本棚『世界俳句2015 第11号』夏石 番矢・世界俳句協会 編(七月堂、1600円+税)



「四四ヶ国三〇言語二〇四人五三二句」。こう表紙に記された本の名は『世界俳句(World Haiku)No.11』。夏石番矢率いる世界俳句協会発行の一書である。

さて、次の句はそれぞれどこの国の作家の作品?「木下闇猫のしっぽのおきどころ」「駿馬の腰を滑り降りて/ 戯れる/ お日様」「緑の街路樹/ 葉が互いに編む/ 長い道」 。正解は日本、内モンゴル、ベトナム。言われてみると確かにお国柄が出ていて楽しい上に、各国の死生観や抒情の特質が垣間見えて考えさせられる。

また今号の評論は「ハノイと世界俳句」 「日本の女流俳句について」「台湾の俳句史」等々、読み応え十分。さらに特徴的なのはジュニア俳句にも紙幅を割いている点。「運動会だれより走ったお母さん」(日本・11歳)、「青い鳥の/ かん高い歌声/ 楡の木のジュークボックス」(ニュージーランド・13歳) 。また、英語による俳句と絵画・写真とのコラボレーションも。豊穣な作品群は読者をみずみずしい世界へと誘う。

西山春文・商学部教授(編者は法学部教授)

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