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明治大学が中心の研究プロジェクト(COI-T)が「創造的生活者シンポジウム」を開催

展示スペースの盛況ぶり シンポジウム前半に登壇した気鋭の研究者ら MIT・ヒッペル教授のビデオ講演

明治大学が中核機関となり、慶應義塾大学・関西学院大学・山形大学と連携、推進する研究プロジェクト「感性に基づく個別化循環型社会の創造」は7月11日、『創造的生活者シンポジウム』を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催。

3Dプリンタに代表されるデジタルものづくり技術や、感性価値の指標化などをテーマに、気鋭の研究者らが講演やトークを行った。また、研究成果やものづくりに関する展示スペースも別会場に設けられ、こちらも盛況となった。

本プロジェクトは昨年、文部科学省と科学技術振興機構による大型産学連携事業「革新的イノベーション創出プログラム」のCOI-T(トライアル)に採択。大量生産・大量消費社会で受動的消費者だった個人が、心から満足できるものを自ら作って使う“創造的生活者”へと変わる社会の実現を産学連携で目指している。

プロジェクトの運営リーダー、荒川薫・総合数理学部教授が司会を務めたシンポジウムでは、山本昌弘副学長(研究担当)のあいさつなどに続き、研究リーダーの村井純・慶應義塾大学環境情報学部長(教授)が「インターネット前提時代のデジタルファブリケーション」をテーマに講演。村井教授は“ウェブ×ものづくり”というデジタルファブリケーションの本質に触れながら、デジタル化による製造・物流・販売などの発展で大幅なコストダウンが図れると指摘し、「極論を言えば、いずれ関税や物流はなくなる可能性がある」などと述べた。

続いて、プロジェクトリーダーの松原健二・㈱ロングフェロー代表取締役社長がプロジェクトの概要を説明。さらに、各大学の研究者ら10人による「ケーススタディ・ライトニングトーク」が行われ、原島博・総合数理学部客員教授は「受動的消費者が創造的生活者になれば、時代が変わる。真の循環型エコ社会の実現に結びつく」と力説。さらに、本プロジェクトの特徴として、「未来を担う若い研究者が自らリーダーシップを発揮し、中心となって活躍している」ことを挙げた。

休憩をはさんでは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のエリック・フォン・ヒッペル教授(ビデオ出演)と小川進・神戸大学大学院経営学研究科教授による招待講演「ユーザーイノベーション:消費者から始まるモノづくりの未来」、瀧田佐登子・Mozilla Japan代表理事の講演「オープンソースカルチャーとものづくり」と続き、松原氏らによるクロージングトークで閉会。

シンポジウムの模様は、ニコニコ生放送とUstreamによって、ネット上でライブ配信された。現在もUstreamで視聴が可能。