学際系総合研究C
社会技術革新学特論
−技術革新と社会変革の課題を国際石油情勢の視点から検証−
- 担当者
- コーディネーター 増田 優 理工学部客員教授
- 授業内容
- 資源・エネルギーを巡る変遷は技術革新や社会変革の結果である一方で、資源・エネルギーを巡る国際的な動きは、技術革新を誘発し制度改革や人材改新を伴いながら社会変革をもたらす主要な要因として、各国に大きな影響をもたらしてきた。持続可能な社会への転換とともに国際競争力の維持向上が求められる21世紀においては、資源・エネルギーとの深いかかわりを抜きにして産業・経済・社会・世界を論じることはできず、この視点を常に持ちながら役割がますます拡大する技術革新とともに制度改革や人材改新を連動させて円滑に社会変革を実現して行くことが大きな課題となっている。こうした中にあっては、国際石油情勢が、技術革新や社会規範にもたらす影響、企業経営や経済社会にもたらす影響、各国間の関わりや国際金融にもたらす影響などを経営者、技術者,研究者,行政官など幅広い分野の人材が相互に理解することが必須である。
こうした背景のもとに、技術革新と付加価値や資源・エネルギーとの関わり、日本における技術革新と社会変革の実相、石油危機の実相と危機克服における技術革新の役割、その後の日本社会の変遷と国際石油情勢の変化、近年の石油価格の高騰とその背景およびそれがもたらす影響、持続可能な発展と石油情勢の将来展望などを検証しながら、今後日本に必要な技術革新と克服すべき諸々の課題について、国際的な動向と国際競争力の現状を踏まえつつ論じる。これらによって、大学院生の文理融合的な素養を向上させ視野の拡大を図るとともに課題の設定と実現の能力の強化を目指す。
- 授業計画
- 第1、2、3回(6月11日)・・・・・・・・・・・増田優(明治大学理工学部客員教授)
技術革新と付加価値、資源と人材、危機の克服と国際競争力など企業を取り巻く状況を概観する。
第4、5、6回(6月25日)・・・・・・・・・・・増田優・須藤繁 国際開発センター研究顧問
石油産業における技術革新が石油供給力や環境改善に果たした役割を検証しつつ1990年代までの国際石油情勢の変遷について論じる。
第7、8、9回(7月2日)・・・・・・・・・・・・増田優・須藤繁 国際開発センター研究顧問
情報技術がもたらした1990年代以降の石油産業やエネルギー安全保障に関する認識の変化を検証しつつ、近年の石油価格の高騰とその影響を論じ、持続可能な発展が強く求められる中における主要国のエネルギー・石油政策について展望する。
第10、11、12回(7月9日)・・・・・・・・・増田優・川瀬泰人 日本リファイン(株)社長
地球温暖化防止との関わりでますます時代の要請が高まる溶剤リサイクル事業の今後の展開について電気自動車を巡る最近の内外の動向なども含めて論ずる。
第13、14、15回(7月16日)・・・・・・・・増田優・須藤 国際開発センター研究顧問
日本における技術革新と社会変革の実相を検証しながら、国際的な動向と国際競争力の現状を踏まえ、今後日本に必要な技術革新と克服すべき諸々の課題について論じる。