
- 最後に、これから社会に向けて、どのような人材を送り出したいかお話しください。
小笠原 先ほどの寛容に繋がりますが、異なるものに対してイメージする力を持った人材育成を行っています。もう一つ、経営学部では、率先性を意識して多くのことに取り組んできました。学生にも率先して行動することを強調しています。
細野 学際的な取り組みが多い学部ですので、一つの専門分野に縛られず、現在の状況に目配りして見極めができる学生が多いと思います。しかし、今の時代にとらわれ過ぎている面もあります。伝統や歴史といった過去からの繋がりを踏まえた上で、今に目を向けることのできる人材を育てていきたいと思っています。比較的、マスコミやメディア関係に進路を希望する学生が多いので、様々なことに興味を持っている学生が多いのはいいのですが、空間的にも、時間的にも視野を広げ、さらにその中から、自分で問題を発見して、その解決のプロセスを探っていける人材を育てていきたいと思います。
林 教育目標にもある、充分な専門知識を持った幅広い教養人を育成していきます。自分の考えを持ち、人に説明できる能力が必要だろうと思います。その前提として、身の回りの情報を整理して、評価する力が必要です。また、小笠原先生の寛容に似ていますが、謙虚であるべきだと思います。自分が知っていることが唯一の価値判断の基準ということはありません。多様な価値基準を持っている人々の考えを聞き、理解する心を持つという意味での謙虚さです。それによって、自分を成長させる姿勢を持った人材を育てたいと思います。
- 経営学部
- 日本の私立大学の経営学部において最も長い歴史を有し、経営学教育のフロントランナーとして知られている。「経営学科」「会計学科」「公共経営学科」の3学科による潤沢な科目編成によって、現代社会において重要な役割を果たす組織経営体の実像を学ぶ。日本・アメリカ・ロシア・中国・ヨーロッパ諸国の国別及び地域別の経営を学べる専門科目などがあり、名称こそ経営学部であるが、その実質は国際経営学部として、国際化への取り組みを進めている。2009年度から「英語で学ぶ専門科目」も大幅に充実させ、グローバル経営を学ぶ環境を整備している。
また実践的に経営を学ぶ手段として、インターンシップや課外調査実習を行うフィールドスタディと呼ばれる科目がある。このプログラムは、今年度の教育GPにおいて「知恵創造型人材の育成」として採択されており、これからの経営学部の基本的な教育スタイルとして確立させていくことを目指している。
- 文学部
- 教育目標である「充分な専門知識を身につけた幅広い教養人の育成」は、日本や諸外国の文学、文化、言語、地理、社会、心理など、コトバを中心とした人間の営みとその歴史に触れ、人としての在り方や、社会の在り方について理解を深めることによって行われている。今、現代人に求められているのは、ビジネスや研究に役立つ外国語だけではなく、国際理解や、地球上のあらゆる他者との共生という考え方である。これらは錯綜した現代社会や国際社会を生き抜く上で非常に重要な考え方であり、「文学科」「史学地理学科」「心理社会学科」の3学科、それが13の専攻及びコースに細分化されている文学部では、様々な視点から国際的な知見を身に付けることが可能である。多くの学生たちは海外へと目を向け、留学を希望する者も少なくない。今後は海外の大学との学部間協定を進め、留学生と学生の交流が活発に行える環境の整備に着手している。
- 情報コミュニケーション学部
- 2004年に開設された新しい学部である。高度情報社会は社会のIT化とグローバル化に支えられて進展を続け、我々の生活に光と影の両面をもたらしている。本学部では、こうした現代社会の変化を認識し諸問題の分析を通して社会の本質を探究することを目指して、各分野からの多面的・総合的なアプローチによる問題発見・問題解決型の教育を行い、人間の多様性を理解して共生社会を築いていける人材を育成することを目標としている。こうした理念を実現するため、情報をそれが生成され機能していくコミュニケーションの場と一体化して捉える「情報コミュニケーション」という概念を提起した。それに基づいて「社会システムと公共性コース」「組織と人間コース」「言語と文化コース」「メディアと人間コース」という4つのコースを用意し学際的な展開をしている。近く、これからの男女共生社会のあるべき姿を探る「ジェンダーセンター」を開設する予定である。