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第585回 明大スポーツ新聞部 ズームアップ

文・写真/大西 健太(情コミ3)

野球界の片隅で文武両道を極めるプレイヤー 準硬式野球部 原 晟也



昨秋に三塁手のレギュラーをつかみ、ベストナインも受賞した原晟也内野手(情コミ2=彦根東)。勝負強い打撃で新チームでも中軸を担っている。1年生から活躍している原だが、スポーツ推薦ではなく一般入試での入学。異色な経歴を誇る原の活躍に迫っていく。

この男は努力することを知っている。高校時代は彦根東高・不動の1番遊撃手として甲子園で活躍。周りが甲子園出場の実績を生かしてスポーツ推薦を決める中、「野球に頼りたくはない」と一般入試で勝負する道を選択した。しかし、甲子園終了後に行われたセンター模試の結果は40%の正解率と、明大への合格にはほど遠い結果に。それでも公立高校で甲子園出場を果たした原は「努力すれば夢は叶う」ことを知っていた。「朝から夜まで死ぬ気で勉強した」と、決死の受験勉強で明大に合格。野球、勉強どちらでも妥協を許さぬ努力で、己の道を切り開いた。

新たな環境でステップアップを図る。高校野球とは違って少ない観衆の中、試合をすることが多い準硬式野球。「最初は少し戸惑いがあった」と、脚光を浴びることが少ない環境にモチベーションを失いかけた。それでも試合に出るつれ、「やっている野球は一緒」だということに気が付く。勝ったらうれしい。負けたら悔しい。それが野球。白球を追いかけることに変わりはなく、そこにあるのは野球そのものだった。「今は先輩たちと日本一になることが目標」。準硬式野球という野球界の片隅で、今日もグラウンドを駆け抜ける。

(はら・せいや 情コミ2 彦根東 177㎝・66kg)