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第8回UNHCR難民映画祭を2キャンパスで開催

上映会場隣では難民問題を考える資料も展示された

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所が主催する難民映画祭で、本学は協力校として9月30日から10月5日までの間に和泉図書館ホールで5作品、中野キャンパスホールで1作品を上映。参加人数はのべ660人に達した。

この映画祭は難民が抱える問題への理解を目的として開催されている。2010年に本学と同事務所が「難民を対象とする推薦入試に関する協力協定」を結んだことから、難民という国際社会が共有する問題への一層の理解を促進するために、昨年度から本学キャンパスで開催している。
明治大学での上映方法の特徴は2点。1つは映画の上映前後に、当該作品の背景説明等を主として学内の専門家が実施することである。このことにより、各作品 の背景や映像のポイントなどが明確になる。今年度はアフリカを舞台とした2作品に国際日本学部の溝辺泰雄講師が、またボルネオ島を舞台にした作品に鳥居高 が解説を行った。もう1点は、和泉図書館で、ホールに隣接するギャラリーに上映作品関連の書籍やUNHCR提供の資料を展示したことである。映画を契機に さらに、参加者が、和泉図書館の中に入り、難民問題に関心を持ってもらいたいと考えた。

今年度の映画祭の1つのテーマは「難民の中における少数者」とされ、難民であり、かつさまざまな少数者に焦点を与える作品が選ばれた。このテーマに関連 し、10月3日に和泉キャンパスで上映された「異国に生きる」では、聴覚や視覚に障害を持つ方も映画を楽しむことができるバリアフリー上映が試みられた。

最後に、10月1日に中野キャンパスで行われた「旅立ち」の上映会に参加した本学の学生の感想を紹介し、今年度の成果としたい。「(アフリカからフィンラ ンドへ第3国定住した難民の)子どもたちの無邪気さにはいろいろなことを考えました。映画中はひたすら無邪気に描かれていた子供たちですが、フィンランド に移った時には(彼らが同じような生活を送っていた)これまでと状況が一転した中、初めての物ばかりの状況に不安そうにする表情も見られました。これから フィンランド生活で、周りとの劣等感とか、今までとの違いに辛いこともあるだろうけど頑張ってほしい。また、彼らが大きくなった時、自分の過去をどう見る か、住んでいた地域をどう受け止めていくのだろうかも気になりました」(商3松本優子さん)。
(鳥居高商学部教授)