Go Forward

明治大学における国際化に想いを馳せて 森宮 康

大学に奉職し42年が経過しようとしている。この間、貴重な体験をさせていただいた。特に思い出に残るのは、他大学に遅れていた国際交流を進めるため、山本学長(当時)のもとで創設された学術国際交流委員会委員の一人として大学間協定校作りに努力させていただいたことである。

協定校候補は委員会審議により選定され、候補校との大学間協定交渉のためアメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、韓国等を訪問した。受入条件が整っていなかったこともあり、現在の状況とはかなりの差があったものの、全学的なベースの一歩を踏み出すことが出来たと思う。その後、グローバリゼーションの流れの中で、明治大学も協定校を飛躍的に増やし、種々のプログラムを実践することができ、関係各位のご努力の賜物とうれしく思っている。

特に納谷廣美学長の二期にわたる指導力により海外にサテライトもでき、積極的な国際化が常態化するほか、学部ベースでの独自の展開も非常に活発化し、教職員の努力に加え、海外の校友の方々の協力もあり、新たな興味深い展望が見られるようになってきている。

重要な課題となるのは、明治大学教職員の志の高さを内外に示し、時の勢いを効果的に持続させ、キャンパスの地の利をさらに生かし、連合父母会、校友会の直接・間接的な明治大学への支援力を有効にいかに展開させるかにあるといえる。かつて明大人のベクトルが内向きで、時間と精力を浪費したと思われた時代もあったが、いまや明治大学はあらゆる時間と機会を積極的に活かすことができるフィールドに立っている。それ故、日本文化と共に異文化の理解を深めることが可能な指導体制を含め、現代社会の様々な教育・研究ニーズに対応しうる不断の努力が求められる。4月以降、福宮新学長による新たな教学体制下において、ローカル社会を大事にしながら、グローバルに活躍できる人財を世に送る使命を果たすポジショニングを期待したい。