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私立大学研究ブランディング事業 第1回 公開シンポジウム『数理科学の誘惑』「対話が誘う文理融合の世界」を開催

大いに盛り上がった各プログラムでの鼎談 研究者による演奏も披露された

明治大学先端数理科学インスティテュート(MIMS)は3月17日、公開シンポジウム「『数理科学の誘惑』~対話が誘う文理融合の世界~」を駿河台キャンパス・アカデミーホールで開催した。

これは、文部科学省平成28年度私立大学研究ブランディング事業に採択されている「Math Everywhere:数理科学する明治大学」の活動の一環として、研究のさらなる推進と社会への発信を目的とした初の試みで、約330人が来場した。

4部構成の最初のプログラムは「インテリジェンスの深層」。三村昌泰学長特任補佐の講演の後、研究・知財戦略機構の中沢新一特任教授、山口智彦特任教授を加えた3人による鼎談を実施。数理科学や民俗学など、理系と文系の両方の側面から知性について議論が交わされた。

2つ目の「畳む世界・広げる世界」のプログラムでは、萩原一郎研究・知財戦略機構特任教授と、国立科学博物館館長の林良博氏が講演。荒川薫総合数理学部教授を交えた鼎談では、理系の中でも工学と生物学といった別分野の掛け合わせに関する話題が展開された。
休憩を挟み行われたプログラム「楽曲のひととき」では、小川知之総合数理学部教授、武仲能子氏(産業技術総合研究所主任研究員)、研究・知財戦略機構の三村与士文研究推進員による尺八・箏、フルート、ピアノの演奏が実現。「音楽と数学には結びつきがあります」という小川教授のメッセージに続いて行われた「AIと音楽」のプログラムでは、総合数理学部の嵯峨山茂樹教授による講演が行われ、自動作曲システムを例に挙げながら今後のAI技術や音楽を含む芸術の未来について問題提起がなされた。

最後の「理性を欺く錯視の世界」をテーマにしたプログラムでは、杉原厚吉研究・知財戦略機構特任教授が変身立体等の作品の映像を通して、当たり前のように目を使って生活している中に潜む「見る」ことの危うさや不思議さについて講演。続く鼎談では、飯田泰之政治経済学部准教授、田野倉葉子先端数理科学研究科特任准教授とともに、日常生活に錯視が引き起こす影響を経済学の視点を取り入れながら解説した。

来場者は「文理融合のテーマは、理系だった自分にもとても興味深く有意義な時間だった」「高校レベルの数学の知識でも、興味をそそられる内容だった」と感想を語るなど、社会に役立つ数理科学が本学のブランドとして広がりをみせる大きな一歩となった。