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先端数理科学研究科が開設10周年記念シンポジウムを開催

第二部の登壇者と研究科教員

大学院先端数理科学研究科は、2021年4月に開設10周年を迎えた。このことを記念して、10月30日にオンラインシンポジウムを開催した。先端数理科学研究科修了生や在学生を中心に約100人が参加した。

シンポジウムの冒頭、大六野耕作学長があいさつに立ち、「これからは人文社会科学の分野でも数理科学の手法が求められる。先端数理科学研究科には、明治大学の数理科学をリードしていただきたい」と激励した。

第一部の基調講演は、「先端数理科学と複雑系」と題し、東京大学の合原一幸特別教授が登壇した。合原教授は、疾病状態に陥る寸前を数理的に捉える動的ネットワークバイオマーカーや、脳神経科学研究とAI研究の今後の展開などの話題を展開。数理科学研究の裾野の広さや社会的期待値の高さを感じさせる例として、ラグビーなどの組織的なゲーム戦略の分野も複雑系で、数理科学分野での研究が進みつつあることを解説した。

第二部は、「先端数理科学研究科を起点とするキャリアアップ」と題するパネルディスカッション。同研究科の修了生6人がそれぞれ大学院時代に取り組んだことと、現在の業務にそれらの知見がどのように生かされているかということについて意見交換した。中学校教員から同研究科現象数理学専攻を経て、現在は同志社大学准教授の岩本真裕子氏(2014年修了)や、仮想現実コンテンツなどの制作に先端メディアサイエンス専攻での経験を活用している㈱博報堂アイ・スタジオの猪塚美帆氏(2019年修了)、ネットワークデザイン専攻修了生で東日本旅客鉄道㈱に務める岡田真那美氏(2019年修了)らが登壇した。パネリストらは、論理的思考や将来の仕事の幅を広げてくれる大学院進学の魅力などをそれぞれの言葉で語り、ディスカッションは大いに盛り上がった。
(中野教務事務室)