明治大学社会科学研究所は、このたび、140周年記念事業の一つとして、公開シンポジウム「ジョブ型と日本企業」を開催します。
「ジョブ型」雇用がメディアを賑わせています。グローバル化や技術革新など日本企業を取り巻く経営環境が急速に変化してきており、戦後の日本経済を支えた終身雇用制度が揺らいでいます。それへの返答が「ジョブ型」雇用であると言えます。これは、欧米企業で一般的な雇用形態です。「ジョブ型」雇用は、経団連の故中西前会長が繰り返し触れたことと新聞等で「ジョブ」型人事導入に関する記事が頻繁に取り上げられたため社会的に注目を集めていると言えます。
「ジョブ型」雇用は、国内市場が縮小していく中での生き残りを模索せざるを得ない企業からのみならず、「メンバーシップ(組織帰属)型」の特徴である新卒一括採用前提の年功序列に基づく一律入社年次管理制度に疑問を抱く大学生やコロナ禍でのリモートワークにより加速された働き方の多様化を経験した働き手からの要望でもあるのではないでしょうか。
本シンポジウムでは、本領域研究における第一人者の識者4名にお集まりいただきます。まず、欧米での「ジョブ型」雇用の定義・理解することなく表層的な議論に流れがちな現在の「ジョブ型」雇用議論の整理をし、欧米での「ジョブ型」雇用とはどのようなものであるかを理解し、その導入を考えるに、果たして効果のある日本的な「ジョブ型」雇用制度はありうるかを多面的に議論したいと思います。
日時 | 2021年11月20日(土)13:00~17:00 |
---|---|
開催方法 | オンライン(Zoomミーティング)受講料無料(要参加登録) |
申込受付 | 明治大学社会科学研究所ホームページで事前の参加登録が必要です https://www.meiji.ac.jp/sha_ken/kouen/sinpojiumu.html 10月26日(火)~ ※定員になり次第受付終了 |
定員 | 300名(先着順) |
内容 | 開会挨拶 13:00~ 村田 潔(明治大学社会科学研究所長) 講 演 13:10~15:25 ・労働法からみたジョブ型雇用 濱口 桂一郎(労働政策研究・研修機構研究所長) ・日本型人事制度がどうみてもおかしいと感じる3つのポイント~JOB型騒動の根源にあるもの~ 海老原 嗣生(大正大学表現学部特命教授) ・もしかしてジョブ型労働市場ってこれですか? 神林 龍(一橋大学経済研究所教授) ・ジョブ型と正社員制度 ―合成の誤謬?― 山西 均(文京学院大学外国語学部准教授) パネルディスカッション 15:40~ 〈総合司会〉 小笠原 泰(明治大学国際日本学部教授) |
講演者プロフィール | 濱口 桂一郎氏 労働政策研究・研修機構研究所長 専門:労働法政策 著書:『団結と参加―労使関係法政策の近現代史』『ジョブ型雇用社会とは何か?―正社員体制の矛盾と転機』など 海老原 嗣生氏 大正大学表現学部特命教授 専門:人的資源管理論 著書:『人事の成り立ち』『人事の組み立て―脱日本型雇用のトリセツ―』など 神林 龍氏 一橋大学経済研究所教授 専門:労働経済学 著書:『正規の世界・非正規の世界―現代日本労働経済学の基本問題』『日本の外国人労働力』など 山西 均氏 文京学院大学外国語学部准教授 専門:人的資源管理 著書:『グローバリズムと共感の時代の人事制度』『日本企業のグローバル人事戦略』など |
主催 | 明治大学社会科学研究所 |
問い合わせ先 | 明治大学社会科学研究所 sha_ken@mics.meiji.ac.jp |