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国際日本学部 北京大学で「初音ミク 第二次創作」講座を開催

豊富な映像と音声を駆使した伊藤氏の講演 交流の発展に期待を込める飯田教務担当常勤理事 日本では「初音ミク」、中国では「初音未来」

国際日本学部は5月3日、中国の最高学府として知られる北京大学において、同大外国語学院日本言語文化学部と共催で「日本マンガ・アニメ文化先端講座」の第4回となる『初音未来 第二次創作』を開催。北京大生、教員、大使館関係者のみならず、遠く杭州からも参加があり、会場は定員500人を超える聴衆の熱気に包まれた。

講師は初音ミクの生みの親であるクリプトン・フューチャー社代表取締役の伊藤博之氏が務めた。

開講に先立ち北京大の呉志攀副学長、本学の飯田和人教務担当常勤理事がそれぞれあいさつに立ち、過去3回の講座(1)2010年5月『美少女戦士セーラームーン』幾原邦彦監督、(2)同11月『機動戦士ガンダム』富野由悠季監督、(3)2011年11月『手塚治虫』手塚眞氏・松谷孝征社長といった、「クール・ジャパン」として世界に知られる日本のサブカルチャーを紹介するこの連携講座が継続的に開講されることにより、両大学の交流が深まり、さらに広がっていくと述べた。

講座は、国際日本学部の藤本由香里准教授による、講師プロフィール紹介で開始された。

伊藤氏は、初音ミクはバーチャル・インストゥルメント(コンピュータ上で動く楽器)のソフトウェアを利用して、キャラクターボーカルシリーズの一つとして開発されたが、その元となる音声は声優のものであること。また、初音ミクにキャラクターを付与してイラストを作成したことで創作の連鎖が発生し、新たなミクが次々と生み出され爆発的に人気が広がったと紹介。さらに、著作権侵害の問題解決として、ユーザーが自由に創作することができる環境を整えたことも、ファンが拡大した要因となっていると語り、丁寧かつ熱のこもった講演に聴衆は聴き入っていた。

そして講演最後には、「初音ミクを通じて世界中のクリエーターが交流することで国際親善や文化交流が進み、産業の発展がもたらされることを期待する」とのメッセージとともに中国語版の初音ミクのプロトタイプが披露されると、会場は大きな歓声に包まれた。

伊藤氏の講演に続き、国際日本学部の森川嘉一郎准教授から、初音ミクの人気の秘密やそのキャラクターが生み出された背景等について、手塚治虫氏などの作品を引用しながらの解説もされるなど、今回の講座も充実かつ大盛況であった。

(国際日本学部)