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ご挨拶

柳谷 孝

学校法人明治大学 理事長柳谷 孝

明治大学は、封建社会であった江戸時代が終焉し、社会構造が大きく変化した激動の時代に産声をあげました。フランス法を学んだ岸本辰雄先生、宮城浩蔵先生、矢代操先生が、日本の近代化に不可欠な「法学」を普及させ、新しい世を作らんと、1881年に「明治法律学校」を設立しました。爾来、「権利自由」「独立自治」を建学の精神に掲げ、変革する社会情勢や時代の要請に応え得る有為な人材を輩出し続け、2021年1月17日に本学は創立140周年を迎えました。58万人にのぼる卒業生の方々が各界で活躍し、今日、本学が広く社会から認知され、高い評価を得ておりますのも、皆様方からの日頃よりのご理解とご支援の賜物であると存じます。学校法人明治大学を代表して、厚く御礼を申し上げます。

ところで現在、日本では少子高齢化や総人口の減少局面を迎える一方、世界に目を転じますと、国連推計では現在の79億人といわれる世界人口から、2050年には97億人へ増加すると予測されています。こうした状況により、地球温暖化などの環境問題に加え、水や食糧、エネルギーなどの資源問題も深刻さを増してゆくことでしょう。また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に見られるように、発生確率が高く大きな問題を引き起こすものの普段見逃されているリスク「Gray Rhino」(灰色のサイ)や、事前に発生を予想できないものの発生すれば甚大な影響を及ぼすリスク「Black Swan」(黒い白鳥)など、重大な脅威が実際に現実化し、短期間のうちに世界規模で影響が広がる事態も現れています。

そのような時代に生きる今の学生達には、地球市民の一員として、国を超えて多様な繋がりを築き、知を共有し、相互に連携を深めてゆくことが一層期待されてゆくことでしょう。本学は、グローバルな流れが加速する社会において「世界の中の日本」そして「世界の中の明治大学」という視点を強く意識して、アジアのトップユニバーシティの一角を担うべく、国際化を軸とした教育研究の質的向上を推し進めてゆくための環境整備に力を入れています。

その一環として、海外からの受入留学生と地方出身の日本人学生が共に生活し学ぶ場である国際混住寮「明治大学グローバル・ヴィレッジ」を2019年3月に竣工し、キャンパス内でも多様な学生達による国際コミュニティが形成され、新しい交流の姿が見られるようになりました。さらに創立140周年記念事業の一つである「和泉ラーニングスクエア」の建設も進んでおり、2022年3月にはアクティブラーニングやハイブリッド型授業をはじめとする次代の教育を牽引する拠点校舎が誕生します。

皆様方におかれましても、140周年を迎えた明治大学の「今」に触れ、その魅力を再発見していただくとともに、本学の目指す将来像に共感いただけますことを切に願っております。

これからも明治大学が、未来予測が困難な社会に、多様な「個」を磨き、自らの道を切り拓いて逞しく「前へ」と進むことのできる人材を育成してゆくために、格別のご支援とご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。