駿風

猛暑が続いた2013年夏の一日。そこからは何一つ人工物が見えない東北の奥深い山の頂で考えた。見渡す限り緑に覆われた山並みは、力強い一体の生き物のようにも思える。それだけで完結しており無駄がない。しかしまた、一歩山道を行けば、ミミズだって、アメンボだって、さすがにオケラは顔を出さなかったが、あの歌に登場するような生き物には容易に出会うことができた。この山が単に緑に覆われただけの土の塊ではないことを実感する。さまざまな生を取り込んでこの山並みがある。全容は到底理解し尽くせないが、数多の生き物を育む尊い存在であることは十分にわかった。

本学もまたあの自然のままの山並みのようであってほしい。価値あるモノは元より、一見無駄なモノでも、全て理解できずとも、多様な個の集合体こそが強い組織を形成し、持続的に次の世代を担う強い個を育むことができるのではないだろうか。しかしながら、多様な個とは実際に付き合ってみればコントロール不能で実に面倒なこともある。それでもなお多様性を認め、受け入れる力、それが大学の器というものだろう。順風満帆の今こそ力の見せ所だ。

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