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先端数理科学研究科 カリキュラム概要

教育研究領域

現象数理学専攻

 現象の本質を見抜き、理解する抽出モデルの構築を柱とする数理科学の教育研究を行います。自然、社会、生物などに現れる複雑現象の数理的解明に向けて、モデリングに関する基礎技術及び数理解析技術を習得させることを目指します。
具体的に取り扱う現象としては、
・経済活動、金融工学、渋滞、そして地震や地球温暖化などの社会現象
・免疫系、遺伝子構造、ガン細胞、心室細動などの医学現象
・進化、生態系などの生物現象
・生命機構に関連する化学反応やタンパク質合成に現れる非平衡現象
・錯覚、思考に見られる知覚・認知現象
などが挙げられます。我々の生活に直接関連の深いテーマに関して、「モデリング」、「数理解析」、「コンピュータシミュレーション」を行い、複雑現象を数理的に理解し、問題に共通する原因を探ります。こうした一連の学習から問題を解決する能力を培っていきます。このように、現代における重要な課題に挑戦しながら、現象数理学的な手法を理解する環境を整えていきます。 

先端メディアサイエンス専攻

   人と関わるコンピュータシステムの実現が主たる教育研究内容です。数理科学、情報システム学、メディア情報学、人間情報学、ヒューマンインタフェースの理論を幅広く学びます。
そのため、本専攻の教育研究領域は、
・人間系領域
・コンピュータ系領域
そしてそれらの間のインタフェースに関する
・インタラクション系領域
の3領域から構成されます。
 人間系領域には、認知心理学や人と人のコミュニケーションや人に易しいデザインなどを含みます。
 コンピュータ系領域は、コンピュータグラフィックス、画像処理、音声信号処理、インターネット工学、パターン認識、トポロジーなどの要素技術を対象とします。
 そして、それらを融合するユーザインタフェースやインタラクション技術がインタラクション系領域です。
   また、他分野に渡る多様な専門分野を横断して最新動向を俯瞰し、積極的な学術技術の融合を図るため、専門家を外部講師として招聘し、大学院生が自分の研究の進捗や特色を説明して助言をもらう「先端メディアコロキウム」を実施します。この機会を利用して、関連分野に関する基礎的素養を涵養していきます。
       

ネットワークデザイン専攻

 ネットワーク社会の実現に向けて、持続可能な社会基盤を支える高度かつ柔軟なネットワークシステムを構築することにより、コンピュータを用いたネットワーク技術の実践を目指します。また、時代と共に変貌していくネットワーク応用技術を種々のビジネスに適用することも学びます。
具体的な教育研究領域は、
・環境エネルギー領域
   (スマートグリッド・スマートシティ・グリーンコンピューティングに関するネットワーク応用)
・ライフサポート領域
      (アンビエント社会・ネットワークロボット・人間に関するネットワーク応用)
・ビジネス工学領域
      (ビジネスに関連したデータ解析に関するネットワーク応用)
の3つのネットワーク応用分野から構成されます。3つの領域には、学部で学んだ知識に加えて、より高度な技術の習得を目指した講義科目が用意されています。
 博士前期課程の講義科目においても、本専攻の選択科目だけでなく、他専攻科目、研究科間共通科目、他研究科科目も最大10単位まで単位として認めています。そのため、幅広い視野をもち、自立した研究者や技術者を育成する教育プログラムとなっています。
 また、博士後期課程では、講義科目として研究科共通の選択科目が用意されているので、幅広い知識を身に付けることが可能です。また研究指導においては、積極的に国際会議で研究成果を発表させることにより、国際的に活躍し得る人材を育成することを目指しています。

複数指導制(現象数理学専攻)

 現象数理学を習得するためには、研究テーマに応じて、現象の数学的記述であるモデリング、その解析であるシミュレーション、数理解析の連結が不可欠です。それを効果的に実践するため、博士前期課程においては、従来の講義形式による教育手法に加え、新たな教育手法を加えます。博士後期課程においては、学生の研究テーマに応じで、モデリング、シミュレーション、数理解析の分野からそれぞれ1名の教員が選出され、3名の指導教員がチームフェローとして研究指導に携わり、学生の研究活動を多面的に指導します。  
 具体的には、現象数理学の方法論であるモデリング、シミュレーション、数理解析の分野から主分野を選択し、正指導教員による指導を受け、残る2分野は先端数理科学インスティテュートからそれぞれの副指導教員を選びます。こうした複数名による研究指導体制により、複眼的視野を持つ教育研究指導を行います。
・博士前期課程…「複数研究指導制」
正指導教員1名および副指導教員2名による複数指導制により、広がりをもった研究指導を行います。  
・博士後期課程…「チームフェローによる複数指導」
学生の研究テーマに応じて、上記3分野から1名ずつ、合計3名の正指導教員がチームフェローを組み、多面的研究指導を行います。 

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