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公開シンポジウム「Math Gaudi—ガウディを数理科学する—」を開催

ガウディ作品と数理科学の関連について議論した

明治大学先端数理科学インスティテュート(以下、MIMS)は9月8日、公開シンポジウム「Math Gaudi -ガウディを数理科学する-」を駿河台キャンパス・グローバルホールで開催した。これは、平成28年度文部科学省私立大学研究ブランディング事業に採択された「Math Everywhere:数理科学する明治大学」の活動の一環で、若手・中堅研究者が企画運営を担当した。当日は来場者約160人を集め、会場はほぼ満席となった。

講演の部では、バルセロナ在住の田中裕也・工学博士(ガウディ研究者、建築家)が、自らの実測によって解き明かされたガウディ作品の秘密と魅力について講演した後、MIMS副所長の砂田利一・明治大学教授が美意識と幾何学について講演。ル・コルビュジエの言葉を引用し、「数学は、宇宙の理解を許すために、人間によって構想された荘重な建造物である」と締めくくった。

休憩後の座談の部では、杉原厚吉研究・知財戦略機構特任教授(MIMS所長)と俣野博研究・知財戦略機構特任教授(MIMS副所長)も登壇し、「ガウディ meets 数理科学 -未来に広がるガウディの世界-」と題するパネルディスカッションと質疑応答を行った。曲面や膜構造を多用し、石と煉瓦と石灰モルタルにこだわったガウディの秘密がさらに深掘りされた。AIは建築家や数学者になれるか?という質問は興味深い議論を誘発した。

来場者からは「美・芸術といった抽象的なものの背景にある理数要素を垣間見ることができて面白かった」「明治大学を身近に感じられた」などの感想が寄せられた。91%の来場者が本シンポジウムを「よかった」と評価し、75%が「数理科学する明治大学」の今後の展開を期待している。12月14日には第3回公開シンポジウム「自動運転社会の数理科学(AI社会)」を駿河台アカデミーホールで開催する予定である。