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「日米学生会議」に明大生が参加

日米の大学生らが相互理解を深めるため交流し議論する「第63回日米学生会議」が昨年7月28日~8月21日に日本で開催された。明治大学からただ一人参加した八木澤龍大さん(文学部4年)の体験記を紹介する。

人生を変える夏

2012年夏『第64回日米学生会議』  ダラス(テキサス州)、マディソン(ウィスコンシン州)、バークレー/サンフランシスコ(カリフォルニア州)、シアトル(ワシントン州)で開催される。実行委員として参加する八木澤さんは右から2人目 真剣ゆえ議論が白熱する分科会(八木澤さん・左側列の手前から2人目)

八木澤 龍大(文学部4年)

私は2011年の夏、日本で開催された第63回日米学生会議に参加しました。会議は日米あわせて72人の学生とともに、新潟、京都・滋賀、沖縄、東京の4つの開催地を訪れるもので、その主な活動は大きく二つあります。

一つは各開催地の課題とそれを解決する試みを学び、参加者同士で議論し合うことです。例えば、新潟では、新潟県中越地震・新潟県中越沖地震からの震災復興や、柏崎刈羽原子力発電所で地震大国日本における原子力のあり方を。沖縄では、米軍基地問題や安全保障、戦争の歴史を学びます。

そして二つ目は、参加者が7つの分科会に分かれ、それぞれのトピックについて会議を通して深く議論することで、日米のメディアの問題点や、それらに対するソリューションを話し合うことです。「変わりゆく社会とメディア」という分科会に所属した私は、その過程で自身のメディアに対する見方をガラリと一変させられました。

他にも、開催地の伝統文化体験やホームステイなど、様々な活動が盛り込まれ充実した日々を送ることができます。

その一方で私の英語力や知識では、国際的なアカデミックな議論では通用しないことを、身をもって知る機会となりました。さらに、日本人が世界と競っていくためには、英語力や議論のスキルの向上はもちろん、自分たちが国際社会の中でどんな役割を果たすべきかというビジョンをもつことが必要であると感じました。

この経験から、今年の夏にアメリカで開催される第64回日米学生会議には、たくさんの明大生に参加して欲しいと思います。広い世界の中で自分がどのような役割を果たしていけるか考え、自分の可能性にチャレンジするきっかけにしてもらえればと思います。

私もこの会議で出会い、培ったものをより大きく育てながら、自分が国際社会の中で人々に貢献できる道を探し、その道で全力を尽くしていきたいと考えています。

日米学生会議

日米学生会議(Japan-America Student Conference-JASC)は、日本初の国際的な学生交流団体。米国の対日感情の改善、日米相互の信頼回復を目指し、「世界の平和は太平洋にあり、太平洋の平和は日米間の平和にある。その一翼を学生も担うべきである」という理念の下、1934年に発足。日本と米国から同数の学生が約1カ月にわたって共同生活を送りながら様々な議論や活動を行い、会議全体を通して、様々な世界の問題に対して学生同士の活発な議論を行い、日米両国の参加者間の相互理解を深めていくことを目的としている。宮澤喜一元総理大臣やキッシンジャー元米国国務長官も当会議の参加者として知られる。