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ご挨拶

大六野 耕作

明治大学 学長大六野 耕作

明治大学は2031年に創立150周年という大きな節目を迎えます。その時、本学はどのような大学になっているのでしょうか。

周知のように、経済活動のグローバル化は歴史上まれに見る豊かさをもたらす一方で、エネルギー問題、地球温暖化、富の不平等、グローバルな感染症拡大など、国や地域を超えた深刻な問題を生み出しました。富の不平等は「異論の存在」を許さない権威主義の台頭につながり、感染症は人類の生存そのものに対する深刻な脅威になりつつあります。

いま、大学はこうした人間の生存と尊厳を脅かす問題に向き合い、これを解決する技術・システム・思想・知恵を生み出すという重大な役割を担っています。「権利自由」「独立自治」を建学の精神とする本学は「人間が人間として生きるに値する平和で持続可能な社会(世界)」の創出を目指す研究・教育拠点でなければならないと思います。

こうした認識から、2019年12月に教学長期ビジョン「グランドデザイン2030」を発表しました。基本コンセプトは、「前へ-『個』を磨き、ともに持続可能な社会を創る-」で、これは、本学の建学の精神である「権利自由」「独立自治」の現代的表現に他なりません。

140周年記念事業は、こうした教学長期ビジョンを実現する第一歩として企図されたものです。記念事業はさまざまありますが、その一つに「さよなら和泉第二校舎」があります。60年もの長きにわたって和泉キャンパスを見守ってきたこの第二校舎は、当時の主流であった耐震力学重視の建築思想から距離をおき、自らの理想であるモダニズム建築を追求した堀口捨己(理工学部教授)の設計によるものでした。時代の潮流に流されず、自らの理想を貫いた堀口捨己の生き方は、まさに明治大学の建学の精神を体現したものであったといえます。

この第二校舎は2022年春、新たな最先端の教育棟「和泉ラーニングスクエア」に取って代わられますが、その設計思想には、学生が自らのテーマにしたがって他の学生や教員と共に学ぶ共創空間(ラーニング・コモン)の創造という思いが込められています。当初予定していた記念事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、中止または形態を一部変更して実施することを決定し、第二校舎等の記録として、ドローンや360度カメラを活用した取り壊し前の映像記録やVR映像を作成しています。

この他にも、ウイルスの感染拡大防止に細心の注意を払いながら、数多くのイベントが予定されていますので、在学生、教職員、校友、ご父母の皆様、是非、140周年記念イベントにご期待下さい。