駿風

速い、速すぎる。一日が、一週間が。定例会議に打ち合わせ、講義にゼミ、研究指導。また次の週がすぐそこに待っている。さらに臨時の出張とくれば、翌週はまさしく火の車ならぬ「火の大車輪」である。

以前、先達に「40、50代と年齢を重ねるごとにもっと速くなるよ」との忠告は確かに受けていた。そんなある日、若き日に写した数枚の写真をもとに講義をしたところ、学生が「先生は、私たちが生まれる前から研究者だったのですね」との感想。そうかこれら30年前の写真は、撮影者本人にはほんの「昨日」でも、学生にとっては大昔になってしまう。

時間の流れは速いが、撮影者本人は昨日のことのように鮮明に覚えていて、ふと振り返ると、“足元”に落ちているあの記憶が、学生には遠い昔の話になる。時間の感覚の二つの側面を痛感した瞬間である。ということは、これからの5年、また10年はあっという間に流れていく。

10年後、後輩教職員に「志願者が10万人もいたあの時代に先輩たちは何をやっていたのですかね」といわれないように、次の世代へ渡す堅固な大学の基盤造りに少しでも貢献できれば、と思いつつ、今日もまたビールと共に日が暮れた。

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