論壇「付属校・系属校等の体系的な整備・拡充を」

経営企画担当常勤理事 飯田 和人

2017年度入試も無事終了した。本学は11年連続で志願者10万人を超え、5年ぶりに11万人の大台にのせた。高校生の人気も相変わらず高いが、このあたりで将来のために足元をしっかりと見据えておきたい。

10学部の入学定員(2017年度)は、6730名(1年生~4年生までの収容定員:26920名)。このうち一般選抜、全学部統一、センター入試などの、いわゆる「一般入試」の募集定員は4665名(同:18660名)であり、それ以外の「特別入試」(スポーツ推薦、留学生等)で579名(同:2316名)、「推薦入試」(付属校、指定校等)で1486名(同:5944名)である。

それぞれの割合は、「一般入試」69.3%、「特別入試」8.6%、そして「推薦入試」22.1%である。以上は入学定員(募集定員)ベースであるが、実際に入学し在籍している学生現員(収容定員)ベースでみると、「一般入試」67.7%、「特別入試」9.1%、「推薦入試」23.2%となる。これは本学が「一般入試」の入学者を絞り込み、それ以外の入試で定員以上に入学させて現在の在籍者数を確保していることを示す。

そこで「推薦入試」を見ると、付属校推薦の学生現員は入学定員に対して少なくなっており、定員が満たされていない。これに対して、指定校推薦は学生現員が入学定員よりも上回っている。以上から、本学が「一般入試」で合格者を絞り込んだ分を指定校推薦入試で補っているということが分かる。「一般入試」は偏差値に反映されるため、大学間競争が熾烈を極める中で各学部とも合格者数をできるだけ絞り込む傾向がある。これは本学だけではなく、競合校や上位・下位併願校にも同じようなことが言える。

全国レベルで見ても、受験生(18歳人口)全体の数は減少傾向(2018年問題)にあり、指定校推薦入学者は逆に拡大の一途である。他方で、指定校が提出する内申書は必ずしも全面的に信用することができない状況も生まれつつある。大学によっては、指定校推薦入学者の高校補習(リメディアル)授業を実施せざるを得ないところも出てきていると聞く。

こうした中で、指定校推薦に入学者のかなりの部分を依存していることは、学生の質を確保するという意味でも決して望ましいことではない。とはいえ、スポーツ推薦等の「特別入試」を増やしていくことも、入学者の学力確保という観点からは限界がある。また、募集定員が大きく、競合校が多い学部ほど指定校推薦に依存する傾向が強いが、そうした学部ほど本学の財政にとっての貢献度は大きいのである。

こうした事態を打開し、将来にわたって質の高い入学生を安定的に確保して行くためには、現在の付属校と指定校との間に系属校、接続校、連携協定校といった多様な推薦入学枠を構築していくことが必要となる。むろん、そうした付属校・系属校等の体系的な整備や拡充は、教学のみならず法人にとっても重要課題であり、教学・法人一体となっての取り組みが求められることは言うまでもない。
(政治経済学部教授)

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