎に可能な限りの社会的貢献を行うこと、第二に、学生の就職、資格試験、その他の職業選択をサポートすることにあります。現在、社会的貢献を目的とする研究組織は「行政研究室」「地域産業研究室」「NPO研究室」「国際行政研究室」の4研究室があり、学生も大学院生等ととともにさまざまなかたちでこれらの活動に協力・参加しています。また、学生の就職・職業選択のサポートの面では、「行政研究所」「基礎マスコミ研究室」があり、専任教員や多彩な外部講師陣が学生指導に当たっています。
基礎マスコミ研究室 … 嘱望される人材を実学指導 |
マスコミ志望の学生を最後までサポートする指導研究組織です。建学の精神である「市民的な実学主義」を1年生から4年生まで一貫して指導します。研究室の扉は、熱く燃える学生に開かれています。
マスコミ受験に必要な時事問題、文章力、さらにマスコミ企業の個別情報を指導するカリキュラムを用意しました。一流のマスコミ人に講師を委嘱。全国紙、通信社、出版社、テレビ局、広告代理店の第一線で活躍のマスコミ人が、ホットなニュースを素材に講義します。研究指導もさることながら、室員自身が自己研鑽し合う場でもあります。
★和泉校舎★
講義は時事講座、文章講座、ほかに「徹底研究」と呼ぶジャンル別の特別講座を設け研究指導しています。マスコミ実態を正しく理解してもらうことがねらいです。指導対象のジャンルは新聞、出版、テレビ、広告の4分野です。徹底研究はドラマ制作、ドキュメンタリー制作、アナウンサーに細分化されます。マスコミ現場で活躍するベテランマスコミ人がアドバイザーです。
★駿河台校舎★
受験まで数カ月に迫ったマスコミ受験の直前指導がねらいです。時事講座、文章講座、専門講座のほか、マスコミ企業の個別情報と就職相談も用意してあります。 |
行政研究所 … 公務員試験受験を目指す(旧:行政研究指導室) |
大学を卒業することを一般に「社会に出る」と表現しますが、社会性のある職業として挙げられる代表格に公務員があります。最近は汚職や公共事業の口利きと批判が多いことも事実ですが、こうした例外を別にして仕事の本来の内容を見れば、公務員は「公共性」があって「社会貢献」でき、そして「非営利」と、現代社会のトレンドの最先端を行く職業なのです。それゆえに、公務員になる「入り口」には厳しい競争と厳格な人格判断が課されているのです。
公務員は大きく分けて国家公務員と地方公務員とに分類され、大学卒業者は一般的に国家公務員のT種職またはU種職、地方公務員の上・中級職に就くこととなります。また、この他に、国税専門官や外務公務員等専門職特有の試験も存在します。
このような公務員を目指す諸君のために、40年以上の歴史をもつ行政研究所(行研)が設置されており、今や多くの卒業生が国や地方、そして各界で活躍しています。行研では1・2年次の春に入室試験を行い、合格した20〜30名の学生には、国家T種試験の合格を目標に、担当教員による講義や上級生による指導が行われています。特に3年次になると憲法、民法、経済学、財政学など、より専門的な科目を中心に講義が行われています。
公務員は長く安定して働けることから、近年は志願者が激増する傾向にあります。その結果、合格・採用が年々難しくなっており、その意味でも試験対策に早期から取り組むことが重要になってきています。行研では、通常の講義に加えて3年次の夏休みと4年次になる時の春休みを利用し、徹底した「公務員試験講座」(セミナー)も開催しています。 |
地域産業研究室 … 地域産業の発展を担う人材育成 |
地方分権が急速にすすんでいますが、地域産業の活性化がなければ本当の地域の時代を実現することができません。地域経済社会の発展には、地域経済や地域産業に強い関心を持ち、創業者となり経営者として、活力ある企業の従業員として、地域中小企業を支援する自治体や機関の職員として、その地域で能力を十分に発揮する人材の育成がもっとも重要です。
この研究室では、地域の時代を切り拓く地域にふさわしい産業はなにか、どのような人々が地域産業を動かすのか、などの研究に力を入れています。2002年度より文部科学省オープン・リサーチ・センター整備事業として「地域産業発展のための企業家、実業家、行政マン等育成のための研究プロジェクト」の研究課題で、文部科学省と本学の助成を受けて5年間にわたる大型研究を実施しております。
このプロジェクトでは、課題に関連するゼミナールの学生諸君の参加と協力で、国内各地の産業集積地に出向き企業のヒアリング調査などフィールドワークを頻繁に行っております。社会と接点を持つ実践的な活動ですので緊張感もひとしおで、参加学生の研究意欲が向上しています。また、公開を前提とする報告書を作成しますので、論理力やプレゼンテーション力が身に付くなど多くのメリットがあります。このプロジェクトを進めるなかで、地域人材育成プログラムやe-learningシステムを開発し、研究室でも実際に人材育成を行うことにしています。 |
NPO研究室 … 市民事業の発展をバックアップする |
経済と社会のグローバリゼーションの進展にともなって、私たちの社会は新しいさまざまな問題に直面するようになってきました。例えば、市場経済のグローバル化は、「勝者がすべてを手に入れる」(Winner
takes all)という現象を生みだし、国家間、地域間、コミュニティ間、それに個人間に大きな格差をもたらしています。このような問題に私たちの社会が対処し、解決を図ろうとするとき、これまでのように営利企業と官僚制にだけ依拠していくのであれば、おそらく問題解決の方向性さえも見いだせないでしょう。
グローバリゼーションは、一方で「モノ・ヒト・カネ」の自由な展開を必然化させますが、他方で私たちに「国境を越える」こと、地方やコミュニティの経済と社会の再生と発展に関わりあうことをも求めてきます。そうしなければ私たちの生活それ自体が成り立っていかなくなるからです。私たちが「国境を越える」ことは、国家間の、また地域間の格差に喘いでいる人たちに手を差し伸べる多元主義的行動であって、主にNGO(非政府組織)がこれを担います。そして地方やコミュニティの再生と発展にはNPO(非営利組織)がその任を負い、人々の生活の基礎を担う「市民事業」を展開します。本研究室では、NGOを含めて、このような「市民事業」をバックアップする方法を研究します。また学生のためのインターンシップも「市民事業のバックアップ」という立場から推進していきます。 |
国際行政研究室 … 現代社会における行政と市民のあり方 |
グローバリゼーションの急速な進展のなかで、教育・研究の場における国際的な接触が、ますます顕著になりつつあります。すでに、本大学院研究科においても、マレーシアよりの国費留学生や、国際協力事業団の研修制度による海外からの留学生を受け入れ、我が国の大学教育における、その国際的な教育・研究活動の一翼を担っています。さらに、COE(センター・オブ・エクサレンス)の認定に見られるように、今後、世界レベルでの研究を進めるためには、国際的な視点にたった研究連携が不可欠で、かつその実現が喫緊の課題となりつつあります。すなわち、国際交流のレベルを超えた国際共同活動の時代における新しいパラダイムが求められているのです。
こうした背景のもとに、「国際行政研究室」では、本学部での国際的な活動経験を持つスタッフを中心として、国内外の行政にかかわる研究者、行政担当者はもとより、学際的な分野で今日的な諸研究を行っている人々や、政府に頼らぬ第三の分野を築きつつあるNPO・NGOの人々等との協力や連携を行いながら、これからの社会に必要とされる行政と住民のあり方を模索する作業を開始しています。すでに、その具体化のために、国際研究・協力に関わりをもつ日本、海外の諸機関および研究機関等からの研究費を得ることによって、ナレッジ・マネージメントを実践し、本学における教育・研究の質的向上と、あわせて知的分野における社会的貢献のための拠点構築を目指した活動を押し進めています。 |
その他の研究室 |
※政治経済学部がバックアップする「研究室」の他に、本学には次の研究室があります。
○法制研究所 |
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将来、判事・検事・弁護士を志望する者に対して、専門及び基礎的学科の学習を指導し、司法試験の合格をめざす。 |
○経理研究所 |
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公認会計士等の簿記・会計に関する資格試験の受験指導。日本商工会議所主催簿記検定試験の受験指導。 |
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