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「旧友との再会~そして母校への想い~」石﨑 雅彦(1986年 商学部卒)

何の前触れもなく届いた1通のハガキに記されていた「大野ゼミ同窓会」の文字。ゼミの仲間とは卒業以来約30年連絡をとっていない。母校への関心もテレビで箱根駅伝を見ながら漫然と応援するくらい。しかしなぜか心が騒ぐ。「会いたい」

緊張と期待を胸に参加。果たして旧友の顔を見るや否や一気に古き時代へタイムスリップ。お互いの断片的な記憶を繋ぎ合わせると心の奥底に封印していた純粋な気持ちが不意に蘇り、自分でも予期し得なかった母校明治への熱い想いとなって現れる。以来、旧友と秩父宮ラグビー場・神宮球場へと出かけては学生さながら声援を送り勝利の美酒に酔う。そしてそれはいつしか「母校へ恩返しがしたい」という気持ちへと変化する。

そんな折、大学の広報誌で「ホームカミングデー」というイベントが開催されることを知る。大勢の校友が集い、その場で寄付も受け付けるという。「これだ!」

高層ビルに変貌した駿河台キャンパスで寄付金を納め、30年ぶりにマンドリン倶楽部の演奏を聴く。温かい音色とほとばしる情熱に酔い、ラストの校歌演奏では聴衆全員が立ち上がり自然に肩を組み大合唱に。突如声が詰まり思いがけず溢れる涙。「明治大学出身でよかった」心からそう思う瞬間。

長い年月を経て今ここに立てることに感謝し、これからも前へ前へと歩いていこう。そう、立ち寄った男子トイレの壁には「一歩前へ」と書かれたシールが貼ってあった。北島ラグビーの精神は今も脈々と息づいている。

明治よ、前へ!