4月11日(水)、駿河台キャンパスで、2012年度文学部客員教授に就任した唐十郎氏の初講義「演出論A」を突撃取材してきました。
唐十郎氏は本学文学部出身で、劇作家、演出家、小説家、俳優などさまざまな肩書を持ち、演劇界の重鎮として文化・芸術において、世界的にも高い評価を得ています。2006年には明治大学特別功労賞も受賞しています。
この日は、唐十郎氏の講義を聴講しようと多くの学生が参加し、立ち見が出るほどの超満員でした。教室内には唐組の舞台でも使うであろうテントが張られ、独特な空気感が漂う地下劇場の中のような雰囲気に包まれました。
唐氏の活動紹介映像が流れた後,唐氏が座布団を抱えながら三つ編みにマスクを片耳にかけたいでたちで床を這いながら登場。いきなりの唐ワールドに学生たちも一気に引き込まれていきます。テントの中に入り、ご自身がお気に入りの「サーカスの歌」を熱唱。抑揚をつけながらも伸びのある声はさすが現役の役者そのものです。
その後、机の上に置いた座布団の上にノートを置いて、講義がスタート。唐氏が20代のころに書き上げた『少女仮面』(1970年 岸田國士戯曲賞受賞作品)を朗読しました。
「演出論A」では、唐氏が手がけた数々の戯曲をとりあげ、その演出について具体的に解説する講義を展開します。さまざまな映像資料を活用しながら美術・音響・照明を含め、演出の方法と戯曲の思想との関係性を講じていくそうです。
これから始まる授業に、学生の皆さんも唐氏の放つパワーに圧倒されるかもしれません。まさに頭で学び、心で感じる唐氏の実験的講義が幕開けしました。