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GPの意義

2010年07月15日
明治大学

学長室専門員 塚原 康博


 学長室専門員(以下専門員)になると、担当する仕事が割り当てられるが、7年間、教育改革支援本部(GPの育成・申請の支援を行う部署)の仕事をしている。この仕事に就いた当初は、外部評価に耐えうる大学を目指していたため、GPを獲得しようという意気込みはたいへんなものであった。その一方で、学内でのGPの浸透度は不十分であったため、専門員自身が申請する取組を掘り起こしたり、申請書の記述に携わることもしばしばであった。今では、GPが学内で浸透し、学部などの各部署が自主的に取組を申請してくるので、専門員の負担はかなり減っている。これは、GPの存在が学内で認知されたことのみならず、その効果が理解されたためであろう。

 GPは採択されるのが目的ではなく、教育の質を高めるのが目的である。GPの採択は、きっかけであり、手段にすぎない。GPに採択されなくとも、申請するだけで大きな効果を持つ。なぜならば、教育GPを例にとると、取組を申請する際に、必然的に大学や学部の教育理念との関係、他の科目との関連、カリキュラム上の位置づけ、教育効果について考えざるをえないからである。GPに申請することは、教育プログラムについて熟慮するよい機会となるであろう。GPは、教育プログラムの改善やカリキュラム改革に直結するものであり、「GPの輪」を学内にさらに広げていければと思う。年末には「GP事例報告会」を開催しており、GP申請を考えている部署の方にはぜひ参加していただき、学内の情報共有の場にしていただければ幸いである。


(注) GPとは、「Good Practice」のことであり、各大学等が実施する教育改革の取組の中から、優れた取組を文部科学省が選定するものである。選定されると、文部科学省から経済的な支援が得られる。選定された取組についての情報が社会に広く提供されることで、他の大学等に対する教育改革の波及効果も期待されている。

<参考>
文部科学省ホームページ 国公私立大学を通じた大学教育改革の支援
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/index.htm
明治大学教育改革の取組(文部科学省各種GP採択)
http://www.meiji.ac.jp/edu/gp/