地球規模で世界に貢献する明治大学の人材育成

- 学部の垣根を越えた、学際的な研究も求められそうですね。

高地 法学部には環境法が専門の先生もいますし、特許や知財が専門の先生もいます。理工学部の先生と協力すれば、一定の成果が出せる分野だと思います。

三木 とりわけ環境問題は、様々な分野が関わってきます。技術開発だけではなく、政策の問題もあります。そういう意味では、学際的な協力ができる分野だと思います。研究室単位ではなく、いろいろな研究者、さらには大学や国レベルで連携しなければならない研究になるでしょう。

- 世界で活躍する人材の育成についてお聞かせください。

高地 社会のグローバル化が進んでいます。外国企業との紛争などが起こる可能性もあります。外国の知識を持ち、外国語を駆使する国際的な弁護士も必要となるでしょう。もはや、日本国内の法律を学ぶだけの時代ではありません。法学部では、国際的視野を持った学生を育てることに力を入れています。

 また、法律は人間が対象です。人間の欲望を調節するのが法律学という学問ですから、人間そのものを知らなくてはいけません。日本人に限った話ではありません。人を理解するためにも人間性に力を入れた教育を行っています。

三木 理工学部でも、国際的に活躍できる人材育成に力を入れていきます。昔はそれほどではありませんでしたが、今や理工系も語学ができなければ世界の動きについていけません。

 また、昨今の技術の進歩には著しいものがあります。そのため、最先端の技術だけを勉強していても、次の新しい技術に対応できなければ困ります。そのためには基礎が重要です。特に学部教育では、基礎教育に力を入れ、科学技術立国としての日本を支える人材を育成しています。

法学部
 社会秩序の維持を目的とする法律は、より複雑化し混迷する現代社会のあらゆる場面において欠かせないものである。法学部ではそのような様々な状況に応じたリーガルマインド(法的思考能力)を養い、法的な視点から多角的に物事を捉えることが可能な人材の育成に取り組んでいる。
 学部には5つのコースを設置し、法律専門家を養成する「法曹コース」をはじめ、企業法務を中心に勉強する「ビジネスローコース」や、身近な生活や日本を変えたいという志を持った人材を育成する「公共法務コース」、国連職員やグローバル企業での活躍を目指す「国際関係法コース」、さらには近年の情報化社会の法律問題を学ぶ「法と情報コース」に分かれている。学生の中には法曹のプロフェショナルを目指して法科大学院へと進学する者や、海外の提携校へと留学する者も多数おり、卒業後の活躍の場は多岐にわたっている。
理工学部
 社会が急激な変化を続けることで生じる様々な諸問題に対して、今日の科学技術者・研究者に求められているのが問題解決力だ。彼らに与えられた「いかにして人々の幸せを実現させるか」という課題に対して、柔軟な思考と創造力は必要不可欠である。理工学部では個々が自立し、高度な専門知識と幅広い教養を基にして、未来を切り拓き、科学技術における先導者となる人材の育成に取り組んでいる。
 「電気電子生命学科」「機械工学科」「機械情報工学科」「建築学科」「応用化学科」「情報科学科」「数学科」「物理学科」の8学科から構成され、現在は約900名もの学生たちが学んでいる。また、学部と大学院が一体となった充実した教育・研究環境も整っており、6年一貫教育で科学技術のスペシャリストを目指す意欲的な学生たちは年々増え続けている。大学院博士課程に、今年は約4割もの学生が進学した。