地球温暖化やエネルギー問題など、環境を取り巻くテーマが国際会議でしばしば取り上げられる ようになってきた。さらに、その対策として、技術開発や法整備も急速に進んでいる。地球規模 での持続可能な社会の構築に向け、法学部長と理工学部長が対談した。
高地 法学部には環境法が専門の先生もいますし、特許や知財が専門の先生もいます。理工学部の先生と協力すれば、一定の成果が出せる分野だと思います。
三木 とりわけ環境問題は、様々な分野が関わってきます。技術開発だけではなく、政策の問題もあります。そういう意味では、学際的な協力ができる分野だと思います。研究室単位ではなく、いろいろな研究者、さらには大学や国レベルで連携しなければならない研究になるでしょう。
高地 社会のグローバル化が進んでいます。外国企業との紛争などが起こる可能性もあります。外国の知識を持ち、外国語を駆使する国際的な弁護士も必要となるでしょう。もはや、日本国内の法律を学ぶだけの時代ではありません。法学部では、国際的視野を持った学生を育てることに力を入れています。
また、法律は人間が対象です。人間の欲望を調節するのが法律学という学問ですから、人間そのものを知らなくてはいけません。日本人に限った話ではありません。人を理解するためにも人間性に力を入れた教育を行っています。
三木 理工学部でも、国際的に活躍できる人材育成に力を入れていきます。昔はそれほどではありませんでしたが、今や理工系も語学ができなければ世界の動きについていけません。
また、昨今の技術の進歩には著しいものがあります。そのため、最先端の技術だけを勉強していても、次の新しい技術に対応できなければ困ります。そのためには基礎が重要です。特に学部教育では、基礎教育に力を入れ、科学技術立国としての日本を支える人材を育成しています。